国会質問

質問日:2014年 2月 26日 第186国会 予算委員会, 厚生労働委員会

仙台市職員津波死 特殊公務災害認定を

特殊公務災害認定を / 仙台市職員津波死 高橋議員が求める

 日本共産党の高橋ちづ子議員は26日の衆院予算委員会分科会で、東日本大震災で仙台市職員の大友純平さん=当時(38)=が市の広報車で避難を呼びかけていた最中に津波にのまれて死亡したケースを特殊公務災害と認めるよう求めました。
 特殊公務災害は、消防職員や警察職員ら高度な危険が予測される状況で公務災害を受けた場合に補償額を加算する制度。政令で定める職員には、災害時に人命救助にあたる職員も含まれています。
 大友さんの場合、地方公務員災害補償基金仙台支部の裁決で、高度な危険が予測される状況でないなどの理由で特殊公務災害と認められず、基金本部で再審査が行われています。
 高橋氏は「危険を顧みず、職責を果たしたと認めてほしい」「支部長の市長、区長、上司も認定を求めている。誰も望まない争いはやめてほしい」と迫りました。
 新藤義孝総務相は「命をとして職責を全うした職員の思いを受け止めなければならないし、国会でこうした議論をすることが(審査会の)適切な判断につながると思う」と述べました。
(しんぶん赤旗 2013年2月28日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、新藤総務大臣に初めて質問をいたします。よろしくお願いをいたします。
 東日本大震災と原発事故から間もなく三年目を迎えようとしております。
 私も東北ですので、震災翌日、岩手県庁の対策本部に激励に行ってから、ずっと被災地を歩いております。あのときの県庁は大変な混乱ぶりでありまして、既に海上保安庁など国の多数の機関も詰めておりました。また、当初は、市町村との連絡がとれない中、救助に派遣されている自衛隊からの連絡が唯一の連絡だった、そういうところを見てまいりました。
 県、市町村の職員の皆さんも、大きな犠牲を出し、また、みずからも被災しながら、住民と行政の間で大変な苦労をされてきたことに、心から敬意を表したいと思います。
 もちろん、それは国家公務員においても同じであります。きょうは、ここに光を当てて、審議を進めたいと思います。
 まず、国と地方で、どれくらいの公務員がこの震災と原発事故で亡くなられたのか。また、その後の、療養生活に入ったとか、あるいは、残念ながら自殺などもありましたけれども、関連死など、把握されている状況をお答えください。

○井上政府参考人 お答えいたします。
 人事院が平成二十四年六月十二日現在で把握しております、東日本大震災を原因として公務上の災害及び通勤による災害と認定された一般職の国家公務員は三十七人であり、そのうち、死亡者の数は十一人というふうになっております。
 なお、いわゆる関連死につきましては、人事院では把握をいたしておりません。

○伊藤大臣政務官 お答えを申し上げます。
 岩手県、宮城県及び福島県の県職員及び市町村職員のうち、東日本大震災により死亡または行方不明となった常勤職員の人数は、総務省で調査をさせていただきましたところ、岩手県が百二十七名、宮城県が百四十八名、福島県が十六名と承知をいたしております。
 なお、震災以降の関連死の人数につきましては、承知をしておらないところでございます。
 以上でございます。

○高橋(千)分科員 関連死ということが、その後も随分議論になっております。きょうは、きのうのきょうですので、数字が出てくるとは思っておらなかったんです。ぜひ、このことに注目していってみていただけるかということで、一点だけお約束いただけるでしょうか。

○伊藤大臣政務官 ただいま委員の御指摘いただきましたことにつきましても、今後注意をしてまいりたいと思っております。

○高橋(千)分科員 ありがとうございます。
 今いただいた数字について、資料の一枚目に国家公務員、それから、二枚目に地方の数字をつけておきました。
 今、労災認定という形でしかわかる数字がないということですので、もしかしたらもっとあるかもしれないわけですけれども、二百八十人を超す犠牲が被災三県を越えてあったということでありまして、本当に痛ましいことではないかなと思っています。
 きょうは厚労省にも来ていただいているんですけれども、民間の労災については、震災後、手続を簡素化するということで、通知を何度か出してきたと思うんですけれども、簡潔に、その趣旨と、それから実態を伺いたいと思います。

