国会質問

質問日:2014年 2月 26日 第186国会 予算委員会

つくばエクスプレス過酷な鉄道労働条件改善、安全確保を

TX 過酷な鉄道労働条件 / 高橋議員「安全確保を」

 日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は2月26日の衆院予算委員会分科会で、都内と茨城県つくば市を結ぶ鉄道=つくばエクスプレス(TX)の労働者が置かれている実態を示し、鉄道輸送の安全確保と労働条件の改善を求めました。
 高橋氏は、人手不足で休みもなく、緊急出動の手当もでず、若者を中心に毎月のように退職者が出ている職場の実態を告発。ホームドアが開かず乗客が置き去りになった具体事例などに基づき改善を求めたら、「乗務員としての資質を満たしていない」と労働者の責任に転化する会社の姿勢を批判。「ブラック企業そのものではないか」とただしました。
 鉄道の運転業務に関し、労働基準法は長距離にわたり乗務する者について「休憩時間を与えないことができる」としています。ILO(国際労働機関)は第153号条約で、運転者に一定の休息を与えることなど労働時間・休息時間についての基準を定めていると指摘。厚労省の大西康之大臣官房審議官は「適切な休憩時間を与えるべきだ」との答弁を繰り返すにとどまりました。
 高橋氏は、TXの東京駅への延伸計画をとりあげ、「延伸によって人件費抑制や安全対策抑制に拍車がかかっては困る」と主張。太田昭宏国交相は「安全確保がまず第一で、そのあとに経営がある」と応えました。
(しんぶん赤旗 2013年3月2日付「首都圏のページ」より)

 

――議事録――

○高橋(千)分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 太田大臣、きょうは一日、御苦労さまでございます。
 きょうは、首都圏新都市鉄道、つくばエクスプレスについて質問をさせていただきます。
 同鉄道は、一都三県などを株主として、平成十七年、二〇〇五年に開業し、秋葉原―つくば間五十八・三キロを最速四十五分で結び、今、一日平均乗車人員は三十二万人を超えていると言われています。この建設においては、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法を制定して、沿線の宅地開発と一体で進めてきた、いわば国のかかわりが極めて強い鉄道だと言えると思います。
 国の運輸政策審議会において、新東京駅まで延伸を検討すべき路線として位置づけられたということで、昨年九月三十日に、つくば市議会が東京延伸を求める意見書を上げております。その中では、成田、羽田空港間を結ぶ国際都市東京に向けたプロジェクト、都心直結線計画とも結ぶという意義づけがされています。
 これは二つ、別の事業で、大規模なプロジェクトだと思いますけれども、どのような意義を持っているのか。大臣に、まず伺います。

○太田国務大臣 都心直結線は、東京都心と羽田、成田の両首都圏空港間のアクセスを大きく改善することで、東京の立地競争力の強化を図る意義を有するものです。
 また、つくばエクスプレスの東京延伸は、東京駅へのアクセスを向上させることで、つくばエクスプレス沿線地域の利便性向上を図る意義を有しています。
 この二つとも、東京・丸の内側へ乗り入れ、新駅を設置する構想であるため、二つの事業で時期をあわせて新駅の整備を行う場合には、事業費が節減される効果が期待されるところではあります。
 いずれにしましても、現時点においては、都心直結線及びつくばエクスプレスの東京延伸の両計画ともにまだ構想段階でございまして、実現に向けては、今後、それぞれの計画の検討、また、両計画の関係についての検討が行われることになると考えております。

○高橋(千)分科員 つくば市議会の意見書の中では、「東京でオリンピックが開催されることが決定したため、国際都市東京の構築に向けた動きが活発化し、都心直結線も東京オリンピックの開催に合わせて整備されることも想定されます。」このように書いているんですね。しかし、これは少し勇み足ではないのか。
 事実関係を伺いたいんですけれども、つくばエクスプレスの東京延伸と都心直結線は全く別の事業であります。しかし、今大臣もおっしゃったように、新東京駅、同じところに乗り入れるという点では同じです、アクセスが広がりますという意味で、羽田―成田アクセス鉄道とTXの相互乗り入れをやることによって、コストも縮減できるんじゃないかということになっているわけですよね。
 ただ、それによって、どのような工程でするかとか、いろいろな計画がありますから、新東京駅の工事は千八百億円から二千七百億円という幅があるということ、それから、最も安く早い計画でも、工期は約十年、こういうふうな計画だという説明を受けておりますけれども、確認をしたいと思います。

