国会質問

質問日:2013年 11月 6日 第185国会 厚生労働委員会

社会保障制度改革プログラム法案

「福祉も自己責任」を批判/プログラム法案で高橋議員

2013110702_01_1b 日本共産党の高橋ちづ子議員は6日の衆院厚生労働委員会で、社会保障改悪のスケジュールを盛り込んだ「プログラム法案」について、「自助・自立のための環境整備」を掲げており、憲法25条の生存権が抜け、「福祉も自己責任」の思想になっていると批判しました。
 政府が「社会保障の中心は自助」という根拠にしている1950年の社会保障制度審議会の勧告について、「社会保障の責任は国にある」と強調していると高橋氏が追及すると、田村憲久厚労相は「公助を守っていく」と答えざるをえませんでした。
 高橋氏は、「消費税収はすべて社会保障財源になる」と政府が説明していることについて質問。2017年度では増税分14兆円の約5割は「後世への負担のつけ回し(財政赤字)の軽減」の名で、もともとあった社会保障財源を消費税収に付け替えるだけであり、「充実」どころか年金削減、生活保護削減などが行われているのが実態だと批判しました。(グラフ)
 田村氏は基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げる財源の確保も「ある意味で充実だ」などと言い訳。高橋氏が、年金国庫負担分は過去にサラリーマン増税や年金増税で財源を確保したのに流用して放置してきたことをあげ、今度は“消費税増税で確保する”というのは「それこそ負担のつけ回しだ」と反論すると、田村氏は答弁に立てませんでした。

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 税と社会保障の一体改革関連七法案が、本会議で質問、私が登壇をしたのは、昨年の五月八日でありました。採決のために討論で登壇をしたのは、昨年の六月二十六日。そのときは七から八になっておりまして、つまり、二つの法案が出て、一つ引っ込めたということになっておりますが、一月半の審議、百二十時間の審議ではありましたけれども、その中で社会保障制度改革推進法案が提出。審議をされたのはわずか十三時間でございました。議員立法であり、三党協議で法制化したということから、我々は、ほとんど中身を読み込む間もなく、採決を迫られました。
 一方、消費税法の修正では、附則十八条にいわゆる国土強靱化が入れ込まれるという、制度改革の目的を大きく変質させられました。
 推進法は、自民党案がベースであり、そもそも、消費税増税と引きかえに推進法を受け入れた、残念ながらちょっといませんが、当時の与党、民主党の責任も強く問われるものです。今さらプログラム法に反対だと言っていますけれども、それを言うなら、昨年の推進法にさかのぼって撤回してほしいと、あえて指摘をしておきたいと思います。
 プログラム法案は、社会保障制度改革推進法案の第四条にある法制上の措置の具体化と言えるものでありますけれども、その「一年以内に、」という期限は、八月二十一日でした。
 これは、結局、法制上の措置はとれずに、閣議決定を行って、今のプログラム法案になったわけでありますけれども、この閣議決定を行ったことをもって措置されたという理解をしているのでしょうか、伺います。

○唐澤政府参考人 お答え申し上げます。
 社会保障制度改革推進法第四条でございますけれども、制度改革に必要な法制上の措置については、法施行後一年以内に、今御指摘のございましたように八月二十一日でございますけれども、社会保障制度改革国民会議における審議の結果を踏まえて講ずると規定されております。
 政府といたしましては、国民会議の報告書等を踏まえまして、社会保障制度改革の全体像や、その進め方を明らかにするための法律案を国会に提出することが、改革推進法に基づく法制上の措置に当たると理解をしているところでございます。
 ただ、国民会議の報告書が取りまとめられましたのは八月六日でございましたので、八月二十一日時点で法案としてまとめることはなかなか難しいという実情もございました。また、国会も開会されておりませんでしたので、そうした点も踏まえまして、政府としては、臨時国会の冒頭にプログラム法案を提出するということを行ったところでございます。

