国会質問

質問日:2014年 2月 24日 第186国会 予算委員会

雪害教訓生かし予防策を

雪害教訓生かし予防策を / 高橋議員 首相「関係者で共有、重要」

 日本共産党の高橋ちづ子議員は24日の衆院予算委員会で、過去の雪害の教訓をいかした被害予防策や、東日本大震災の被災者・被災自治体に寄り添った復興支援策を具体的に提案しました。
 高橋氏は、昨年の豪風雪被害で多くの死者を出した北海道が今冬は車両立ち往生などの被害を抑えた取り組みを紹介し「政府全体で共有し、被害の予防、政策に生かすべきだ」と要求しました。安倍晋三首相は「教訓を関係者で共有し、次の災害に生かすことは重要だ」と応じました。
 高橋氏は具体的な教訓として、北海道の検討委員会の提言書が指摘している自治体への情報伝達方法の改善、すみやかな道路規制と解除による除雪や物流、避難所の確保をあげ、「国が今回の大雪で生かしていたらと思う点が多い」と主張しました。古屋圭司防災相は「提言書はよく読んだ。今後は早い段階での通行止めや、集中・効率的な除雪を徹底する」と述べました。
 高橋氏はまた、大震災被災地で土地収用の権利確認が難航し、復興事業の足かせになっている実態を紹介。岩手県が具体的な特例措置を求めていることや、復興特区法には自治体が特別意見書を出せば国会が法改正などを検討して対応する条文が自公両党の修正で入れられたことを指摘し、「特別意見書の枠組みも考慮して、岩手県の提案に応えるべきだ」と求めました。
 高橋氏が「宮城県南三陸町は江戸時代まで(権利を)さかのぼった。そこまで苦労して、いざ登記というときに法務局の人手が足りず3カ月待ちだ」と被災自治体の苦労を紹介すると、根本匠復興相は「復興大臣として見逃せない。事実を確認して対応したい」と語りました。
 さらに高橋氏は、原発20キロ圏内の警戒区域で初めて避難解除される田村市の住民の声を取り上げ、水や土壌の恒常的な対策や再除染など若い人が戻れる環境づくりを要求。復興相は「若い人が戻らないと、その地域の活性化は生まれない」と語りました。

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 二月十四日からの関東甲信地方を中心とした大雪で、九県二十四名の方が犠牲になりました。また、それ以前の今冬の大雪という点では、秋田十四人を初め、全国十三都道県で四十九名が犠牲になられております。
 この場をおかりしまして、心から哀悼の意を表明するとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 今なお、一都三県十三市町村、九十二世帯二百三十一人、これは昨日の数字ですので変わっているかもしれませんが、孤立状態にあると聞いております。どうか一刻も早く解消されるようお願い申し上げます。
 我が党も、志位委員長を先頭に対策本部を立ち上げ、政府申し入れや各地の調査に取り組んでまいりました。
 きょうは、総理に、基本的な政府の対応について、提案を込めて質問したいと思います。
 まず、資料の一枚目ですけれども、これは読売新聞の北海道版です。見出しに大きく、「暴風雪 早期の通行止め有効」とあります。昨年三月の暴風雪被害を教訓に、今冬から予防的措置で通行規制をかける区間を拡充しており、大規模な車両の立ち往生は確認されていない、このように書き出しをされております。
 ちょうど二月二十日、この記事が出された日に私は北海道庁にいまして、資料をいただいてまいりました、このようなものなんです。
 昨年三月、北海道は、暴風雪で、母子四人が立ち往生した車内で一酸化炭素中毒で亡くなる、こうした九名が亡くなる事態になり、また、四十八市町村において、九百二十九台、一千十八名が立ち往生するという甚大な被害がありました。
 これを受けて、昨年十月に、道路管理に関する検討会報告書を発表して、高橋はるみ道知事に提言書を提出しているわけであります。提出した意見書については二枚目の資料につけております。この中で、朝から議論されていたことに共通するものでありますけれども、情報伝達の迅速化、そして、伝わったかどうかを確認するシステム、気象情報と道路の実際の状況を利用者や関係機関にリアルタイムに伝える取り組みなどを提言しております。
 貴重な経験を政府全体で共有し、大雪被害の予防対策に生かすべきだと思いますけれども、総理のお考えを伺います。