○滝口政府参考人 まず、都心直結線でございますが、現在、ボーリングによる地質調査などを行っているところでございます。さらに、事業化に向けましては、建設計画の具体化や事業採算性などの検討を進めることが必要だ、こういうことになっております。
 また、事業化に当たりましては、当然のことながら、事業主体が環境アセスメントを実施した後に、押上駅から泉岳寺駅間十一キロにわたるトンネル工事、あるいは、新東京駅も地下五十メートル程度に新駅を設置するという大工事になりますので、完成までに十数年を要する見込みということでございますので、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックには間に合わない、このように考えております。
 一方、つくばエクスプレスの東京駅への延伸でございますが、これについては、財源の確保であるとか、あるいは輸送需要や収支採算性の問題であるとか、いろいろな、技術的な問題あるいは財源的な問題などを検討しなきゃなりません。
 この事業化に向けては、これらの課題を解決し、沿線自治体や鉄道事業者を初めとした関係者間で合意形成を調えていただく必要がありますが、そのスケジュールの詳細につきましては、私ども、現時点においては把握をしていないところでございます。

○高橋(千)分科員 そこを確認するだけで、この場はよろしかったんです。
 つくばから羽田あるいは成田までということで、東京オリンピックに大変効果的だということが言われているんですけれども、現実には、そこのアクセスのところは十数年かかるであろう、さまざまな調査も必要だということを言っていたわけですから。もちろん、TX自体をどうするかという議論はまた別ですけれども、そういうことなんだということをまず認識する必要があるのではないかなと思っています。
 そもそも、バブルの時代に描いた夢と現実はしっかり見据えなければならない、このことを指摘しておきたいなと思っております。
 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスは、昨年十月二十九日、関東運輸局長から、八年間連続四期にわたって重大な運転事故が皆無であり、運転業務に優秀な成績であったとして、無事故表彰状をもらっております。ですから、鉄道事故等報告規則にのっとった報告事故はないわけです。
 ただ、この間、新聞報道を見るだけでも、オーバーラン、架線トラブルなどが相次いできました。
 昨年の三月には、出発前点検の作業ミスで車両の安全装置を破損させたことに気づかないまま運行して、二万ボルトの高電圧区間で正常に走行できなくなるトラブルがありました。車体上部から火花が出るのを乗客が見ていたんですね。これが、国に公表せずということで、大きく報道もされました。
 また、八月には、新御徒町駅に停車した際、ホームのドアが開かずに、乗客およそ四十人がおりられない、取り残される、こういうトラブルがあって、これもNHKのニュースでも報道されました。
 こうしたことは当然、報道などで承知していると思いますけれども、報告事故に該当しなければ問題ない、こういう立場なんでしょうか。

○滝口政府参考人 国土交通省といたしましては、委員御指摘の鉄道事故等報告規則というものがございまして、これに基づきまして、鉄道事業者から、トラブルなどがございましたときに報告を求めております。
 この報告の内容でございますが、いわゆる衝突や脱線といったような事故のみならず、走行中にドアが開いたとか、あるいは列車の運転の安全に支障を及ぼすような故障があったというような場合には、インシデントということで、これについても報告を実は求めているということでございます。
 委員御指摘の事案につきましては、発生したことは事実でございますが、いずれも報告規則に基づく報告対象ではございませんでした。
 しかしながら、例えば、昨年三月、委員御指摘の火花が出たという事象でございますが、これは報告対象に該当するかもしれないということでございましたので、私どもは情報を得た段階で、この内容の詳細を把握しております。どのような安全上の問題があったのか、なかったのかということで、結果的には、これは報告対象ではなかったという整理でございますが、そういったようなこと、この報告規則にとどまらず、いろいろな情報を集めるということをしているところでございます。
 また一方で、鉄道事業者におきましては、いわゆるヒヤリ・ハットと言われるものがございます。こういったヒヤリ・ハットの事象を含めて、いろいろな安全にかかわる情報を収集いたしまして、その上で所要の対策を検討していくということが求められております。安全管理体制というものでございますが、こういったことが求められているところでございます。
 御指摘のつくばエクスプレスにおきましても、社長を委員長とする鉄道安全委員会というものが設置されておりまして、このような安全関係の情報を集め、必要な対策を検討するということが行われているというふうに認識をいたしております。
 ということで、国土交通省といたしましては、事故のみならず、安全を脅かす事象につきましては、鉄道事業者で検討し、対策を講じさせるとともに、行政も適切に関与することにより、安全が確保されるように取り組んでいるといったのが実態でございます。

