国会質問

質問日:2013年 11月 8日 第185国会 災害対策特別委員会

南海トラフ地震対策特別措置法改正案

南海トラフ 地震対策を推進へ / 高橋氏「住民の支援必要」

(写真)質問する高橋ちづ子議員=8日、衆院災害対策特別委

(写真)質問する高橋ちづ子議員=8日、衆院災害対策特別委

 南海トラフの区域に対象地域を拡大し、津波避難対策を強化する「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部改正案」が8日、衆院本会議で全会一致で可決されました。

 採決に先立つ同日の衆院災害対策特別委員会で質問した日本共産党の高橋ちづ子議員は、「森の防潮堤」や静岡県袋井市の命山(津波避難場所となる人工の山)などのような「住民の意見を踏まえた、沿岸住民の暮らしと防災対策の両立という観点での対策が必要」と主張し、改正法でこのような事業への支援を求めました。法案提出者の石田祝稔議員(公明党)は「こうした観点の事業への支援は法律上も可能」と答えました。
 住宅と一体に集団移転する災害弱者施設(高齢者、乳幼児、児童などが利用する施設)については、公立、民間の区別なく支援できること、財政支援が受けられることを確認しました。
(しんぶん赤旗 2013年11月10日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 二階先生初め提出者の皆さん、大変御苦労さまです。
 また、きのうは、参考人質疑で大変貴重な御意見をいただいたと思っております。法案審議だけではなく、これからの行政の中でさまざまな形で生かしていければいいな、このように思っております。
 早速質問に入らせていただきますけれども、まず、提出法案が現行第四条を削除した理由についてというふうに、私、お願いをしております。
 現行第四条、その現行というのは、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法、これがもとの法案になっているわけですけれども、南海トラフということでエリアがかなり広くなったわけであります。
 その中に、第四条で地震防災対策強化地域との調整ということで、ちょっと長いので省略して言いますけれども、観測及び測量のための施設等の整備が図られて、予知に資する科学技術の水準が向上することにより、大規模地震対策特別措置法の第三条第一項の規定による東南海・南海地震に係る地震防災対策強化地域の指定を受けることとなったときはこの指定を解除するというものがあります。
 つまり、今までは、大規模地震対策特別措置法というのは、予知がある場合というふうな、今読み上げた部分があるために、全国どこでも予知が可能になればこの措置法が使えるわけですけれども、実際には東海地震しか予知が可能だというスキームになっていないということがございました。
 今回ここを丸々削除したということの意味を伺いたいと思います。