○高橋(千)委員 まさにそうなんですよね。
 今の答弁の中でも、そもそも、推進法が、国民会議の解散と同時に法制上の措置をするというのは、それはあり得ないですよね。やはりその間に、国民会議をやって、あるいは社保審があったり。
 民主党さんは年金法や医療の法案が出るはずだったとおっしゃっていますが、なぜそれがリアルタイムでできるのだと思うわけですよ、はっきり言って。まして、閉会中じゃないかと。わかり切っていることを何で法律にしたのかなというのは率直に思うんです。
 だけれども、それを結局つながざるを得なかったのが、今度のプログラム法案なわけですよね。結局、具体的なものは出ていないわけです。
 私が登壇したと言いましたけれども、その同じ本会議で、自民党から賛成討論に立ったのは、金子一義議員でありました。そのときに、やはり、具体的な法案が全く見えていないじゃないかという、ひとしきり批判をした。その後でおっしゃったのは、その中で賛成する主な理由は、本法案により、年金、医療、介護、少子化対策全体の法体系が一年以内にできるようになることだとおっしゃった。社会保障の姿が法制上の整備を含めて見えるようになることだと言ったわけです。
 そうすると、賛成の主な理由だった法体系は何も示されていないけれども、どう説明をするのかですね。
 それから、結局、今回の中身は、いつまでに何を目指すというのが書かれているだけで、言ってみれば、宣言文みたいな、決意を語っているようなものなわけです。
 でも、それだけだったら、そもそも、基本的な考え方というのは既に推進法の中に書き込まれているわけですよね。それを念押しするような法案をなぜ出す必要があったんでしょうか。期限との関係だけだったら、結局間に合わなかったんだから、四条を一部改正する、つまり、延長するとか検討するとかという、それだけで済んだ話じゃないんですか。
 わざわざプログラム法を出す意味がどこにあったんでしょうかというのが聞きたいんですね、大臣。

○田村国務大臣 なかなかこれは難しい御質問でございますが、昨年の時点で三党合意をいたしました。
 そして推進法を出す段に当たって、要は、そのころ、もともと何でこういうことをやったかというと、どこが、どちらが政権与党になっても、社会保障に関してはなるべくぶれないようにしようということであると同時に、やはり言ったことをちゃんとやってもらわなきゃ困るねということがあったわけで、一年後、法制上の措置というのが、法律は提出できませんでした。しかし、その時点でのできる限りのことをやるということで、骨子等々を閣議決定して、要するに、法制化に向かってのプロセスを踏み出したということであります。
 これがあることによって、なければ、いつまででもいいんだといって何も決まっていかない、そういう無責任なことをやる自民党、公明党ではございませんけれども、そういうようなことを担保する必要があったから、このような期限を切ったわけでありまして、その時点でのできる限りのことをやって、そして、それにのっとって今国会にプログラム法案を提出させていただいたわけであります。
 なお、中身が余りにも薄過ぎるとおっしゃられるのはよくわかる部分もあるんですが、そもそも、全体の改革の中身というものは、それこそ、改革の骨子なるものは社会保障制度改革国民会議の報告書の中に書かれているわけであります。
 ただ、あれは具体的な数字が入っていませんから、これを審議会やいろいろな御議論の中で具体的なものを詰めていって、法制化に向かっていくということでございますので、委員がそのように言われると私もつらいところはあるんですけれども、できる限りの努力をして、国民の皆様方に方向性をお示しさせていただこうということで、法案を出させていただいたということでございます。