○高橋(千)分科員 大臣に伺いたいと思います。
 今の報告の中にあった鉄道安全委員会のことは承知をしています。
 同時に、保安監査という形で運輸局がやる指導もあるわけですけれども、関東運輸局の保安監査で指摘された事案が、昨年七月十一日、柏の葉キャンパス駅、二十二時三十分、ホーム柵に寄りかかっていた乗客が、発車した車両に指が触れて第一関節を二センチ破損しちゃった、さわったまま発車しちゃった、こういうことがあったわけですね。ですから、本当に、一歩間違えば大惨事。今、ヒヤリ・ハットとおっしゃいましたけれども、そういうことが結構起こっている。まず、こういう認識を持っていただきたい。
 それで、二十一日の国土交通委員会でも、東急電鉄の追突事故やJR北海道問題などが取り上げられました。こうした一つ一つの事故というのは、例えば指さし確認をやっていないじゃないかとか、警笛を鳴らすとか、運転士が確認しないのが悪い、それだけで済ませられない問題なんだ。全体で共有していかなきゃいけない。
 なので、安全確保については、報告義務にかかわらず、トラブルが多発しているんじゃないか。こういうことに国としてもアンテナを張る、そういうことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○太田国務大臣 全くそのとおりだと思います。
 規則として報告すべき事項、あるいは重大インシデント、これは普通のインシデント、報告は要らない、いろいろなことは決まりとしてはあります。
 しかし、私は、JR北海道の諸問題というもので、安全が大事だということで、朝、毎日、きょうも安全で出発をしますという報告をいただいています。そのときには、内容は細かくは報告すべきことじゃないですから申し上げませんが、朝五時過ぎに車が線路の上にとまってしまって動かなくて、急ブレーキをかけたことがあるとか、信号がどうだとか、車両がちょっと閉まらなくて減便をしたんだとか、いろいろなことが、毎日毎日小さなトラブルといいますか、トラブルにも至らないかもしれませんが、通常運行をそのままという状況ではなくて、やめるというようなこともあったりいたします。
 聞きますと、全国の鉄道というのは、そういうふうに、毎日毎日、一〇〇%、全ての車両もあれも全部大丈夫でというような状況ではなくて、常に点検をしたり保線をしないとだめだということも聞いております。
 今回の、雪が降って、ブレーキをかけてもきいたとかきかないとかいうようなことも含めて、私は、とにかく、全国の全ての鉄道業者が安全ということに責任を持って、安全な乗り物ですからということを言えるような体制を念を入れてやるということが今やらなくてはいけないことであるというふうに思っています。
 そういう意味からいきまして、トラブル多発などにアンテナを張るといった構えが必要であると御指摘をいただきましたが、全くそのとおりであると私は申し上げたいと思います。

○高橋(千)分科員 大変力強い御答弁だったと思います。
 それで、つくばエクスプレスは、実はあの大雪の中でも、最高速度百三十キロで走っておりました。オーバーラン百メートルという報告がありますけれども、車体を全部合わせると百二十メートル、その分を数えると、実際は三倍くらいのオーバーランだったのではないかということなども言われています。
 ATO、これは我が国初の自動運転装置なんですね。だから、安全なのか。逆に、私は、人による配慮が必要なのではないか、このことを考えていきたいと思うんです。
 平成二十五年十月二十九日、つくばエクスプレスの総務部長が各所属長に宛てた文書、第四期無事故表彰について、これもひとえに職場が一丸となって、安全の確保は全てに優先するとの基本姿勢を忠実に実行し、あわせて、自己の職責を十分に発揮していただいたたまもの、こう言っているんですね。これが言葉どおりだったら文句は言いません。実際はどうなんだ。安全確保のための労働条件はどのようになっているか。
 現場からの告発があります。毎月のように退職者が出ています。それも二十代が多いです。労基法は、一週間四十時間、一日八時間の上限を決めていますが、変形労働制、鉄道の運転業務に関しては、長距離にわたり継続して乗務するものについては、第四十条に基づき、休憩時間を与えないことができるとしています。与えなくてもいいけれども、では、そのかわりにどうやって労働者を保護するのでしょうか。お願いします。

