国会質問

質問日:2014年 4月 4日 第186国会 厚生労働委員会

独立行政法人医薬基盤研究所法の一部改定案

 高橋氏は4日の質疑で、新機構設立にともなう国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所との統合法案について「単なる数あわせ。やるべきではない」と批判。戦後1945年から始めた国民健康栄養調査の役割を強調し「確実に引き継がれるのか」とただしました。土屋品子厚労副大臣は「健康政策の基本データとなるなど大変重要。統合後も確実に実施できる」と答えました。
(しんぶん赤旗 2014年4月6日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 最初に、法案について、これまでも議論されてきたわけですが、立場が違う方たちの議論でありましたので、直球で質問させていただきます。
 独立行政法人日本医療研究開発機構設立に伴いますスクラップ・アンド・ビルドが必要だとして、二つの独法を統合するわけでありますけれども、片や大正九年にできた国立健康・栄養研究所、片や平成十七年、若い医薬基盤研究所、全く歴史が違います。単なる数合わせにすぎず、やるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

○田村国務大臣 先ほど来申し上げておりますが、今般急にやろうという話ではございませんでして、そういう意味では、平成十九年に閣議決定をしてきたものでございます。
 でありますから、我々、積み残した宿題、政権がまた戻った後にこれをやらせていただくということでございますから、新しくできる機構との数合わせではなくて、やり残してきた宿題を今回しっかりとさせていただくという意味で、しっかりやらせていただきたいと思っております。

○高橋(千)委員 やり残してきたとおっしゃいますけれども、厚労省として、やはり必要だから残してきたという意義があるはずです。そのことを確認したいということと、あわせて、少なくとも職員の雇用が引き継がれるのか、確認をいたします。

○三浦政府参考人 それぞれの研究所は、それぞれの研究所の目的に従いまして、非常に重要な仕事を今まで遂行してきていただいているというふうに考えております。その中で、統合に伴いまして、さらに進められるものは進めていくというのが基本的な考え方でございます。
 さらに、雇用の関係について御質問がございましたけれども、基本的には、この統合後の職員というのは引き継がれるというふうに考えております。また、両法人の統合に伴って、事務の効率化を行える部分については行うということで考えておりますけれども、それによって生じる人員については、雇用に支障が生じないように当然配慮していくものだと考えております。

○高橋(千)委員 今、基本的に引き継がれるというお話をしていただきました。ただ、それはこの先までの保証がないわけですから、やはり、そこが統合したら、では、これまでの意義をどう果たしていくのかということが整理されないと、なかなか難しいのではないのかと思うんです。
 これまでの意義があったという話を伺いたかったんですけれども、結局、一旦決まってしまってからではなかなか言いにくいだろうということで、今の答弁だったのかなと思っております。
 それで、具体の話を伺いたいと思うんですが、特に国民健康・栄養調査、例えば戦後の貧困状態にあった一九四五年、これは何とGHQの指示から始まったということでありますけれども、やはりデータというのは一度やめてしまえば、本当に国の施策にとって、過去の検証でもあり、将来に向けての重大な施策に対しての損失になるわけです。
 ですから、改めて、やってきたことの一番の特徴を今聞きますので、この国民健康・栄養調査の意義や役割について伺いたい。また、統合されても確実に引き継がれるということを大臣に伺います。

○土屋副大臣 大臣にかわりまして答弁させていただきます。
 国立健康・栄養研究所においては、国民健康・栄養調査に係るデータの処理、集計業務を担っており、その結果が国の健康政策の基本データとなっているなど、大変重要な役割を担っていると考えております。
 統合後の法人において、現在、国立健康・栄養研究所が担っている役割を引き続き実施していくこととしているため、国民健康・栄養調査に係る事業を確実に実施できると考えております。