○安倍内閣総理大臣 北海道では、今御指摘のように、昨年三月の大雪被害の反省を踏まえまして、暴風雪時に早目に通行どめなどを行うため、通行規制のあり方の見直しや通行規制の情報を迅速に共有するための取り組みが行われているというふうに承知をしております。
 災害で得られた教訓を関係者で共有をして次の災害に備えることは重要であり、政府としても、災害対策について不断の見直しを行い、危機管理のための制度及び体制のさらなる充実に努めてまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 そこで、防災大臣に具体の話をしたいと思うんです。
 非常に大部な報告書ですけれども、私が非常にその中で興味深く読んだ部分をパネルにさせていただきました。資料の三枚目にもついてございます。これは、立ち往生したドライバーに対する調査なんです。
 それで、ドライバーの皆さんが、八四%、実は立ち往生した最中も携帯電話を持っていて、通話ができていた、そういうふうに答えているんですね。そして、車の中でスマホを見たり、テレビあるいはラジオのニュースを聞いて、何とか情報を得ようとしていた、そういうことがわかっております。
 これは別のページにあるんですけれども、実は、情報があっても、外の天気がさほどでなければ、まあ大丈夫かなと出ちゃうんですね。それで、ある程度雪が降ってきたとなると、やはり情報も出ているし、これは控えようかなと、わかりやすいですけれども、そういう行動をしていたということがあったんです。ですから、情報を得ようという努力をしているんですから、的確な情報が出されれば、外出を控えるとか、そういうことができるということなんですね。
 それで、資料の四枚目にもう一つ、これは、行政の方からどのような情報を出したか、そしてそれをどういうふうに受けとめたかということで、改善なんですけれども、実は、アイファクスで一斉送信をするんですね。だけれども、一斉といっても順番なんです。北海道は大変自治体が多いですし、さっき言ったように、立ち往生した路線だけでも四十八市町村と言いましたよね。そこに順番にファクスが行くので、時差がすごくて、三十分以上の時差がある。これでは、とてもじゃないが、もらったときではもう遅過ぎる。そういうことがあって、発信する側を分散してちゃんとやっていって、そして確認までちゃんとやるということが言われているわけです。
 大島の災害のときも、情報のことを随分やりました。そういうことをきちんと検証したものが出ているんですから、自治体への情報の伝達方法の改善、それによって速やかな道路規制、解除によって除雪や物流も進む、あるいは、避難所もきめ細かく確保していく、そういうことが今回にも生かせたのかなというふうに思っているんです。
 そういうことを踏まえて、防災大臣のお考えを。

○古屋国務大臣 委員御指摘のように、昨年は北海道で、突然の大雪によって多くの方が亡くなりました。御冥福をお祈りしたいと思います。
 政務官も派遣しました。そうしたら、家からほんの数メーターしか離れていないところで、埋もれてお亡くなりになったというようなケースもありました。北海道は雪国ですよね。それでも想像を絶するような状況だったということだというふうに思います。
 北海道が道路管理に関する検討会を設けて、昨年の十月の二十九日に報告書を出されましたね。私、知事からも受け取りました。中身をよく読ませていただきました。
 要するに、冬で吹雪により視界が閉ざされる可能性のあるときは、早目に通行規制を行う特殊通行規制区間の大幅な拡大であるとか、今御指摘があった、いわゆる入力をする端末を複数化していく、これはやはりネットの、ある意味で弱点を補完するもの、そういった取り組み。このような取り組みをした結果、ことしの雪では余り大きな災害がなかったということ。
 実は今回も、SNS、山梨県でも相当活用しました。現実に地域選出の国会議員の方々からもリアルタイムでいただきまして、ちょうど内閣府で災害対策本部をやっていたので、そこを全部通知して、関係省庁やJRに通知した結果、数時間後には速やかに対策ができたということで、こういうインタラクティブな通信というのは非常に効果があるなということを私も実感しました。
 今後は、やはり立ち往生を防ぐためには、早い段階での通行どめとか、集中的、効率的な除雪の徹底を図るということと、それからもう一つは、やはり国民の皆さんも、こういう雪が降ってきたときは不要不急の外出は絶対避けていただくということが大切だと思います。そういったことが、結果として放置自動車の問題も解決をしていくことにつながりますし、また、命を守るという視点も大切だ。
 いずれにしても、災害で得られた教訓を関係者でしっかり共有をして、次の災害が起きたときに備える、不断の見直しをしていくということが非常に重要だと考えておりまして、北海道の教訓に加えまして、今回の大雪の教訓もしっかり踏まえまして、今後の対応に生かしてまいりたいというふうに考えています。

