国会質問

質問日:2014年 4月 15日 第186国会 厚生労働委員会

難病法案―参考人質疑

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日は、六人の参考人の皆さんの出席をいただき、また貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
 全員に質問したいんですが、時間が限られておりますので、急いで始めたいと思います。残った場合は御了承をお願いしたいと思います。
 まず、伊藤参考人と五十嵐参考人に、難病対策委員会の議論に直接かかわってきたという立場で、同じ質問をさせていただきたいと思います。
 中間取りまとめや改革の方向、あるいは提言という、何度かまとめてくる過程で、きょうもお二人が発言の中で触れられました理念の問題、「生物としての多様性をもつ人類にとっての必然であり、科学・医療の進歩を希求する社会の在り方として、難病に罹患した患者・家族を包含し、」とあること、これは団体の皆さんも高く評価した理念であります。
 一言で言うと共生社会の実現という表現をされていると思うんですが、それが法案のどこで反映されたのかということを見たときに、若干、悪く言えば後退しているのではないか。例えば、第二条でいうと、ほかの人々と共生することを妨げられない、そういう表現になっていたり、他の施策との連携という表現になっておって、本当に理念が丸ごと入るのかなと私が質問したときに、書きますという大臣の答弁もあったんですね。そういう意味では若干引いているような気がして残念に思うんですが、率直な感想を伺いたいと思います。

○伊藤参考人 先生も御存じのように、難病対策委員会は、患者の代表も、地域の行政の代表も、福祉やら医療やら、さまざまな人が集まって議論したところで、初めはどうなるのかなというような形、みんなやはりそれぞれ立場が違って、難病というものを見る角度もいろいろ違ったんですね。そういう中で、この基本理念というところで一致したという、これは、そこでみんなが一致したというか、そこで一致する場をつくったということが僕は非常に大きな成果だったと思うんです。特に遺伝子の話というのは、患者さんは余り表には出したくない、したくないというようなことなんかも吹っ切るような、いい理念だったと思います。
 これが今度の法案に反映しているかどうかというのは、僕たちは素人ですので、法律というものでどう書いているのがどういう意味かというのは、なかなかよくわからないことがあるんですね。でも、これはそういう意味だと言われれば、そうかなと思ったりはします。
 ただ、その中で、さらにこれは法案をつくるときにお願いしたんですが、そこをどこかで書いてほしいということをお願いしまして、一部、中に入っているところもありますが、一番最初に七項目ほど書いているところの中に一つ入っているんですが、もう一つは、厚生労働大臣が基本方針をつくると言われたことなんです。
 ほかの法律もそうなっているのかどうかわかりませんが、一つ一つの法律の中に理念的なものを書き込めないんだとすれば、基本方針というもので方向を示すのであれば、まだどういう方針かはよくわからないんですけれども、期待はしたいと思います。
 また、あるいはそれに対応して、これも一番最初の発言に述べましたように、国会としても、こういう難病対策、今はちょっとそうでないにしても、こういう対策であるべきだというようなものも一言どこかで入れば、それがまた理念の具現化につながっていくのではないかというように考えております。

○五十嵐参考人 大変難しい御指摘で、私も答えにくいんですけれども、ただ、遺伝子の変異というのは、遺伝子変化の中立説という木村資生先生の、遺伝的多様性というのがあるがゆえに生命は三十億年長らえてきた、常に一定のものしかつくらない場合には環境やいろいろな変化に対応できなかったという生命の長い歴史の事実を科学的に表現した表現なんですけれども、これを病気の発症というところに、非常にニュートラルに科学的に表現するというところを土台にしたということは、極めて高い理念ではないかと私は考えています。
 ただ、それが世俗的な法律にどういうふうにいくのかということになりますと、ちょっと私はなかなか御返事はしかねるというのが、私の限界だと思います。申しわけございません。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 お二人がお話しされた、委員会の中でそういういろいろな違いを乗り越えて一致してきたその理念が、やはり私はストレートに盛り込まれるのが一番いいと思っているんですけれども、そこの気持ちが本当ににじむように、基本方針やその他のことでにじむように、さらに発言を続けていきたいな、このように思っております。ありがとうございます。
 次に、小林参考人に伺いたいと思うんですが、本当に希少な子供さんの難病、またそれを抱える孤独な家族のネットワークをつくりながら施策を積み上げてきた取り組みに、本当に敬意を表したいと思います。
 それで、家族を支援しなければならないというこの特殊性の意味を、やはりイメージを膨らませる必要があるのではないか、そのことについてお話をいただきたいのと、その上で、小慢は大人の二分の一とか、食費もなくていいよと、単純でいいんでしょうかということを、もしおっしゃることができたらお願いしたいと思います。