○高橋(千)委員 確実に実施ということで、これは本当にお願いをしたいと思っております。
 それで、昨年十二月二十四日の閣議決定、独立行政法人改革等に関する基本的な方針を受けて、独法通則法が今後改正されると聞いています。それで、今話題に上がっている理研が結局候補に挙がっていて、早く特定になりたいがためにいきなり収束を図ったのかなみたいなことが話題になっているわけです。理研と産総研が候補に挙がっていた。
 しかし、どうしてこうなっちゃったんだろうなと思うんです。つまり、特定国立研究開発法人を指定するということは、同じ独法の中に予算や権限に対して激しく差をつけるということですよね。これは、ほかの残った独法との研究や活動に格差を設けて影響があるのではないかと心配をしていますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○田村国務大臣 御指摘の閣議決定を踏まえて、研究開発型の法人、これは独法通則法にのっとったものであります、あわせて、世界的な研究開発、こういうものができるというような、その成果を目指すという法人で、特定国立研究開発法人、これは仮称でありますけれども、こういうものを別に法律で位置づけることについて、法案提出に向けた準備が進められているということは私も聞いております。
 具体的には、どういう制度設計かに関しましては現在検討されておられるということでございますので、私、そこまで検討の中に入っておりませんので、どういうものであるかというのはまだ私もよくわかりません。

○高橋(千)委員 本当は、どういうものかを聞いたのではなくて、考え方を聞いたんですね。
 つまり、さっき大臣が答弁されたように、独法というのは、もともと国立の、国の仕事だったわけです。それを要するに見せかけの数字減らしのために外に出して、それで天下りが悪いとか、現役出向がどうだと言われる。だから、本当であれば、必要な仕事であれば国立であればよかったんですよ。さっきいみじくもおっしゃったように、引き揚げて国でやってくださればということをちらっとおっしゃった。
 だから、そうしてやっていく中で、逆に民間の手法で完全にいいなというものは完全に独立させればよろしいのでありますし、非常に癒着があってうまくないですよ、ふさわしくないですよというものはもう統合されていったり縮小されていったり、それはいいんですよ。だけれども、必要なものはきちんと残していくというのが我々の立場ですので、そういう意味で、独法が今いろいろ問題があってこういう見直しになったんじゃないのかなということを指摘しておきたいと思っております。
 世界で競争できる最先端の研究をやると言っているそばから、今ずっこけている事態があるわけですから、逆にこれは本当に急ぐべきではないですよ。改めて独法のあり方というのをしっかり正していくべきだということを指摘して、次に行きたいと思っております。
 次に、健康・医療戦略の中で、質の高い臨床研究の実施体制の整備、臨床研究の適正な実施ということがうたわれて、どのようにやっていくのかということで、拠点病院の問題とか、指針の見直し、あるいは法制化、これについては午前から随分議論がありました。これは時間の節約で、問いをつくっておりましたけれども飛ばします。具体の質問に入りたいと思います。
 それで、資料を配っております。J―ADNI、長期縦断観察研究、この資料に書いてありますけれども、これは何かといいますと、日本人の六十五歳以上の高齢者のうち一五%に当たる四百六十万人が認知症と言われ、その七割がアルツハイマー病と言われています。世界の患者は四千四百万人とか、これがまだふえるであろうと言われているわけですけれども、このアルツハイマー病発症前後の臨床上の特徴を探求するために、患者の追跡調査、どのくらいの患者が対象になっているかというのはこの右下の方に書いていて、早期アルツハイマー病は目標例数が百五十件、こういうふうな形で追跡調査をやるということをやっているわけです。
 これによって新薬開発などにつなげるプロジェクトで、国内三十八機関が参加をし、米国NIHの統一基準を用いて、三省、特に経産省のNEDOが二十億八千万円と一番大きいお金を出しているわけですけれども、三省が支援をしながら取り組んできて、これから始まるいわゆる日本版NIHの中核事業、先ほどからずっと言われている一元化だとか死の谷がどうのとか、そういう、まさにどういう形でやっていくかということのモデルケースというふうに位置づけられるのかなと思っております。
 それが、二枚目の資料ですけれども、これは一月十日付の朝日新聞であります、「臨床データ改ざんか」と大見出しで報じられました。この研究にかかわっている研究者の一人が実名入りの内部告発メールを厚労省に送ったところ、調査対象の主任研究者、事もあろうにその当事者に厚労省の専門官が丸ごと転送してしまった。大変お粗末な話でありますけれども。
 この問題は、衆議院の予算委員会では、みんなの党の三谷議員が公益通報保護という角度から取り上げていらっしゃいますし、参議院では川田龍平議員が、質問主意書と、それから三十一日の決算委員会でも、臨床研究の法制化を求める立場から質問されています。ですので、大臣もお答えになっていらっしゃるわけです。
 そこで、厚労省の調査がどうなったのか、また、この厚労省の対応は決定的にまずいと思いますが、いかがでしょうか。