○安藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 東日本大震災で被災された方に対する労災保険給付につきましては、資料の散逸や事業場の閉鎖などによりまして、通常に比べ労災請求に困難が伴う中で、請求書の受け付けから支給決定までの事務を迅速に行う必要がございました。このため、都道府県労働局に対しまして、適切な事務処理について指示したところでございます。
 主なものを申し上げますと、請求につきましては、平成二十三年三月十一日付で、請求書における事業主証明や診療担当者の証明が受けられない場合においては、これらの証明がなくとも請求書を受理することを指示いたしました。
 また、労災認定のための事務処理に際しましては、通常さまざまな資料の提出を求めているところでございますが、平成二十三年三月二十四日付で、通常の事務処理で予定しております、例えば賃金台帳などの資料を収集することができない場合には、家計簿や預貯金の通帳などの代替資料を収集すること、また、代替資料が収集できない場合であっても、関係者から聴取するなどの方法によりまして調査を行って業務上外の判断を行うこと、これを指示したところでございます。
 なお、請求手続に関する取り扱いにつきましては、阪神・淡路大震災の際にも、同様の取り扱いをしてまいりました。
 以上でございます。

○高橋(千)分科員 同様の趣旨で、公務災害についてはどのような便宜を図られたのか、伺います。

○井上政府参考人 お答えいたします。
 人事院におきましては、平成二十三年四月に各府省等に通知を発出いたしました。その中で公務上の災害の考え方や公務上の災害となる事例を示し、各府省等において東日本大震災で被災した職員の公務上の災害等の認定事務が迅速かつ適切に行われるよう促したところでございます。

○三輪政府参考人 地方公務員についてお答え申し上げます。
 地方公務員につきましては、地方公務員災害補償基金におきまして、平成二十三年四月に各支部に通知を発出いたしまして、その中で公務上の災害の考え方あるいは公務上の災害となる事例を示し、各支部において東日本大震災で被災した職員の公務上の災害等の認定事務が迅速かつ適切に行われるよう促したところでございます。
 以上でございます。

○高橋(千)分科員 次に、特殊公務災害という分類がありますけれども、これはどのような概念なのか、また、今回の大震災で、特殊公務災害は、どのように扱われて、認定数がどのようになったのか、伺います。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 特殊公務災害とは、消防職員や警察職員など政令で定める職員が、その生命または身体に対し高度な危険が予測される状況のもとにおいて、職務に従事し、被災をした場合に、補償額を加算するという制度でございます。
 この加算制度の趣旨でございますけれども、警察官、消防吏員等は、任務の遂行に当たりまして高度の危険を伴うものでありますけれども、その職責上、みずからの生命身体に高度の危険が予測されるにもかかわらず、あえて職務を遂行しなければならないというものでございます。
 したがいまして、当該職員に対しましてこのような職責を課した使用者たる地方公共団体は、当該職員が安んじてその職務を遂行できるよう、特別の公務についての災害補償の額のかさ上げを行おうとするものでございます。
 また、東日本大震災についての認定等の状況のお尋ねでございます。
 地方公務員災害補償基金に確認しております数字でございますけれども、今回の大震災によります公務災害の認定件数は、平成二十五年十二月三十一日時点で三百六件、このうち、特殊公務災害の申請件数は百四十五件、特殊公務災害の該当件数につきましては、支部審査会を経たものも含めまして三十九件となっているところでございます。
 以上でございます。