○小林参考人 自己負担のお話が先ほども出たんですけれども、小慢は、難病の半分でございまして、食事もそうでありました。言いにくいところではあります。大変ありがたいなというふうに感謝しているところでございます。
 最初の御質問は、小慢の制度の、家族支援のことでよろしいですよね。
 子供と親というのは、私たちは一体だと思っております。子供が元気なら親も元気だし、親が元気なら子供も元気なんだ。ちょっと単純過ぎるかもしれませんけれども、やはり多くの家族でそうしたことが見られると思います。
 やはりみんなが、それぞれの困難を抱えた家族を互いに支え合って、それぞれが受け皿をしていくというようなことを念頭に置きながら、先ほども五十嵐先生のお話にありましたけれども、ピアサポートとか、親たちのネットワークづくりとか、そうしたものを通じて、みんなが病気があっても元気に地域で暮らしていけるような世の中を少しでも早く築き上げられたらいいなというふうに願っています。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 次に、橋本参考人に伺いたいと思うんですが、誰にでも発症する疾病であり、また、さまざまな症状があるということを訴えられました。副作用の恐怖におびえながら何十種類の薬を飲み続ける、こういうことを思えば、本当に一日も早く標準医療の水準に引き上げていくこと、そのことがひいてはコストの削減にもつながるんだという、むしろ建設的な提案であったのではないか、このように思っております。
 その上で、きょうの問いは、そういう中でも、研究班が積み上げてきた成果ですとか、痛みセンターを全国でつくって支援をしていくという形で、さまざま切り開いてきたものがあると思うんですね。ここへの期待、あるいは拡充に対する思いなどをお聞かせいただければと思います。

○橋本参考人 線維筋痛症学会は、もう五回目になりますけれども、ここで行われている研究は非常に先進的で、核心に迫るものがあって、いろいろな、画像的な、あるいは血液の中での抗体を発見するというような、そういうところにまで今迫ってきていますので、恐らく線維筋痛症の本体は、一部ですけれどもわかっているんだろうなと思います。いろいろな症状がありますので、いろいろなタイプもあります。だから、全部だとは私も思っていません。でも、本当に迫りつつあるなというふうには思っています。
 それから、痛みセンターの方ですが、こちらの方はまだ設立されて三年目ということもありまして、予算もいただいているようですけれども、それほど潤沢ではないらしく、苦労していらっしゃるようです。だから、まだ今のところ大したことができているようには思えません。
 私も、協力はするということを申し出ていますが、今のところ、痛みセンターの動きというか、相談センターが愛知にありますけれども、そちらよりも何か私の方がはるかにたくさん電話を受けているなというふうに感じているので、何とか、私も本当にもう大変なので、痛みセンターが頑張って引き受けてくれるんだったら、私の方はちょっと減らしてほしいな、助けてほしいと思っています。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 指定難病になるかならないか、全部ゼロか一〇〇かではなくて、そういう途中のいろいろな研究の蓄積や相談の支援というところにもっと支援をしていくことが必要ではないかと思って聞かせていただきました。ありがとうございました。
 それで、森参考人にも伺いたいと思うんですが、膠原病というのは、本当にポピュラーな、誰もが知っている病名でありながら、実はよく知られていないということが非常によく伝わったのではないかと思っております。
 それで、重症度分類について非常に心配されているわけなんですが、まだ確立しているのは十二疾患しかない中で、あと一年であの三百疾患をもしやるとしたら、どうやって決めるのかという心配があるわけですよね。そのときにある程度丸めるんじゃないかとか、いろいろなことが言われている。その中で、例えば高額な治療が必要な人たちをどうするか。重症化を防ぐ人、そういう一定の、やはり決めていかなければならない、要するに、本当に必要な人がはじかれないようにするためにどういうふうに分類をつくるのかということで、御意見を伺いたいと思います。

○森参考人 単なる医学的な部分だけで、例えば数値のようなものだけで重症度分類というのを決めるということではないと思いますし、日常生活でいかに非常に支障が起こっているか、困難性があるかというようなところも配慮していただきながらの取り決めだと思います。
 ただ、そのこともなかなか、専門家の視点でどれだけ患者の実態がわかるのかなというふうには思っています。
 例えば、外来通院いたしておりますと、先生の前に座ると、あちらこちら非常に痛くてつらかった思いが、やはりちょっと安心するのか、にこやかな顔になったりしまして、なかなか主治医にも伝わらない。その主治医の方も受けとめ方によって、非常にしっかりと受けとめていただく先生もあれば、軽く見られる先生なんかもありますので、そのあたりで、やはり専門家の視点だけで決められるというところは非常に不安があります。
 かといって、患者団体の代表等が一緒に入って振り分けをするなんということはなかなかできませんので、基準が一つ一つにできたのならば、患者の方の実態もしっかりと聞いていただき、そして丁寧につくり上げていただきたい。もちろん、日がもう迫っておりまして、ないわけですけれども、やはり駆使して、それらのことを非常に気をつけてやっていただきたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 ここは、さらに現場の皆さんの声をうんと反映させていくということが必要ではないかなと思っております。
 松原参考人には時間の関係で伺えませんでした。がん議連もありますし、しっかりと受けとめて頑張っていきたいと思います。
 また、JPAの方で、伊藤参考人、その他の施策ということで、かなり総合的な福祉の分野の提案をされていらっしゃいますので、本当にそこがいろいろな形で確実に担保がとれていくように、さらに議論を進めていきたいと思います。
 きょうは本当にありがとうございました。

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