○田村国務大臣 これは、事実関係から申し上げますと、今言われたJ―ADNIという中での研究者の方、これは研究を中心にやられておられる方とそれに協力をされておられる方々がおられるわけでありますけれども、中心にやられている主任といいますか研究者の方に対して、どうも研究の方法がおかしいのではないかということも含めて、我が省にメールという形で、一つは研究班の構成、これに関して要するにお聞きをしたいというような、そういう質問がありました。それからもう一つは、その中において、データ自体が改ざんされているのではないかというような御指摘もありました。
 ただ、主な内容は、この研究班の構成、これに関しての御質問でございましたので、そのような意味では、我々は、まず一義的に、調査といいますか聞き取りをさせていただいたんです。
 その過程におきまして、決定的に悪かったと今委員がおっしゃられましたが、決定的に悪かったんです。それは、御本人に確認せずに、この人のやり方がおかしいんじゃないかというその本人に、こういう意見があるけれどもどうだという聞き取りをしたものでありますから、これは、当然のごとく、本人に確認もせずにそんなことをやること自体は公務員の守秘義務違反になってくるわけでございますので、これに関しましては我々としても処分をするということでございます。これは本当に我々が悪い話でありまして、そのメールを送られた研究者の方には、我が省の方からおわびを申し上げに行きました。
 その上で、内容的には、聞き取りをさせていただきますと、どうも、一つは改ざんというお話なんですが、データを丸ごと変えたというよりかは、訂正がされているわけでありまして、その訂正の仕方は、研究の中において一般的にやられる訂正の仕方でございます。そういうことをいろいろとこちらの方も確認したんですが、どうも研究者同士の意見の相違のようなものがある。
 これは、科学的合理性、つまり、改ざんがあるであろうということが疑わしいというところまではいかない、そこまでは言えない、ただし本当にあるかどうかはわからないということでございまして、一義的に、中心的にやられておられるその主任研究者の方の、担当しております東京大学、こちらの方に今調査をお願いして、外部の方々も入っていただきながら第三者的な調査をいただいておるということでございまして、我々、調査が終わった後にそれをいただいて、いろいろなこれからの判断をさせていただきたい、このように考えております。

○高橋(千)委員 一月十八日の朝日新聞では、厚労省が国家プロジェクトを守るために疑惑をもみ消した疑い、ここまで書いているわけなんですね。
 残念なのは、やはり厚労省自体に国家的研究の不正を見抜く力がないということを内外に示してしまったと思うんです。つまり、調査をした結果が、それはささいなミスだったかもしれない、意見の相違だったかもしれない。結果がわかる前に、それを受け付けていないわけですから。そうでしょう。内部告発として受理していないわけですよ。そこが問題だと言っているんです。
 ちょっと今、事務的に聞きますからね。昨年の十一月十八日に、厚労省認知症・虐待防止対策推進室の担当専門官、名前もわかっていますけれども、メールが届いたわけです。翌日に、研究チーム内で対処することと判断して、代表研究者の岩坪東大教授にそのままの文面と添付文書まで転送しています。
 厚労省の説明では、朝日新聞の記事が出るのが一月十日、その前に、六日に朝日新聞から取材された、それでびっくりして調べた、関係者に聞き取りをしたということになっているんですけれども、メールが来たのは十一月十八日、去年の話なわけですよね。その前に、改ざんじゃないか、これはいいのかなということが研究者の中で取り沙汰されたのは、昨年の八月だと言っているんですね。では、厚労省は本当に一月六日までに何も知らなかったんですか。

