国会質問

質問日:2013年 12月 3日 第185国会 東日本大震災復興特別委員会

福島の被災者の問題について

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 今国会での復興特別委員会の質疑がきょう一日だけだということは、本当に残念であります。来年になれば、間もなく三年目を迎えるわけです。どんなときでも復興特は被災地と向き合っている、そういう委員会でありたいということで、委員長にも強く要望したいと思います。
 きょうは、特に福島の被災者の問題について質問をいたします。
 先日も、浪江町の津島区の区長さんらがおいでになりました。もう皆さんよく御存じのように、津島区は、避難された方たちがもといたところよりもむしろ放射線量が高かった、そういう地域であります。現在は、帰還困難区域とされて、原則、月に一度しか帰宅を許されません。イノシシ、ネズミ、猿などに荒らされ、たどり着くまでに草ぼうぼうとなっている、そういう状況を見て、帰るたびに、もう帰れないという思いを募らせる、このように言われておりました。
 福島の震災関連死は既に直接死を超えました。浪江町だけでいっても三百四人、直接死は百八十二人であります。倉庫の上で首をつった、あるいは、茨城の東海第二原発に仕事に行って松林で首をつった、包丁でおなかを割いた、こうした本当に悲惨な自殺も少なくありません。
 今、早期帰還という言葉が非常に強調されているような気がいたします。また、朝からの議論を聞いていますと、いや、そうではないんだ、長期に帰れない人も支援するというふうに方針は変わったんだ、こういうふうなことも言われております。
 実際、大臣、もちろん、福島の出身でございますので、このような実態や住民の思いについて、どのような認識をされているのか、まず伺いたいと思います。

○根本国務大臣 被災者の皆様がさまざまな思いをしておられる、これは、今、高橋委員のお話の中にもあったとおりだと私も思います。
 やはり大事なのは、避難指示を出して解除を行う、これは原子力災害対策本部でありますが、帰還困難区域のように、事故後六年が経過しても放射線量の関係で帰還が難しい地域、この地域では、戻りたいと考えている方々、戻らないと考えている方々、判断に迷っている方々、さまざまな方々がおられます。やはり政府としては、このような被災者の方々それぞれの判断に応じて、それぞれに丁寧に支援を進めていく必要があると思います。
 また、帰還までの間、長期にわたる避難生活を安心して過ごしていただく生活拠点の整備、これは復興公営住宅でありますが、国、福島県、避難元自治体及び受け入れ自治体で構成する協議の場を設置して検討を行って、順次整備に着手しております。この復興公営住宅で安定した生活をしていただく。
 一方で、帰還の判断ができない方々を初め、これらの方々には、例えば、地域の放射線量については、これまでにも、原子力規制庁から航空機モニタリングに基づく空間線量地図をお示ししているところでありますが、今後、将来の線量の見通しや、具体的な地域の将来像など、新しい生活を選択するために必要な判断材料を提示していくことが重要だと思います。
 地元自治体、関係省庁とも十分に相談、連携しながら、情報提供を初め、帰還の加速化、あるいは、長期避難に当たっての生活拠点の整備に取り組んでいきたいと思います。