○高橋(千)委員 ぜひ生かしていただきたいと思います。
 昨年、この北海道の調査を踏まえて、災害対策特別委員会の理事懇の場で、やはり、出た人がちょっと不用意だったのではないかみたいな意見が政府から出たんですよ。私はそのことが非常にあるものですから、改めて、こういう痛切な教訓を踏まえてまとめたことを真摯に受けとめるべきだということで、紹介させていただきました。
 そこで、財政支援についてですけれども、午前の部からも既に、ハウスなどの農業被害に対して支援をするということの答弁がございました。
 豪雪地帯でも、毎年毎年マックスの予算を確保しているわけではありません。屋根の雪おろしの事故も非常に多いです。そういう意味で、特別な除雪費用の速やかな支援が必要だということと、また、例えば、雪が今回は大変湿ってしまっている。それで、なかなか除雪が間に合わない。この間聞いたのは、宮城県の丸森町が言っていたんですけれども、グレーダーという押す形の除雪機ですと、湿っちゃって歯が立たない。なので、ロータリー、こういう形の除雪機で何とかやったんだけれども、そんなのはそうそうあるわけではなくて、県から順番が回ってくるのを待っていなきゃいけなかった、そういうことなんです。
 小さな自治体や、あるいはめったに雪が降らない自治体があらゆる場面に備えて機械を常備しておくということは、現実、不可能なわけなんですね。海辺でもあり、なかなか雪が降らない石巻などは、仮設住宅が雪で大変埋もれました。それが、通常予算は四千万円なんですね。これを今、三億円の専決予算を組んだ、こういう実態です。
 ですから、こうした事情を踏まえて、特別な、なかなか降らないところも踏まえて、機動的に除雪ができるような財政支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○古屋国務大臣 今回のような豪雪の対策については、まず、災害救助法による措置がございますし、また、総務大臣からも御答弁をされている特交の措置とか、あるいは、国土交通省においても措置があります。また、農水省の被害については、農林水産大臣の方から支援の徹底をお約束されたところでございます。
 一方、今委員が御指摘ありました、余り雪が降らぬ、特に今回は山梨県、そういうようなところで、では機材とか人をそろえておくということになりますと、めったに使わないわけですから、そういう意味からすると、地元の財政負担のことを考えると、ちょっと厳しいのかなと。
 むしろ、例えば、豪雪地帯というのは、日本海側、あるいは東北三県、たくさんございますので、あらかじめ複数のそういう豪雪地帯と協定を結んで、万が一そういう余り降らないところで起きた場合には、人とかそういう機材、特別な除雪機もありますので、そういったことを融通し合う。そして、実際にそこの派遣した方に対して支援をしていくというような形、それは委託方式でやるのか、あるいは出した方に支援をするのか、これは検討の余地があろう。こういったことを、実は豪雪地帯の知事からも具体的な提案をいただいているんですよ。
 我々としても、そういうよい考え方についてはしっかり対応して、ぜひ、余り雪が降らなくても今回のような対応に万全を期すことができるような対策を講じていきたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 よろしくお願いします。
 また、要望しておりました小型の除雪機など、やはり集落で備えていくということは、これまでもずっと、私も青森の出身ですので、要望してきたことで、拡充もしてきたんですけれども、今回改めて、こういう地域にも備えておくということはやはり考えていただければありがたいかなと思って、要望にしたいと思います。
 次に、復興問題で話を進めたいと思うんですけれども、間もなく三年目を迎える東日本大震災、あるいは原発事故からの再建、復興について。
 二〇二〇年東京オリンピックが決まりました。総理が世界に向けて汚染水は完全にブロックされていると宣言したときは、正直言って、被災地が切り捨てられたのでは、そういう気持ちになりました。
 ソチ・オリンピックは、メダルの数以上の感動をいただきました。だからこそ、被災地が置き去りにされないこと、言葉だけではない原発事故の完全収束が、東京オリンピックの成功のためにも不可欠だと思います。
 そこで、被災地では、今、復興事業に資材も人手も集まらないと悲鳴が上がっており、オリンピックの影響が強く指摘をされています。陸前高田市の市長の言葉をかりて言いますと、東京オリンピックが始まるまでに被災地の復興を最優先に取り組むことを宣言してほしい、そして、工程表を含め、明確にそれを形にしてほしいと言っておりますけれども、総理、いかがでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 汚染水の影響については、私が東京オリンピック招致において述べたことについて、先般、IAEAから派遣された方々が、記者会見において、ブロックされているという趣旨の発言をしておられるということは、ちょっと申し添えておきたいと思います。
 東京オリンピック・パラリンピックは、スポーツの力によって被災地に夢や希望を与え、復興を後押しするとともに、世界各国からの大震災への支援に感謝し、そして、力強く復興している我が国の姿を世界に発信する絶好の機会であると考えています。
 被災地の復興を加速化して、そしてオリンピック、パラリンピックの円滑な準備にもつながるよう、政府として、これまで、復興大臣のもとにタスクフォースを設置いたしまして、被災地において人材や資材の不足に対応するため、発注規模の大型化や生コンクリートプラントの増設などを行ったほか、実勢価格を適切に反映するため、労務単価の引き上げや間接工事費を引き上げるなど、加速化策を打ち出してきているところでございます。
 東日本大震災からの早期復興がオリンピック、パラリンピックの成功にもつながるよう、復興の加速化に全力で当たってまいります。