○原(勝)政府参考人 お答えを申し上げます。
 十一月に分担研究者の方からメールが来まして、その内容につきましては、先ほど大臣が申し上げられたとおり、私どもとしては、データの改ざんということを疑うほどまでの科学的、合理的な理由がないのではないか、それからもう一つは、研究班の組織の問題であるというふうな認識もございましたので、一応、私どもの指針に基づきまして、これを告発というふうには受けとめなかったということでございます。

○高橋(千)委員 これは、今お話ししたように、朝日新聞が親切に、十日に記事を書く前に六日に言っているわけですよね。ですから、世の中に知らしめる前に、調べられるはずの教授、主任研究者には話はもう行っているわけですよ。告発があったことも昨年のうちに知っている。誰がということも知っている。新聞が出ることも知っている。だから、先生は、四日間、準備する心づもりがあるわけです。ですから、改ざんではなくて、こう説明すればいい、つまり単なるミスであると。二重線で調整しただけなんだと言えば済むわけです。
 そして、今、組織的な問題だ云々とおっしゃったけれども、人間関係の問題にしちゃった。この人が、告発した人が、ちょっと中でのことがうまくいっていないから、そういうことなんだというふうな、極めて個人的な話にされちゃったわけですよ。中の関係がうまくいかなくて、それで何か言ってやったんじゃないかと。だから、名誉毀損だということで、耐えられずに本人が実名で公表したわけじゃないですか。記者会見もやった。
 そういう準備する時間を与えてしまったこと自体が、やはり、本当に何が問題だったのかということがわかる調査をするという点での、厚労省の決定的なミスだったということを改めて言わなければならないんですよ。
 それで、大臣は、実際にこの中身をごらんになったんでしょうか。二月三日付で御本人が、大臣と経産大臣、文科大臣、それから東京大学の総長に宛て、要請書を出しております。それから、三月にもう一回、これは二十六日、公開質問状という形で主任研究者に対して要請書を出しています。
 そうすると、添付文書、これはほんの一部でしかないと思うんですけれども、クリーニングメモ印刷画面などがあるわけですよ。そして確かに、大臣がおっしゃった、二重線で消しているものがあります。一二三三と書いている数字を、二重線をやって、その上に数字を書いて、また線を引いて、二度チェックしているんですよね。これを、本当にこれでいいのかなというふうに思うじゃないですか。
 このクリーニング画面というのを見ますと、単なる二重線じゃないんです。こういう指示があって時間が、要するに、アルツハイマーの病態ですから、記憶をたどる物語をお聞かせして、そして三十分後に、どうでしたかと、お話の記憶がちゃんとどれだけ残っているか、そういうデータをとるわけじゃないですか。そのときに、国際的な統一基準、その基準の時間を守っていない、そういうことを一つ一つ指摘されて訂正しましたというふうなくだりが全部書いてあるわけですよ。だから、単なるミスではないということは明らかなわけなんですね。
 だから、本人がもう身分を明らかにして告発している、そういうことに対して結局丸投げしてしまう、これはどう考えても対応がよくない。ですから、告発としてきちんと受理をして、内部調査、そして外部調査という形でやるべきじゃないですか。