○大西政府参考人 労働基準法について御質問がございました。
 先生御指摘のとおり、労働基準法の休憩時間の規定でございますけれども、業種、業態を問わず、全ての事業に使用される労働者に適用される、そういう原則でございますが、電車の運転手や車掌であって長距離にわたり継続して乗務をするものなどにつきましては、労働基準法四十条におきまして、休憩時間を与えないことができる、こういう規定がございます。
 これにつきましては、電車に乗務する運転手の方などにつきまして、特殊な必要がある場合に、休憩時間を一律に与えることによって公衆に不便をもたらす、そういった不便が生じないように、その調整を図るために設けられた規定であるということでございます。
 ただ、同じ法律の中で、必要避くべからざる限度、そういう制限がございますので、よりよい労働条件を確保するという観点からは、適切な休憩時間をとっていただくということが望ましいと考えております。

○高橋(千)分科員 適切な休憩時間はもっと具体的に検討するべきだと思うんですね。与えないことができる、それは仕方がない特性ですよ。だけれども、そのかわりに、どうやって労働者が元気に安全にやれるのかということをちゃんと考えなくてはいけないと思うんですね。
 ILO百五十三号の条約、路面運送における労働時間及び休息時間に関する条約などでは、最大総運転時間は、一日について九時間、一週間について四十八時間を超えてはならない、二十四時間の中で少なくとも継続する十時間を休憩にするとか、そういう国際的な原則があるわけですね。定期的には休めない。だったら、そのかわりにちゃんと、例えば夜勤明けは公休じゃなくて、ちゃんと休まなくちゃいけないわけですね。公休はまた別にやらなきゃいけないんですね。そういうことを徹底されなきゃいけない、そうですね。

○大西政府参考人 先生御指摘のとおり、現在の労働基準法におきましても、先ほど申し上げましたように、必要避くべからざる限度というような厳格な制限、そういったもとにこの休憩を与えないことができるというような規定ぶりになっておりますので、そういった、労働者によりよい労働条件で働いていただくという観点からは、適切に労働時間をとっていただく、そういうのはまことに望まれることだと考えております。

○高橋(千)分科員 時間がないのに同じ答弁しないでくださいよ。聞いたことにちゃんと答えてください。
 それで、適切な休憩ということがとれていなきゃいけない。だけれども、それも労基法の中ではちゃんと三六協定とかいろいろあるわけですよね。
 この中では、ここの会社の三六協定を見ましたけれども、労使協議を経て、六回を限度として一カ月七十時間、一年四百五十時間というものがあります。これ自体かなりハードですよね。だけれども、現場は三六すれすれ、そういう事態なんです。しかも、協定書は、二十駅あるうち四駅しか提出されていません。協定書にある人数、私が持っているのは五十二人と書いてある。正しくありません。三年以上休んでいる人の数が頭数に入っていたりしています。
 そもそも、労働組合がない中での協定です。こんな協定が有効ですか。

○大西政府参考人 先生御指摘の個別の企業の事案について直接お答えすることはちょっと差し控えさせていただきますけれども、三六協定について御指摘がございました。
 これにつきましては、先生おっしゃるとおり、三六協定に記載する労働者の数については、当然私どもといたしましては、届け出時において正確に記載していただきたい、そういう必要があるというぐあいに考えております。
 また、労働組合がない場合のお話がございましたが、これにつきましては、法令上、過半数で組織する労働組合がない場合においては、三六協定は、使用者と労働者の過半数を代表する者との間で締結していただく必要がある、このようになっておるところでございます。