○高橋(千)委員 絶好の機会ということが、発信に力が入って被災地が後景に追いやられるようなことがないように、重ねてお願いをしたいと思います。
 そこで、復興事業において、午前の部でも少し、委員から複数指摘があったわけですけれども、土地収用の手続に時間がかかる、例えば陸前高田市では、二千件の権利者確認のために全国を駆け回っているという実態がございます。
 これは岩手県から特例制度を求める声が上がっていますが、ポイントは二つです。一つは、復興の新たな町をつくるという公益性をきちんと認めるということ。もう一つは、相手がわからないからと一方的に取り上げろなんということを言っているわけではなくて、第三者、例えば土地収用委員会などが考えられるんですけれども、こうしたところに補償額を預託して、権利を残して工事着工を可能とする、こういう具体的な案が出ているわけであります。
 そもそも、復興特区法には、認定地方公共団体が新たな規制の特例措置その他の措置について国会に復興特別意見書を提出できる、必要があると認めるときは国会は所要の法制上の措置を講ずる規定、十一条、これは修正によって盛り込まれました。午前に質問された高木委員初め、当時の野党、今の与党の皆さんが熱心に提案されたものであります。
 ですから、こういう特別意見書という枠組みもありますので、この具体的な提案に応えるべきだと思いますが、大臣、どうでしょうか。

○根本国務大臣 復興事業の加速化のためには、用地取得の迅速化、私は最重要課題だと思います。そのために、私が陣頭指揮をとって各省庁の局長を集めて、そして、第四弾にわたって加速化措置を先行的に取りまとめてまいりました。
 用地取得の問題、その迅速化が問題であって、どれだけ迅速化できるか、これが重要な論点なんですね。新しい法律が必要かどうかというよりも、むしろ、具体的な制度をどう問題として、課題として捉えて解決していくか、本質はそこにあると私は思います。
 その意味では、昨年の十月に、用地取得手続を飛躍的に短縮する用地取得加速化プログラムを、これは抜本改革しました、用地取得について。
 そして、今、収用法の話がありましたけれども、収用法については、任意買収手続と並行してやる、あるいは事業認定手続は三カ月を二カ月でやる、事業の説明と収用法の説明会を同一にやる、設計、測量を一緒にやる、これによって確実に迅速化いたします。例えば、鵜住居のモデル事業、予定よりも二年から三年早く用地取得ができるようになりました。
 その意味で、私はやはり、岩手県の提案もありますけれども、岩手県の提案のポイント、これは、相続人などの調査に時間を要するので、公告をして工事に着工し、用地を取得した後に相続人などを調査して補償金を支払うという規定をつくりたい、こういうことなんですね。
 今、収用委員会のお話がありましたけれども、収用委員会が直接やるような、客観的な価格を決定するのは収用委員会で、第三者性を担保していますが、そこがみずからやるような話なのかなと。つまり、これは憲法上の要請を満たしているのかどうかという点において、私は慎重な検討が必要な論点があると考えております。その旨を岩手県知事にも直接お伝えいたしました。
 それから、岩手県の場合は、用地取得業務を担うマンパワーの確保が困難であって、用地取得に長期間を要する、こういうことで新たな特例制度を要望されていると聞いております。
 この点についても、例えば、用地交渉業務、これを補償コンサルタントに委託する、あるいは相続人の調査は司法書士に委託するということによって迅速化が図られると思います。
 私も、法律が必要ではないと頭から決めつけているわけではありません。要は、大事なのは、憲法上の論点を含む法制度上の課題や外部委託の活用などの実務上の課題、これについては、現在、岩手県とも打ち合わせを行って、具体の事情や県の考え方を丁寧に聞かせていただいております。
 特別意見書など、復興特区法の制度に基づくか否かにかかわらず、我々、日ごろより現地にも赴いて幅広く意見を聞いているところであって、その中で新たな課題が出てくれば、しっかりと対応してまいります。