○林田議員 現行の第四条は、御案内のとおり、平成十四年に提出されました東南海・南海地震防災対策法に基づく地震防災対策推進地域というふうにしております。事前に地震の予知に資する科学技術の水準が向上することにより、我々は大震法と言っておりますけれども、これは昭和五十三年にやったものですが、要するに、このときは、南海トラフのときは推進地域という表現をしていましたけれども、大震法では地震防災対策強化地域という形になっております。
 実は、大震法に基づき指定された強化地域は、十四年に設定した東南海・南海の対策推進地域よりも手当てがちょっと厚いんですね。したがって、両方とも読めるようにということで、実は、厚い方に持っていくということで、現行法の四条は削除というふうにしたわけです。
 今回は、御案内のとおり、改正法の第三条に指定される南海トラフ地震防災対策推進地域については、避難場所への経路の設置とか、事業としてより手厚くやっております。御案内と思いますけれども。
 したがいまして、大震法で見られる部分も生かそう、なおかつ、南海トラフ法で出した方も両方とも併用できるようにということで、若干法案の作成テクニック上の事案だ、そういうふうに思っております。中身はより細やかにやるという精神でやっております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 大震法より手厚いんだとおっしゃっていただきましたので、そうであれば、ここの部分では理解をいたしました。
 私は二〇〇三年に国会に上がってきたわけですけれども、その年にちょうど宮城県北部連続地震がございまして、その後、いわゆる日本海溝の特別措置法、この東南海・南海に倣った形での特別措置法がやはり議員立法で成立をいたしました。
 そうすると、部分的に地震が起きる確率が非常に高いと言われて特別措置法をつくった。その上には大震法がある。ところが、その大震法の下にいろいろな特別措置法が、重要なところがいっぱい出てきたという中で、そろそろ整理をして一番手厚いところにそろえるべきじゃないかという問題意識があったものですから、繰り返し委員会でも質問させていただいたんですね。
 ですから、今回の、東南海の法律をつくったことを通して、私が問題意識を持っていた、全体としてどうなのかということは、また議論していきたいと思っています。ありがとうございました。
 そこで、次に、第十条と第十三条の関係で質問をいたします。
 十条では、津波避難対策特別強化地域を指定して、避難路の整備とか集団移転などの緊急事業計画を策定できる。そしてまた十三条では、津波避難対策緊急事業で定めたいろいろな整備に対して三分の二国庫補助を定めている、先生おっしゃったように、手厚い補助をしているんだということでございました。
 そして、その中身なんですけれども、今ちょっと佐藤委員からもお話があったように、例えば防潮堤、当然、津波対策だから防潮堤というのは誰もが浮かぶことではあるんだけれども、しかし、今、岩手でも宮城でもいろいろな議論をされて、防潮堤の高さがそれぞれ修正をされてきております。やはり住民の議論の中で、海とともに暮らしてきた人たちが、単に高ければいいというものではない、しかし、それにかわる命を守る仕組みをつくりながら、高さは一定に抑えていこうとか、そういう議論がされているんですね。
 そういう観点をどう見るかということと、いろいろな取り組みがあります。例えば森の防潮堤とか、コンクリートではない仕組みがどうかというのがあるのと、それから、今回紹介したいのは静岡県の袋井市というところで取り組まれている人工の山なんですが、命山と呼んでいるそうです。コンクリートだと耐久年限があるんだけれども、これは言ってみれば自然の山をつくるわけですから、江戸時代からあって、ふだんは公園として使えるけれども、避難所としても使えるので、これはいつでも高さは調整できるし、耐久年限はないんだというようなことで、昨年取り組みを始めて、完工されたということです。
 こういうものに対しても当然支援ができるんじゃないかなと思っていますが、お考えを伺いたいと思います。

○石田(祝)議員 委員の御指摘は、住民の意見を踏まえた、例えば沿岸住民の暮らしと防災対策の両立、こういう観点が大事ではないかということだろうと思いますが、それはもうそのとおりだと思います。
 そして、今回のこの法律案で提案しております第十条、第十三条、こういうものを使って、住民の暮らしと防災対策の両立、こういう観点の事業については法律上も可能である、このように思っております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 私も、岩手県の田老町の、万里の長城とも言われた防潮堤を見たり、あるいは釜石市の世界一の湾口防波堤、これらが本当に粉々に壊されてしまったものを見てきた中で、本当にハードも大事だけれども、やはりそれだけではない、いろいろな工夫が必要なんだということもあわせて問題意識として持っておりましたので、そこを本当に踏まえた対策にも支援をしていくということでありがたいと思っております。
 次に、第十六条。これも新設ですけれども、集団移転促進法の特例で措置されている、いわゆる災害弱者施設、高齢者ですとか、乳幼児ですとか、児童、生徒、その他の迅速な避難の確保を図るために特に配慮を要する者が利用する施設についてなんですけれども、これはすごく大事なことだと思っています。
 それで、公立、民間の区別があるのかということを確認していきたいのと、この財政上、金融上の配慮が規定されているんですけれども、具体的にどのような支援が考えられるのか。施設の移転というのは、当然、土地の取得もあり、建てかえの費用もありということで、かなりの財政の負担があるんですけれども、どのように考えていらっしゃいますか。

○石田(祝)議員 御質問のありました公立か民間か、この区別は考えておりません。
 そして、財政上、金融上の配慮については、緊急事業計画記載の教育施設、医療施設、社会福祉施設等の災害弱者施設の整備事業に対する予算措置等を想定したものでございまして、具体的な支援の内容は、本法律案の成立後、政府において適切に判断されるものと思っております。
 現時点では、教育施設については、補助制度を用意いたしまして、例えば、公立学校は二分の一、私立学校は設置者負担に対する長期低利融資、また医療施設については補助制度を用意いたしまして、政策医療を担う民間医療機関は三分の一とか、また社会福祉施設等については補助制度を継続し、設置者負担分に対する優遇措置を講じるとか、こういうことも考えられておりますけれども、これは法案成立後、政府にしっかりとやっていただこう、こういうふうに思っております。

○高橋(千)委員 ここがやはり東日本大震災でも大きなネックになって、特に土地の問題ですとかありますので、現実に動くように期待をしたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。

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