○田村国務大臣 ですから、まず一義的に、これは、研究を中心にやられておる東京大学で内部調査、しかも外部の目を入れての内部調査を行ってくださいということをお願いして、東京大学も、それはしっかりやりましょうということでスタートをいただいておる。あわせて、各研究機関にかかわる問題でありますので、そこは我が省からも協力をしていただくようにお願いをさせていただきながら、この調査というものがしっかり行われるように我々もお手伝いをさせていただいておるわけであります。
 あわせて、その調査の結果を見て、当然のごとく、その内容によっては我々も対応しなければならぬ、そのような事態が起こり得ることもあり得るわけでありますから、その点はしっかりと、そのようなことが起これば対応させていただきたいと思いますが、まずは中心的な東京大学で御調査を、しかも第三者的な目を入れていただきながらしていただいておるということでございますから、この結果をお待ちさせていただいておるということであります。

○高橋(千)委員 責任がないと思います。東大に返してしまって、返してしまったから、そこで第三者を入れてやりなさいと言ったって、当事者がどうやって調査をしたらいいか困っていると報道されているじゃないですか。そういうことはやはり責任逃れなんですよ。
 この人が書いている要請書の中では、一月十七日、J―ADNI事務局、データセンターに製薬会社から出向している社員が、国立精神・神経医療研究センター病院二階の杉下教授の研究室で、十六日、スタッフが退出した午後八時以降、翌朝まで、これは時間は特定できませんよ、誰も見ていませんから。だけれども、その退出した後になくなったのははっきりしているわけです。合い鍵を使って入り、関係資料を持ち出した。今もこれは返ってきていません、資料が。だから、調査をするといったときに、当事者はもう自分の手に、やったもとの資料を持ち出されちゃったんですよ。
 このときに、これは製薬会社から出向している社員ですよ、この人が何と言っているか。この持ち出した理由は、メールを受けた厚労省の専門官、それと認知症・虐待防止対策推進室長及び主任の指示により資料持ち出しを行ったと説明しているんです。厚労省の指示によってやったと言っているんですよ。これはこのままでいいんですか。

○原(勝)政府参考人 データについてきちんと管理をしてくださいというようなことは、そういった趣旨のことを伝えたようでございますが、具体的に、資料を持ち出せとか、そういったようなことは指示はしていないというふうに聞いております。

○高橋(千)委員 それは、ここに来ていきなり、指示しましたと言うわけないですよ。
 大臣、調査していただけますか。室長が指示したと答えているんです、当人が。

○田村国務大臣 これに関しては、要は、持ち出されたりするといけませんから、いじるなというふうな指示をしたらしいです。それは、そのデータ自体がちゃんと保全されるために。
 これに関しても、両研究者側の方々で意見が違っているものでありますから、お互い主張されていることが違います。でありますから、それも含めて今東京大学で調査をいただいております。我々も何もしていないわけではないので、そのようなお話がございましたので、とにかく調査をしなければならない。しかし、一義的に、現在、まずは東京大学。
 これは、いろいろな調査がありますけれども、まずはやはりそこの機関でやっていただくというのが大体それぞれの調査のスタートであり、その結果、何かがあれば、それに関して今度は我々厚生労働省も新しく何かの組織をつくったりでありますとかして調査をいたしますが、そもそもデータはそこにあるわけでございますから、そこの研究機関、主な研究機関に調査をやっていただくというのが、一義的には一番ちゃんとした調査ができるということでございますので、第三者の目も入れていただきながら調査をしていただいておるということであります。

○高橋(千)委員 いじるなと指示をして、本人に断りもなくですよ、そうでしょう、帰った後、知らない間に合い鍵で入ったんですよ。それを持ち出しておいて、それを、いじるなという説明がありますか。
 だったら、それが第三者の手にきちんと確保されている、それを確認していただけますか。お答えいただけますか。