○高橋(千)委員 今、できる限りのとおっしゃって、要するに宣言文なんですよね。やはり、法案はできなかったものですから、こういうものをやりたいという、しかも、推進法だけでは、結局、その間がないというのはうまくないから宣言文なんだということなんだと思うんです。
 ただ、私の問題意識はそこから始まったんですよ、そもそもプログラム法というのは必要ないんじゃないのというところから始まった。
 だけれども、考えてみたら、どっちが与党になってもとおっしゃるけれども、どっちがなるかは、ほぼわかっていた時期でもあった、しかも、自民党案がベースであるということでは、これは、三党協議といいながら、やはり自民党さん、公明党さん主導で進んできた話ではなかったのか。つまり、政権をとった後の三党協議というのは、言ってみれば必要ないものになってきたということで、かなりこれは私は性格が変わったなというのが率直な思いなんですね。
 そこで、伺うんですけれども、プログラム法は、第一条の「目的」の中で、「社会保障制度改革推進法第四条の規定に基づく法制上の措置として、同法第二条の基本的な考え方にのっとり、」こう書いているわけで、かつ、「社会保障制度改革国民会議における審議の結果等を踏まえ、」とあるわけですね。
 だけれども、その「のっとり、」の、つまり、もととなっている推進法の基本的な考え方とは何かというと、「自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、」というふうにあるわけです。でも、プログラム法案のどこを見ても、共助も公助も出てこない。そして、「自助・自立のための環境整備等」とあるのみなんですね。
 これは、考え方が変わったんでしょうか。

○唐澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生に御指摘いただきましたように、プログラム法案の中で、自助自立の環境整備を規定しております。これは、老いも若きも、健康で、希望する方には、働くことができ、持てる力を最大限発揮していただけるような環境こそが活力ある長寿社会につながるとの考え方に基づくものでございます。
 自助自立に共助と公助を組み合わせて、弱い立場の方にはしっかりと援助の手を差し伸べることを基本として、社会保障政策を推進していくこととしておりますので、自助、共助、公助の適切な組み合わせということの考え方は同様のものでございます。
 先生からも御指摘ございましたけれども、このプログラム法案におきましては、第一条におきまして、社会保障制度改革推進法、「同法第二条の基本的な考え方にのっとり、」というふうに規定をされているところでございます。
 この「基本的な考え方」の中に、具体的には、その第一号として、「自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、」ということが規定をされているところでございますので、これは推進法の考え方を引き続いているものでございます。

○高橋(千)委員 「のっとり、」とは書いているけれども、具体的に講ずべき改革の措置の中には、自助自立のための環境整備しかない、これでどうやって読むんですかということ聞いているわけで、これはやはり答えにならないと思うんですよ。具体的なところには一言も出てこないじゃないですか。

○唐澤政府参考人 自助自立の環境整備につきましては、これは、この法案のその後に続く各条で、少子化、医療、介護、年金とそれぞれ措置を講ずることを規定しているわけでございますけれども、それの手前に、今御指摘のございました自助自立の推進ということで、「自助・自立のための環境整備等」ということを規定させていただいているところでございます。
 もちろん、具体的にどういう政策をやっていくかということは、これからの問題でございますし、予防対策等の推進もこうした中に考えられると思いますけれども、これとあわせて、この法案の第二条二項にも、互助についてもあわせて規定をさせていただいているところでございます。

○高橋(千)委員 大臣に聞きますが、国民会議の報告書では、自助の共同化という表現をしていますよね。「「自助の共同化」としての社会保険制度が基本であり、」「「公助」は自助・共助を補完するという位置づけ」。
 私は、自助の共同化というのは、自分で自分を助ける、それぞれが助けることの集合ですよねというだけであって、共助とは意味が違うと思うんです。これは、なぜこういう表現を使っているんでしょうね。大臣、どう思われますか。

○田村国務大臣 自助、共助、公助というもの、しっかりとバランスをとってという意味では、ここで共助ということを使っておる、それが自助の共同化だと。これは、たまたま自助の共同化という意味合いで共助を示したというふうに認識いたしておりますが、その心は何なのかという話ですけれども、それで共助という意味が変質するものだとは思いません。
 ただ、そこに参加している参加意識でありますとか、権利意識とまで言っていいのかどうかちょっとわかりませんけれども、つまり、自分もそこに一緒に参加しているんだよ、要するに、みんなで助け合ってこれは成り立っている制度なんだよという意味での一つの表現の仕方として、自助の共同化というような意味合いのお言葉をお使いになられているんだろうというふうに思いますので、委員が思っておられる共助と同じ意味合いなのではないかなというふうに思います。