○高橋(千)分科員 今、三十九件と最後に数字をいただいたのは、私、資料の二枚目につけておいたものよりも数字がふえているということで理解してよろしいのかなと思っています。
 今読んでいただいた地方公務員の特殊公務災害等の関連条文、これは資料の一枚目につけておいたんですけれども、「その生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、犯罪の捜査、火災の鎮圧その他の政令で定める職務に従事し、そのため公務上の災害を受けた場合」。これは、私はよく理解できるところであります。
 今おっしゃったとおりだと思います。本当に命を失う覚悟を持ちつつも職責を果たさなければならない、そうした公務に対しての加算であるという説明でございました。
 ただ、同時に、ここは、この条文には書いていないんだけれども、当然、震災、天災、そうしたものも読んでいるということですよね。それでさっき言ったような数字が出てきたと思うんですけれども。
 そこの関連性について、一言説明いただけますか。

○三輪政府参考人 御説明申し上げます。
 地方公務員災害補償法に基づきまして行っている仕組みでございますけれども、具体的にその中身が、政令等において定められておるところでございます。
 その中におきまして、警察官あるいは消防吏員あるいは災害対策の応急従事職員、こういった方につきまして、天災の発生時における人命救助その他の被害の防御といったような規定がございまして、こういうところで読み込まれる、整理をされるという理解でございます。

○高橋(千)分科員 応急従事職員ということで、政令に書いてあると説明があったと思います。そのことが争いになっている事例でございます、これからお話しするのは。
 仙台市で特殊公務労災を申請して、今中央基金で再審査を行っている大友純平さんという方の御両親がいらっしゃいます。これは、実は、資料の最後に、大臣、ぜひ読んでいただきたくて、つけておきました。
 河北新報が、地元紙ですが、七月七日付で、これは特集記事で載せているんですけれども、あらあらお話をしますと、仙台市若林区役所勤務の方で、三十八歳、市の広報車で避難誘導をするために荒浜に向かい、犠牲になりました。震災発生から四十九日目、海岸から約一・五キロ内陸の、南長沼周辺で発見されたのです。
 この方は、十四時五十九分、十メートルの津波警報が出た後で出動を命じられています。十五分後です。ラジオを聞きながら行きなさい、地図が新聞に載っていますね、県道塩釜亘理線より東側には行くなと。つまり、津波が高いのが来るだろうということの上司の指示を受けたわけです。それで、広報車に乗って出動したわけですけれども、当然のことながら、どこで被災したかというのは、詳細なところまではわかりません。でも、消防車の方たちとか、市の広報車を見たという方は何人もいらっしゃいます。
 その中で、地公災が判断をしたのは、今やりとりしたことなんですよ。
 高度の危険が予測される状況ではないんだ、また、そういう業務じゃない、つまり、もともと危険を顧みずやるという仕事ではないんだ、だって、ラジオを聞いて行けと言ったんだからと、そういう裁決なんですね。
 私は、本当にこれでいいんだろうかと。さっき言ったように、天災などの発生時における人命救助のための応急従事、それでいいじゃないかと思うんですね。
 現場や情報も混乱していました。避難を呼びかけるという最善の行動を起こした結果です。そのまま評価する、そういう考え方でよろしいんじゃないでしょうか。大臣、お願いします。

○新藤国務大臣 まず、高橋委員から初めて御質問をお受けするということを大変光栄に思っております、田村厚労大臣からお話はよく伺っておりまして、大変いい人だとおっしゃっておりましたから。しかも熱心な活動をしていただいていることに、敬意を表したいと思います。
 その上で、これは大事なことなので、少しきちんと答弁させていただきたいと思います。
 特殊公務災害とは、例えば消防職員や災害応急対策従事職員などが、その生命または身体に対し高度な危険が予測される状況下において、天災等の発生時における人命の救助その他の被害の防御というような職務に従事し、そのため公務上の災害を受けた場合、補償の額をかさ上げするという、地方公務員災害補償法に基づく制度で、当該職員が安んじてその職務を遂行できるようにしようとするものである。こういう趣旨がございます。
 そして、この地方公務員災害補償基金が御判断をされることであります。それは適切な判断が必要だ、このように思いますけれども、一般論でありますが、今お尋ねのケースがこういったものに該当するかどうかは、法令の趣旨に沿って適切な判断が求められている、このように考えております。