○原(勝)政府参考人 御指摘の点も含めて、厳正中立な立場から確認をしていただきたいと思っております。

○高橋(千)委員 必ずお答えをいただきたいと思います。
 私は、二〇一一年の二月二十四日の予算委員会で、薬害イレッサ訴訟にかかわっての下書き事件を追及したことがあります。これは、東京、大阪地裁が和解勧告を出したんですね。その後、一斉に、関係団体、学会などから見解が出た。和解をのむと、要するに、せっかくがん患者の皆さんが新薬を待っているのにということで、これはうまくないということの見解が出たんですが、その下書きを厚労省が書いていたじゃないかということを指摘したことがあります。
 このときに厚労省は調査をその場で約束をして、五月に検証チームの報告書が出ておりました。もちろん、指摘した下書きというのは確かにあったと認めました。認めた上で、全体に影響がないからという判断だったんですね。
 それで、結論は何かというと、やる必要のない過剰なサービスという表現だった。下書きしてあげたのは過剰なサービス。私は、これは民主党政権ですけれども、こういう調査でいいんですかと。これから世界に打って出ようというときに、この程度の、過剰なサービスとかしか言えないような、いじるなというふうに言いましたと、そんな程度でやれますかということを指摘しておきたい。
 同じような問題が繰り返し起こっているんですよ。だからこそ言わなければならないということであります。大臣、いいですか。調査を約束してくださいね、きちっと受けとめて。

○田村国務大臣 今確認をしておったんですけれども、我が省の方から、保管をちゃんとするようにと、つまり、いろいろな人にいじられないようにというような指示をしたらしいです。それで、データセンターの担当の方が、さわらせないために、誰もが見られる場所に、つまり、誰もが目につく場所に、要するにテープでぐるぐる巻きにして、それでそこに保管をして、それを持ち去られないように誰もが見える場所に保管をしたというようなお話をされておられるようであります。

○高橋(千)委員 ぐるぐる巻きのことは知っております。ですから、そこの、やはり経過が本人がわかっていないということがおかしいじゃないですか。だったら、目の前でやればいい話だったわけですからね。重ねて指摘をしたいと思います。
 それで、もう一つどうしても指摘をしなきゃいけないのは、この記事の後に、この調査そのものが、患者の同意を得ず検査を行ったという疑いを報じているわけですね。ここも改めて調査をしていただきたいと思うんです。
 これは、資料の三枚目につけておきましたけれども、九七年です、奈良県の奈良県立医科大学精神科の教授が、アルツハイマー病の新薬の治験のために、自分の親族が経営する特養ホームの入所者を治験の対象者にした。本人と家族の同意をとるというのが決まりだったにもかかわらず、同意をとっていなかったという事件があったんです。なので、「おばあちゃんを“人体実験”」と、長男が、ネズミと同じじゃないかと指摘をしたことがセンセーショナルに取り上げられているわけでありますね。
 やはりこれは、新しい薬を初めて人に服用させる、未知の副作用がある、そういう意味で、本人と家族の同意をとること、そして、要するに何が起きるかわからないので医療施設でやらなきゃいけない。なのに、この人は、自分が出ていくんだからいいんだとか、あるいは、親族の経営しているホームだからいいんだという、非常に甘い認識でこうした事件を起こしたわけであります。
 ですから、今回のADNIと治験は全然違いますけれども、共通しているのはアルツハイマーだということなんです。
 つまり、私がきょうなぜこの問題を取り上げたかといいますと、この九七年の被害者の縁者の方から、このADNIの問題を追及してほしい、明らかにしてほしいと言われたからなんです。なぜかというと、対象者が認知症だから、よくわからないからいいと思っているのかということが言いたいわけなんですよ。だからこそ、もっともっと気をつけなければならないということがあるわけでしょう。どうせ記憶が途中で途切れるだろうなんということになってはいけないわけですよ。だから、細心の注意を払わなければならない、そのように思いますが、大臣、最後に一言お願いします。

○田村国務大臣 これは認知症の方であろうとなかろうと、御本人にしっかり確認し、自由意思のもとにおいて、そのような形で研究に御参加をいただくという形になるわけでございます。
 このJ―ADNIの件に関しましては、それも含めて今東京大学で調査をいただいておりますので、その内容、結果を見て、もし同様なことがあるようであればそれは対応しなきゃなりませんし、その結果を見て対応を適切にさせていただきたい、このように考えております。

○高橋(千)委員 残念ながら、また時間が来ましたので、終わります。

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