○高橋(千)委員 だから、特区法の意見書措置というのを今提案したんです。
 なぜ同じ答弁をされるのか。また、くどくどと制度の説明をしなくても、もういいです、時間が大分食われてしまいましたので。そういうことを全部踏まえた上で議論をしています。
 迅速化のために人の配置ということを言ってくださいました。だけれども、民間人だけで行くわけにはいかないんです。これは、個人の財産で非常に個人情報にかかわるので、当然、職員が一緒に複数で行かなければならない、そういうハンディキャップがあります。
 また、きのう、宮城県ですけれども、南三陸町の町長さんにお会いしました。こう言っていました。小泉復興政務官にも言ったせりふだと言っていましたけれども、何と江戸時代、文久、これは百五十年前ですよ、さかのぼって、そこまでして権利者を見つけるという苦労をしているんです、現場は。だけれども、やっと登記するというときに、法務局の体制がなくて、三カ月以上待っている、こういう実態だそうです。
 ですから、本当に立法化も含め、また人の配置も含めて議論していただきたいということを重ねて指摘したいと思います。
 少し質問を、時間がないので飛ばして、ここからは、福島県の避難指示区域の地図を見ながら質問を進めたいと思います。
 これは、一つの自治体が、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域、そしてそれ以外というふうに分けられているわけですね。この線引きが、色分けしましたけれども、賠償や支援策にリンクするために、同じ町の住民がさまざまに分断され、苦しんでおります。
 政府は、昨年十二月二十日に福島復興指針を発表し、早期帰還支援と新生活支援の両面で福島を支えると発表しました。
 また、十二月二十六日には、原子力損害賠償紛争審査会が中間指針第四次追補を発表しました。簡単に言えば、避難指示解除後一年以内に帰還する住民には一人当たり九十万円を払うということ、一方、東電からの精神的損害についての賠償は、帰る帰らないにかかわらず、避難解除すれば、そこから一年間で打ち切り、こういうことが言われたわけです。
 そこで、質問は、旧緊急時避難準備区域、これは、南の方を見ていただいて、川内とか広野のところ、二〇一一年九月に既に区域が解除されて、翌年八月に賠償が打ち切られました。しかし、除染やインフラ整備、生活関連サービスなどがおくれているために、広野町や川内村では、相当期間、つまり、解除をしてから賠償が必要な時間を一年と見るのは整合性がとれないじゃないか、実態を見てくれと訴えているんですね。
 五割が戻ったと言っているんですけれども、本当に地域が帰還、再建に歩み出すためにも、これから解除する地域と同等の支援をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○根本国務大臣 答弁する前に、先ほど、しつこいようですが、法務局で三カ月待たされるという話がありました。私も復興大臣として、そういう事実があるのであれば、見逃すわけにいきません。用地加速化支援隊を創設しました。これは、復興庁と法務省、関係省庁が集まって地元に応援しておりますので、しっかりとその事実を確認させていただいて対応したいと思います。
 それから、今の御質問ですが、多少長くなるかもしれませんが、御容赦をいただきたいと思います。
 賠償の指針については文部科学省の担当でありますが、原子力損害賠償紛争審査会における専門的かつ中立公正な議論の上で、委員の話のあった中間指針第四次追補において、避難指示解除後の相当期間について、次のように定められました。四点あります。
 一つは、避難生活が長期にわたり、帰還するには相応の準備期間が必要であること、二つ目には、学校の新学期など生活の節目となる時期に帰還できることが合理的であること、三点目は、避難指示の解除は、原子力災害対策本部の決定に基づき、日常生活に必要なインフラや生活関連サービスがおおむね復旧し、子供の生活環境を中心とする除染作業の十分な進捗を考慮し、被災自治体及び住民と十分な協議を踏まえた上で行われること、このような住民との協議によって、住民としても解除時期を予想して、避難指示解除前からある程度帰還のための準備を行うことが可能であることなどが考慮されて、一年間を当面の目安にしたと聞いております。
 また、この一年間という期間は、避難指示解除が検討されている区域の現状を踏まえて、当面の目安として示すものであって、今後、避難指示解除の状況が異なるなど、状況に変更が生じた場合は、実際の状況を勘案して柔軟に判断していくのが適当であるとされております。