○高橋(千)分科員 個別で聞きますと、どうしてもそういう答えになってしまうんだと思うんですね。
 昭和四十七年の、特殊公務災害についての国会答弁がございます。
 目の前の学校に火災がある、あるいは洪水時に子供が川に落ちたというのを目撃した場合、人情としては、公務員であろうと一般人であろうと水の中に飛び込んで子供を助けたい、その気持ちはだれも同じであろうと存じます。そこに飛び込んで助けなければならないという職責を持っているのが、消防吏員であり、警察吏員である。土木職員であれば、人情として、飛び込みたい気持ちは十分あり、また、飛び込んで助けてくれれば大変な善行であることには間違いないと思いますけれども、職責としてそういうものを持っていない。
 こういう答弁をしているのを基金側は言っているわけなんですね。
 だけれども、結局、飛び込んだわけですよね。そのときに、その人が消防団員だったか、先生だったか、子供の命を救うために飛び込んだ先生だったか、そこに違いがあるんだろうかということが問われていると思うんです。
 現実に、実は、宮城県の支部審査会、つまり、この方は仙台市ですので、宮城県の方は、支部長の決定を公務外から内に逆転認定しているのが、二十二件中二十一件です。つまり、認めているんです。同じようなケースなんですよ。そこをちゃんと見ないと、おかしなことになっちゃうんです。
 大友さんの両親によれば、息子さんは、三・一一の二日前にチリ津波がありましたよね、あのときに、もしこんなことがあったら自分は家のことは振り返られないからと話したといいます。そして、もし自分にそういうことがあっても理解してほしいとおっしゃったそうです。まさか二日後にそれが現実のものになるとは思っていなかったわけです。
 正義感の強い人でもあり、公務員としてそういう覚悟をしていたということです。そこを認めてほしいというだけで、誰も責めているんじゃないんですね。正当に、危険を顧みず職責を果たしたということを認めてほしいと。
 南三陸の遠藤未希さんとか、随分話題になりました。これは単なる美談にしてはだめだと思うんです。大臣の率直な思いを聞きたいと思います。

○新藤国務大臣 そういうお話を聞きますと、本当に胸が痛みます。そして、私もそういったケースというものを幾つか知っておりますから、まことにこれは心が痛むわけであります。
 大切なことは、やはり、そういう思いをたくさんの人が伝えてあげることだと思います。
 制度にのっとっての判断というのは、判断権者がおりますから、その人たちが適切に判断をなされるわけであります。しかし、今議員が言っていただいているように、私も含めてでありますけれども、人のために頑張った、命を賭して職務を遂行しようとした、そういう人たちの思いというものをきちんと伝えて、状況を説明すること、それが適切な判断につながっていくものだ、私は、このように考えております。

○高橋(千)分科員 今、特殊公務災害とは何たるやということを、そのものずばりを変えなくても、今言った現場の判断、そして、本当に命をかけて頑張った方たちを考慮するということを政府の意思として示すだけでいいんじゃないか、私は、今、そのことを聞いています。現実に、それで宮城県支部では却下して認定しているんですから、おかしな話なんですよ。
 もっとおかしな話を言いますと、仙台支部が認めていないけれども、充て職ですから支部長は仙台市長ですけれども、仙台市長は、認めたくないと言っているわけじゃないんですよ。頭を下げて、本当に申しわけなかったと言っているのです。これは若林区ですので、区長さんは、みんな私の責任ですと訴えて、早く見つけてあげてほしいと、沼の水を全部抜かせてあげた。それが区長がやったことです。
 特殊公務災害を申請しなさいと言ってくれたのは、区役所の人たちなんですね。何度も今も花を手向けに来る直接の上司が、決まればいいと、特殊公務災害と認めてくれればいいと言ってくれているんですよ。
 だから、誰も争っていないというか、誰も望まない争いをしているんですよ。そういうことをきちんと整理していただいて、こういうケースを、検討するとか、考慮に値するとか、一言おっしゃってくださってもいいのではないか。