○高橋(千)委員 今、大臣、与党の第三次提言のポイントをお話しされたんだと思います。できれば、認識のところでもう少し思いを伺いたかったなと思うんです。一つ一つ施策をおっしゃいますと、一つ一つそれに対して言い返さなきゃいけなくなっちゃって、そうなるととても時間がなくなってしまうので、順々にやっていきたいなと思うんです。
 今お話しされた十一月八日の与党の第三次提言の中で、「帰還よりも新しい生活を選びたいという人も出てきている。」このように述べて、長期に帰還困難な地域の方々が新しい生活を選択するために必要な判断材料を提示すべきだとしていることは、私は重要なことだと思っています。
 これは、春に富岡町に行ったときも本当に思いました。ただ、簡単なことではないんですよね。やはり住民の方は、自分からそれを言い出すのはつらい、誰かがもう帰れないよと言ってくれたらまだしも、それだけ重い判断なんだということをおっしゃっておりましたし、今お話ししたように、私も富岡町の課長さんのお宅へ入りましたけれども、行けば行くほど帰れないという思いを募らせるわけですよね。
 そういう中での決断なんだ、もしかしたら遠い将来帰れるかもしれないけれどもという気持ちに寄り添った支援策が必要だということでは、本当であれば、昨年の福島法の制定の中で決断できればよかったな、私はそういうつもりで質問したつもりだったんですけれども、その方がよかったなと思っています。
 そこで、具体的な提案をしますけれども、その提言の中で、新しい自立した生活を促すべく、現在無償である仮設住宅の賃貸料や医療費等の一定期間後の設定について検討するとある。賃貸料という言葉が出てきたんですね。これは、まさかあのプレハブ仮設から賃貸料を取るなんて話じゃないですよね。それは幾ら何でもひど過ぎる。多分みなし仮設のことだと思うんですね。
 そこを確認した上でですが、賃貸料を取るという考え方ではなくて、避難が長期化しているんだから、もうこれを、復興公営住宅なんだ、いわゆる借りているアパートとか、そういうものを復興公営住宅としてみなす、そういうふうに考えれば、家賃の低減事業も適用になりますし、あらかじめ住宅を建てるよりもずっとコストがかからない、こういうふうな考え方ができると思いますが、いかがでしょうか。

○根本国務大臣 与党第三次提言においては、早期帰還を実現する観点から、仮設住宅に賃貸料を設定するための要件として、ふるさとへの帰還や転居の環境が整うこと、こう記されております。
 この提言の趣旨は、被災者の方々には、帰還可能になった場合にはふるさとにお戻りいただき、長期に避難を余儀なくされる場合には、復興公営住宅などで新たな自立した生活を始めていただくことが望ましいと理解しておりまして、仮設住宅の生活をそのまま続けていただく、これにはさまざまな課題があると認識をしております。
 引き続き、被災者の方々に一日も早く帰還あるいは新しい生活を選択していただけるように、関係省庁とともに検討してまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 私が質問したのは、みなし仮設住宅、要するにアパートですよね。普通の人だったらずっと住んでいるわけですよ。だから、それを復興公営住宅としてみなすということで、家賃の低減事業は復興公営住宅がやっている制度を適用する、そうすればコスト的にもかからないじゃないかと言っているんです。
 これは新しい提案ですので、ぜひ御検討いただきたいと思います。もう一言。

○根本国務大臣 先生、委員の提言は提言として受けとめたいと思いますが、やはりこの提言の趣旨というのは、仮設住宅の生活をそのまま続けていただくことはさまざまな課題があるという認識でこういう提言になっているものと思います。

○高橋(千)委員 結局、長期間の避難の方もあるいは早期帰還の方も支援するんだというさっきからの説明をしていたはずなのに、やはり私が最初に言った早期帰還が前提なのか。その趣旨だと大臣がおっしゃったので、これまでの議論がリセットされちゃった、そういうような気がいたします。
 でも、この公営住宅のみなしというのはそんな無理な話ではないと思います。関係省庁とちゃんと議論を重ねていただきたいと思います。
 これは、例えば雇用促進住宅などを岩手などでもやっているじゃないですか。これを公営住宅としてみなして展開しているわけです。そういうことを借り上げアパートでなぜできないのか。だって、国土交通省としては、よく、ストック活用ということを方針として持っていますので、そういうことも提案をしていますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 それで、仮設に長く住まわせるつもりはないんだというふうにおっしゃいました。もちろん、誰だってそうなんですよ、誰だってこんなところにいつまでも住んでいたくないです。だけれども、公営住宅はまだできていないじゃないですか。そういう中で、とても耐えられないという声になぜ応えていくことができないのかということなんです。
 住みかえ問題について、この間も本会議や厚労委員会で質問をして、原則一回だという答弁が返ってきたわけです。だけれども、やはり実態は本当に深刻です。
 二十二日に、福島市内で被災者の訴えを復興庁に聞いていただいたんですけれども、親子四人、障害のある子供を入れて三部屋、勉強部屋もないという実態や、妻の母もふえて十人家族になって、三Kと二K、二つ借りているわけです。中学生だった子供は高校生になり、小学生だった子供は中学生になる、年月はたっているわけですから。だけれども、年ごろの男の子と女の子が四畳半で雑魚寝しなきゃいけなくて、寝返りするとぶつかる、着がえする場所もないんだ、あるいは、仮設住宅にナメクジがはっている、そういう実態が本当に指摘をされたわけです。
 十一月十二日に、内閣府としては、プレハブ仮設については、あきがある場合柔軟に対応するという通知を出しました。それはぜひやっていただきたいと思うんです。
 ただ、みなし仮設の場合は、本当に、とりあえず、見つかったアパートにずっと住んでいても、通勤の場所が違っていたり、今のようないろいろな、子供や親の状況などが違っていったときに、一切住みかえができないという実態があるわけです。そういうことをもっと柔軟に検討してもいいかと思うんですが、いかがでしょうか。