○高橋(千)分科員 不十分ですけれども、人員の問題ですとか、お認めになった問題、そうした実態と実際の届け出がどうなっているのか、これは具体的な調査をお願いしたいと思います。資料は、既に厚労省に出しております。
 そうした中で、安全にかかわる問題も多数生まれています。居眠り運転が報道されたこともありました。先ほど来お話しになっているヒヤリ・ハット、鉄道安全委員会があります。
 こうした中で、社員自身が告発をする事故の芽という取り組みがございます。とても大事なことだと思います。
 その中に、例えば、強い眠気を感じた、乗務管理所では毎年のように居眠りに対しては対策を練っているけれども、ダイヤ改正で、一番眠気を感じるとされる秋葉原からつくば間を普通列車交代なしで乗務する行路が増加した、正直言って意見が出尽くした、仕業面で対策を考えなければならないと投書した。それに対して会社の答えは、居眠りの問題は仕業だけでなく、そのときの体調などにも左右されるものであり、乗務員の永遠のテーマである、こんな答えをしているんですね。乗務員の資質は長時間単独で乗務できる体力と精神力が必要である、資質を満たしていないと答えるだけであります。だから、もう長時間労働だということはわかっていて、そういう居眠りをするのは資質だと。そんな問題なんでしょうか。
 一昨年の台風十七号の際に、駅が漏水あるいは水没するおそれがあるとして、居残りをして非常体制を組むべきじゃないかということを社員から言ったんですね。これは大事なことだと思う。だけれども、必要ないよと言われて帰された。それに対して本人が事故の芽に投書をした。それに対しての答えは、九月三十日の台風警戒における人員手配については、人員不足等による弊害はなかったと思われます、これから先、いろいろな自然災害に関する事象が発生したときには、なるべく多くの人員手配をしたいと思いますと。
 これはたまたまでしょうね。たまたまこうなったかもしれないけれども、せっかく社員がそうやって言っているのに、よそでは当たり前のように居残り体制をとっているのに、それをできないで、弊害はなかったと言っている。それだけ人手が足りないという実態でもあるわけなんですよね。本当に軽視していいんでしょうか。
 無事故表彰した関東運輸局長も、もとはつくばエクスプレスの出身であります。現社長もそうです、経営企画部長など、重要ポストを国土交通省出身者が占めている。つまり、元運輸省だった人がつくばに行って、また戻ってきて運輸局長をやっている、こんな実態なんですね。このような体質で本当の安全が確保されるでしょうか。大臣、お願いします。

○滝口政府参考人 まず、委員御指摘の事故の芽情報ということでございます。
 先ほどお話し申し上げましたヒヤリ・ハットということで、こういった現場の生の情報を得て必要な安全対策を講じていくということは非常に重要なことだろうと思います。
 先ほど、委員は一部分だけお読みになられたと思いますが、この居眠り運転の問題につきましては、本社の方は、睡魔は体調と時間の融合で突然襲ってくるものではないでしょうか、体調が悪い場合にはお申し出くださいというようなことも実際言っておるということでございますので、いろいろな取り組みが行われているという面も一部あるんだろうと思います。
 それからもう一点、台風の問題については、委員御指摘のとおり、こういった前向きな現場の取り組みというのは、そういったものを踏まえながら会社は安全対策を講じていくことが必要だろうと思っております。
 そこで、委員御指摘の国土交通省の出身者が占めているという問題でございますが、冒頭委員が御指摘になりましたように、つくばエクスプレスを運行いたします首都圏新都市鉄道株式会社は、一都三県を初めとする地方公共団体が出資する会社でございます。経営陣については、基本的には、こういった地方公共団体の株主を含め、鉄道事業者側が判断すべき問題だろうというふうに考えております。
 このうち、経営企画部長につきましては、会社の事業計画などを取りまとめるなどの業務を実施しておりまして、これらの知見やノウハウを有している者が求められておりますので、国土交通省の職員を派遣しているということでございます。
 特に問題となります鉄道輸送の安全確保に関する業務、これを統括する安全統括管理者というものが必要でございます。現在、つくばエクスプレスの会社におきまして安全統括管理者についておりますのは、国土交通省の出身者ではなく、鉄道事業に精通した経歴を有する同社の社員が選任をされておるということでございます。
 このような、鉄道事業者が選任した体制のもとで、安全輸送の確保にしっかり取り組んでいく必要があるだろうというふうに考えております。