○新藤国務大臣 先生からこの御質問をいただいておりますので、私も事実関係を少し把握しておりますけれども、この地方公務員災害補償基金宮城県支部審査会、これは、宮城県支部において支部長が非該当とした二十二件のうち、宮城県支部審査会において二十一件が該当になった、こういう事実があるわけですね。
 まさにそれこそが、制度として、支部長は規定されたルールに従って第一義的な判断を行った、しかし、それを超えて、支部審査会が、学識経験者なども含めて、また、さまざまな事情も加味して判断を行っている。私は、そういう制度がうまく動いた例だ、このように思うんです。
 誰もが、わざわざ、いわばしゃくし定規な、小さな判断をしたいわけがありません。でも、それは、やはりルールにのっとって、執行する人はきちんと手続をとって、その上で、そういった救済、事情酌量、そういったものを取り入れられるようなものが、これが民主主義の知恵だと思うし、それが世の中のルールにあってしかるべきだというふうに思うんです。
 ですから、私は、政府がこれについて判断をするというよりは、何といっても、国民の代表である議員が国会でこのように発言いただいたことはとても重いことだと思いますし、心情においては、とても、誰もが理解できる、そしてまた、本当に気の毒で、また、そういう方の思いというものを我々は受けとめなければいけない、こういう思いであります。
 ですから、この法治国家において、適切にルールが運用されるように、そしてさまざまな声を上げていくこと、これが極めて重要だ、このように思います。

○高橋(千)分科員 ありがとうございます。
 個別案件ですので、これ以上は申しません。
 きょう、実は御両親が上京しておりまして、中央基金の審査会の方での意見陳述となっております。本当に、今おっしゃってくださったような判断が出ることを望みたいと思っています。
 私は、実は、平成二十二年の二月二十五日の分科会で、公務災害、これは、特殊ではなく、一般の方について質問をしております。民間の労災と比べて非常に厳しいのではないかということを指摘しています。つまり、所属長に必ず申請を書いてもらわなきゃいけないと。
 例えば学校の先生とか、その人を長く働かせたんだということを、みずから認めるというのはなかなか厳しいわけですよね。民間だったら個人で申請できるのに、公務災害はそれができない。例外的に認める事例があるんですけれども、でも、そのために、その申請すらできないで何年も待たされている、その一歩が踏み込めないでいる人がいる、そういうことを取り上げました。
 逆に、それでも、その仕組みの中で、現場の校長先生がこの人は過労なんだと認めてくれたのに、現場を知らない基金が却下、却下とする、それもおかしいじゃないか、そういうふうな指摘をしたわけなんですね。
 ですから、もうそろそろこの制度を、民間と同じように見直してもいいと思うんですが、いかがでしょうか。

○新藤国務大臣 これは、委員が平成二十二年の二月の二十五日の予算委員会の分科会で御質問いただいております。
 そして、その際にも申し上げましたが、もう既に御存じのことですから、状況は変わらないわけなんですけれども、しかし、まず公務災害補償にあっては、正確さなり公正さも期さなければならない。しかし、一方で、基金においては、平成二十三年度以降、ですから、委員の御質問の以降、やむを得ない事情がある場合には直接請求することができる、こういうことで運用を図っているわけであります。
 ですから、先ほど申し上げましたように、制度としての正確性、公平性を担保しつつ、さまざまな事情、そういったものはさまざまな方策をもって伝えられる、それをもって判断が適切になされていく、こういう仕組みになっていくんだと思います。

○高橋(千)分科員 ありがとうございます。
 大概はやむを得ない事情だと思いますので、ぜひそこで対応していただきたいと思います。
 その質問の中で、もう一つ取り上げたことがあったんです。
 収支の状況、労災の認定状況に、要するに、たくさん認定すればということが当然リンクすると思うんですけれども、その状況に応じて地公災基金の地方負担金を、最大プラスマイナス二〇%、上げたり下げたりするメリット制というものがございます。それで、既に始まっています。私はこれを指摘しました。
 今回は、震災によって、当然、被災地に大きく労災が出るわけですよね。それで負担金をふやすなどということになったら大変なことになるわけで、当然、それはおかしいということで対応されたと思いますけれども、確認をしたいと思います。