○根本国務大臣 内閣府所管の災害救助法に基づく応急仮設住宅については、被災後の一時的な住居として提供するものであるので、被災者の転居先は恒久住宅を想定しておりまして、住みかえについては基本的に難しいと考えております。
 ただし、福島県から他県に避難された被災者が福島県内に帰還される場合、これは、福島県への帰還促進の観点から、住みかえを可能とする取り扱いとしているところであります。
 また、先生、もう委員がお話しになりましたが、これも、厚労省から内閣府に移りましたが、ここでしっかりと考えていただいて、被災自治体において、地域コミュニティーの再生や離散した家族の再統合、こういうものが喫緊の課題となっている、こういうことがありますので、東日本大震災で建設した応急仮設住宅に空き住戸が生じている場合は住みかえを弾力的に認める通知を発出したところであります。

○高橋(千)委員 それがなぜ、みなしではできないのかということなんです。福島では既に二百七十件、契約不更新ですか、大家さんの都合とか家賃の問題とかで次の転居先を探してくださいと言われている被災者がいるわけなんですよ。それは公営住宅だ、原則そうだといっても、建っていないんですから。
 では、追い出されて、自分で勝手に探しなさいと。そうですか。そこはやはり実情に合わせて対応すると一言言っていただいてもいいんじゃないですか。

○根本国務大臣 委員がおっしゃるように、そういう課題があるとは思いますが、考え方については、私が今既に答弁したとおりであります。

○高橋(千)委員 では、現場で起こっている実態をよくつかんでいただいて、対応していただきたいと思っております。原則そうだといっても、そうなっていないという実態からお話をしていますので、お願いいたしたいと思います。
 それから、福島の津波避難区域は、復興交付金によって防災集団移転が活用できています、わずかでありますけれども。ただ、原発事故による長期避難者に対してそういう事業がないということで、浪江町などからは、集団移転事業を原発の避難者に対しても適用してほしいという要望が出ていますが、これについて御検討いただけないでしょうか。

○根本国務大臣 まず、防災集団移転促進事業、これについては、被災地域または災害危険区域が自然災害の危険性が著しく高い区域であることを踏まえて、災害による被害を未然に防ぎ、住民の生命財産等を保護するために集団移転を行う事業であります。特に、土地の買い取りについては、住宅建築の禁止など、必要な制限を行う、これが要件となっております。
 一方で、原子力災害における避難指示区域については、現在は線量が高いため居住を制限しておりますが、時間の経過に伴い線量が低下し、避難指示の解除が行われるということになります。
 このように、避難指示区域は、将来にわたって危険性が著しく高い区域とは言えない、これが現行の防災集団移転事業と異なるところでありますが、防災集団移転促進事業のような制度の適用には慎重な検討が必要だと思います。