○高橋(千)委員 実際の状況を勘案してというお言葉、しっかり受けとめたい。現実にやっていただきたいと思うんですね。いち早く帰村宣言をした川内村、これは、やはり帰村宣言をすることによって除染などが進むだろうという思いがあったわけですね。それが、現実はなかなか追いついていないんだという思いを込めて要望を出しておりますので、踏まえていただきたいと思います。
 今、この二十キロ圏内、旧警戒区域で初めて田村市が、田村市の都路地区の一部ですけれども、四月に解除するということを市長が発表されております。この住民の皆さんともこの間、懇談をする機会があったんですけれども、仮設住宅に二つの行政区がまとまって暮らしてきました、いろいろな人それぞれの事情があるんだけれども、帰るときは一緒なんだと話していたことが大変心に残りました。水や土壌の恒常的なモニタリングや再除染、抜本対策を求めています。
 確かに、放射線量はむしろ県央地区に比べて高いとは言えないんですね。だけれども、若い人が戻れる環境づくりのためには絶対必要なことなんです。なぜかというと、ここが警戒区域の解除の最初なんですね。つまり、ここをきっかけにして、原子力規制委員会が言っているように、個人線量計を提げて、年間二十ミリ以下で、もう自己責任で戻りなさいということになりかねないんです。それはもう到底受け入れられないというのが福島全体の声なんですね。
 ですから、私が、この間、福島県内外で避難している方たちとお会いして、いろいろな方たちとお会いして強く実感していること、それは、実は、帰る人も、今は帰れないと考えている人も、高齢者も、若い人も、つまり、一つの家族なんです。一つの家族が別れているんです。大臣にはその認識があるでしょうか。七十、八十になって、自分たちはいつ帰ってもいいんだ、でも、若い人たちが帰れなければ未来がないんだ、こう訴えています。
 この声にしっかり応えて、改めて全ての原発被害者に賠償支援を行うべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。

○根本国務大臣 委員のお話のように、やはり若い人が戻ってもらわないと、その地域の活性化は生まれないと思います。
 今、原発被害に対する賠償についてお話がありました。文部科学省及び経済産業省の担当でありますが、損害賠償については、相当因果関係のある原発被害に対して、被害の程度に応じた賠償が行われるものと承知をしております。
 いずれにしても、被害者に対する賠償が着実に行われるとともに、関係省庁一体となって、被災地域の復旧復興にしっかり頑張って取り組んでいきたいと思います。

○高橋(千)委員 あとは要望にします。
 先ほど紹介した、大雪の調査で行った宮城県の丸森町というところは、北の方で、外周の八割が実は福島県に接しているわけですね。その筆甫地区というところは、高線量で大変話題になった地域であります。ここで本当に、最初は毎時一マイクロシーベルトの線量を記録いたしました。それでも、まだ支援地域とはされていない、子ども・被災者支援法の対象にもなっていない。そういうことが言われて、本当に、自分のせいではないのにすごく責められている。この声に本当に応えて、余りにも不条理な実態なわけです、やはり原発は再稼働すべきではない、一言言って、終わりたいと思います。

 

――資料――

【資料1】「暴風雪 早期の通行止め有効 / 大規模な立ち往生なし」(2014年2月20日付 読売新聞北海道版より)

【資料2】<北海道提供>平成25年度 道路管理に関する検討委員会「提言書」

【資料3】<北海道提供>立ち往生の際の状況・情報入手方法(平成25年度 道路管理に関する検討委員会「報告書」より)

【資料4】<北海道提供>情報入力端末の増設(平成25年度 道路管理に関する検討委員会「報告書」より)

【資料5】<北海道提供>豪雪を踏まえた道路除雪の今後の対応について

【資料6】経産省「避難指示区域の概念図と各区域の人口及び世帯数(平成25年12月末時点)」

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