○高橋(千)分科員 安全統括管理者が国交省じゃないから、そういう答弁は全然話にならないと思うんですね。
 だから、ノウハウが必要なんだ。逆に言うと、そこの中で国交省が直接指導できるんじゃないんですか。それで、そういう問題が起こらないのであれば私はいいと思いますよ。そうじゃないから指摘をしているんじゃないですか。大臣、これは通告しているんですけれども、後でもう一回答弁を求めます。
 もう一つだけ質問したいことがあるんです。
 私が、なぜこのつくばの問題を取り上げようと思ったか。これは、もちろん告発があったからであります。さっき言ったように、資料も全部届けてあります。この方は、たまたま駅頭で私たち共産党が配布していたブラック企業規制法案についてのチラシを見たから連絡を下さったわけなんです。休みがない。手当がない。次々と若い人がやめていく。しかも、副主任に二十五歳、若い経験のない労働者を平気で配置して、いわゆる名ばかり管理職ですよね、残業代をもらわなくていいから。こういう働き方はブラックそのものではないかと感じたからなんです。
 厚労省が昨年集中的に行った、若者の使い捨てが疑われる企業五千百十一社中、八割を超えて何らかの違法状態が指摘されました。そのときに出された事例、厚労省が摘発した事例とそっくりなんですよ。だから、放置できないと思うんです。どうですか、もう一回厚労省に。

○大西政府参考人 お答えいたします。
 個別の企業につきまして答弁するのは差し控えさせていただきますけれども、先生御指摘のとおり、労働基準法というのは、もちろん労働条件の最低基準を設けているものでございますので、それは遵守していただく必要がございます。
 労働基準法の違反が疑われる企業につきましては、労働基準監督官が赴きまして、監督指導を行って適切に対処するということをいたしておるところでございます。

○高橋(千)分科員 せっかく、我々から言わせるとブラック調査、これをしっかり厚労省がやってくれたんですから、まさにそれに該当するような事態なんだということに対しては受けとめて、今、個別にどうのとは言えないでしょうから、期待をしたい、このように思います。
 最後に、大臣に伺いますけれども、TXは今三十億円の黒字で、乗客も超過達成というふうに言われています。しかし、それは、安全のための経費を削減していることであってはならないと思うんですね。先ほど大臣が力強くおっしゃっていただきました。また、八千億円、当初一兆円を超したと言われた建設費、その償還との関係では、まだ途方もない年数がかかります。
 二〇〇〇年十一月二十二日の朝日新聞、「三セク新線火の車」こういう記事がありました。臨海副都心線とか多摩モノレールなどと並んで、常磐新線首都圏新都市鉄道について書いているんですけれども、出資金はどぶに捨てたようなものだ、知事に頼み込まれて根負けしただけなんだという大手の都銀の幹部の声を挙げたりして、やはりこれはバブルの時代でしたので、もしものときは自治体負担で補填するということで、かなり自治体がしょい込んだ。当時は、運輸省は実はJRに期待していたけれども、断られた。こういう経過を書いているんです。
 この最後に、運輸省都市鉄道課は、経営難はバブル崩壊など予想を超えた情勢変化のためで、見込みが甘いというのは結果論だ、地道に客をふやすしか対策はないとコメントをしているそうです。
 今、これと同じことを繰り返してはならないと思うんですね。一千億円以上の債務を沿線自治体がしょい込んで、何かあっても、結果論だと言って逃げてはならない。こういう中で、東京延伸をすることが本当にいいのかということも検討しなければならないし、人件費のさらなる抑制や安全対策の抑制に拍車がかかっては困ります。
 大臣の決意を伺いたいと思います。

○太田国務大臣 質疑を聞いておりまして、現場の保線とかそういうのは物すごく大変なんですね。JR北海道でも、真冬の零下二十度ぐらいのところで、若い人たちがどんな思いで働いているか。そこで悲鳴のように上がって、これをやってくれと。安全ということについては、全ての鉄道会社が、このときに、現場の声を聞いて応える。安全ということについては全力を挙げるという姿勢が私は大事だというふうに思います。
 その上で、つくばエクスプレスでは、特に安全ということが大事で、債務の返済や投資を行うという、あわせていろいろ考えているようでありますが、現実にはつくばエクスプレスを経営する首都圏新都市鉄道株式会社は、線路等の整備を行った鉄道建設・運輸施設整備支援機構に、平成二十四年度時点で六千七百六十九億円の債務を負っている。
 平成二十一年度まで元本償還が据え置かれておりましたが、二十二年度から元本の返済を開始しているという経営状況にございます。
 こういった中で、具体的な対応については、第一義的には、経営者が適切に判断すべき問題だというふうに思いますが、安全を確保しながらということがまず第一にあって、その上に健全な経営を確保するというのが、順番というのはそういうものだということを心得なくてはいけないというふうに思います。

○高橋(千)分科員 終わります。ありがとうございました。

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