○高橋(千)委員 今の制度が使えないのはわかった上で、大臣が最後に、ようなとおっしゃった、まさにそのとおりなんです。その趣旨を生かしてできないかということなんですね。
 今回、第三次提言を受けて、中間指針第四次追補の中で、長期避難の方に対しての財物賠償、土地が少し高くても交換できるようにということが少し盛り込まれました、素案の中に。だけれども、それはみんな、自分で探さなきゃいけないという話なわけですよね。だけれども、町としてまとまって移転するんだ、みんなで整備してやるんだといったら、これはいい話じゃないですか。そういう前向きな提案をしているんですから、柔軟な発想で対応していただきたいということを重ねて要望したいと思っております。
 そこで、その追補の話なんですけれども、精神的損害への賠償が、相当期間経過後ということ、その相当期間は一年だ、目安にするということが提案をされております。既に解除された町村などを見ても、全体で六割、川内村などは二年たっても一七%しか戻っていない、そういう状況があって、それでも打ち切られているということなんですね。
 だから、そういうことではなくて、やはり実態に合わせて、一年間の打ち切りということはやるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

○冨岡大臣政務官 高橋委員の質問にお答えいたします。
 委員御指摘のように、避難指示解除後に賠償が継続される相当期間についても、既に避難指示が解除された市町村の状況や被災自治体の御意見も踏まえ、現在検討しているところであります。
 現在、委員おっしゃったように、一年間を当面の目安とする方向で検討されているとは思いますけれども、御指摘のように、例えば、必要な医療や介護、子供の進学の学校等の状況を勘案し、あるいは、住宅の修繕のために要する期間等、被災者の方々の個別の事情や今後の区域の状況等を考慮することも検討されております。
 結論的には、審査会において議論を深め、年内をめどに結論を出したいと考えております。
 以上でございます。

○高橋(千)委員 これは本当に、ここは要望にしますけれども、解除したら、戻る戻らないにかかわらず一年という提案なわけですよ。そうすると、さっき言った津島区のように、もともと計画的避難区域だったものから帰還困難区域に再編されて厳しくなっちゃった、今まで自由だったのに今さら立ち入りを制限されている、そういう地域もあるわけですよね。ここで解除をしてしまえば自主避難になっちゃう、こういうことになっちゃうわけですよね。
 そうすると、自主避難というのは、避難した人と残った人という対立した話ではなくて、一つの家族の話でもあるんです。おばあちゃんが残っていて、そして若い夫婦が避難をしている、だけれども一緒に暮らしたい、でも、今さら二十ミリシーベルト以下だからいいよという話じゃないでしょうということが今突きつけられているわけです。
 そういうこともよく考えて、一年以内というのは取っ払って、もっと広く精神的損害というのを見ていただきたい、全体で見ていただきたいということを重ねて指摘をしたいと思います。
 それから、きょうは井上副大臣にせっかくおいでいただいているので、一言質問いたします。
 双葉郡内の区長さんたちが、解体除染という要望を出されております。審査会の中で、審査会というのは中間指針の審査会の中で、帰還可能区域で新規建てかえする場合は解体費用を出すというふうになっているわけですよね。そうすると、それは、帰る予定の人、建てかえる人だけなんです。でも、今、当分帰る見通しがない人は、本当にふるさとを朽ち果てたままにする、そのままにしておくという道しかないのかということをおっしゃっている。せめて解体除染を認めてほしいという要望を出されていますが、いかがでしょうか。

○秋葉委員長 井上副大臣、簡潔にお願いします。

○井上副大臣 環境省では、現在、原則として、市町村が発行する罹災証明において半壊以上と判定された家屋については、廃棄物処理事業の対象となるものとして、解体を実施しております。
 それ以外の家屋の取り扱いにつきましては、家屋の荒廃実態や市町村の御意向なども踏まえつつ、復興庁のもと、関係省庁において対応策を検討しているところでございます。

○高橋(千)委員 ぜひ要望をよく検討していただきたいと思います。終わります。

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