○三輪政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆるメリット制と申しますのは、御指摘のように、各団体の職員区分ごとに、補償等の給付費と負担金の割合が、平均値を上回りあるいは下回るという場合に、プラスマイナス二〇%の範囲内で、定款で定める負担金率を引き上げまたは引き下げる、このような制度でございます。
 地方公務員災害補償基金におきましては、今回の平成二十三年三月十一日に発生いたしました東日本大震災による公務災害及び通勤災害に伴いまして、地方公務員災害補償法等の規定によって給付されました補償等につきましては、メリット制の算定に反映させないこととしたというふうに承知をいたしております。

○高橋(千)分科員 そうなんですね。今回は算定の土台にしないというお答えでありました。
 当たり前だと思うんですね。最初にこの数字も出していただいたけれども、たくさん犠牲があった、たくさん犠牲があったから大変支払いがふえたじゃないかといってメリット制がきいてしまって負担金がふえるということは、全くおかしなことなんです。
 実は、大友さんの件のやりとりの中でも、そういう話がどこかから聞こえてきたんですよ。財政に限りがあるからとか、極端に認めちゃいけないからとか、そういう声が聞こえてきた。
 絶対おかしいですよね。命にかかわる問題を、負担がどうなるからとか財政がどうなるからということで事実をゆがめるようなことがあってはならない。私は、そう思います。
 ただ、それは、別に東日本大震災に限らない問題だと思うんですね。今回だって大雪被害が起こっています。その前は豪雨災害でした。本当に災害が続いています。そういう中で、実態として起こってきた公務災害。
 あるいは、災害でなくても、残念ながら、超過労働というのがあります。メンタルもあります。やはり、それをきちんと認めるという立場に立たなければ、だめだと思うんですね。私は、やはり、メリット制というのは、やめるべきだと思います。大臣、どうですか。

○新藤国務大臣 地方公務員災害補償基金におけるメリット制は、任命権者の公務災害防止のための取り組みを促すことで公務災害の減少を図り、また、地域ごとの負担と給付の公平が図られること、こういう目的があるということ、これはまず共有したいと思います。
 その上で、二十二年度から導入されておりますし、メリット制は、民間企業に関する労災保険制度においても導入されている、こういうこともあります。
 地方公務員災害補償基金のメリット制については、地域ごとの負担と給付の公平が図られるべきであるとの観点から、これは、そういった負担の公平を是正する効果を見込むものであるということで、知事会、市長会、それから町村会等関係団体の要請を受けて導入が決定された、こういう経緯があります。
 ですから、東日本大震災の場合には、先ほど答弁させましたように、また別の考えがとられているわけでありますけれども、そういったそもそもの制度の目的と、それから、それぞれの地域から、地方からの御要請があってこのようなことになってきたということでありまして、現状においては、これまでのそういった御要請を尊重していく、こういう状態であります。

○高橋(千)分科員 時間なので、要望にとどめます。
 地方からの要請があったというのは、当時も答弁がありました。やはりそれは、負担金が高いから、大変だからということなんだと思うんですよね。
 防止策、防止のためと、大変結構なことですよ。メンタルヘルス対策をやっているのも知っています。だけれども、今の、長引いた、定員管理、賃下げ、そして超過労働、これは大もとを変えなければ、幾ら、相談やりましょうとか、その程度ではどうにもならないんです。現実に、今、地方は悲鳴を上げていて、本当に小さな自治体でも、この間田村市に行ってきましたけれども、百二十名も削減された中で線引きをどうするとか言われて、矢面に立っている。本当に、愚痴も言いたくなりますよ。
 そういう実態の中で、数字だけを見るというふうなことはやめなくてはいけない、やはり大もとを変えなきゃいけないということで、大臣にもぜひ取り組んでいただきたいということを指摘して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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