○高橋(千)委員 私は、やはり自民党さん、憲法草案にも書いてありますけれども、やはり福祉も自己責任というのが基本なんだと思うんですよ。社会保障という、公助の、国が助ける部分は本当に死にそうなほど困っている人たちだけなんだ、そういう発想じゃないですか。そうじゃなかったら、なぜこういう表現になるのか。
 どこからも共助も公助も出てこないというのが、憲法二十五条は生きているわけですよね、自民党さんの案はちょっと微妙に変わっていますけれども、そこは基本変わっていないという点でよろしいですか。

○田村国務大臣 今も申し上げましたとおり、自助、共助、公助、これがバランスよく適切に機能しなきゃならぬわけであります。
 ただ、以前から申し上げておりますとおり、まず自助自立、まず自分が頑張る。それは、頑張るというのは、それぞれの人によって頑張れる範囲は違うと思います。高齢者、若い方々、いろいろな方々、またそれぞれの状況、それぞれにおいて、もちろん、若い方々よりも高齢者の方が頑張れる人もいますから、それぞれの状況によって違うわけでありますけれども、それぞれの状況において頑張れる程度は違いますけれども、まず自分で頑張る、これが大前提であるわけであります。
 しかし一方で、みんなで助け合いましょう、でも、みんなで助け合っても、まだちゃんと日々安心した生活が営めないなというような状況がある場合に、やはり公助という部分もしっかりと入れていかなきゃならぬというわけでありまして、そういう意味からいたしますと、何ら我々の精神が変わったわけでもございませんし、三党で共通した認識を持った、その共通した認識は変わっていないというふうに思っております。

○高橋(千)委員 昨年の議論も、基本は自己責任なんだ、そして、保険なんだから負担の見返りとしてサービスがあるんだということが盛んに議論されたんですよ。だから、こういう質問をしています。
 第四条、「原則として全ての国民が加入する仕組み」という条文がありますよね。これは推進法にも同様の記述があります。
 これをもって皆保険とは言えないと思います。全て「原則として」というのがついている。「加入する仕組み」、加入してもサービスが受けられるとは限らないわけですから、これは本当に皆保険と言えるんでしょうか。

○赤石大臣政務官 高橋議員にお答えいたします。
 我が国の医療保険制度においては、国民健康保険が被用者保険の加入者以外をカバーすることで国民皆保険が成り立っております。生活保護受給者が例外として制度の対象から除外されているため、社会保障制度改革推進法第六条と同様、今般の持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案第四条にも、「原則として」と記載されております。
 法律の条文上は、「原則として」と記載されているが、国民皆保険の趣旨を書きおろしているものであり、国民皆保険を堅持し、必要かつ適切な医療を提供していくことには変わりございません。
 以上です。

○高橋(千)委員 生活保護受給者はもともと対象ではないわけですから、それをあえて言う必要はないんですよ。今まで、それを含めて皆保険と言っていたわけじゃないですか。それを何で、原則としてとわざわざ言うのかというのと、私が聞いているのは、加入するというと、加入はみんなできますよ、権利はありますよ、だけれども、受けられるとは限りませんよとなると困りますよねということを言っているんです。
 厚生労働白書、平成二十四年版ですけれども、「日本では、国民全てが公的な医療保険に加入し、病気やけがをした場合に「誰でも」、「どこでも」、「いつでも」保険を使って医療を受けることができる。これを「国民皆保険」という。」と説明しています。これでよろしいですね。

○唐澤政府参考人 先生の御指摘は、保険はファイナンスの財政的な仕組みでございますので、保険だけあってもサービスがなければ利用できないじゃないかという御指摘だと思います。
 これは、実は、介護保険導入のときにも同様の御指摘がございまして、財政的な保険制度だけではなくて、サービスの基盤を整備していくということが必要ではないかということを強く、第一番の論点として御指摘をいただきました。
 そういうことを考えますと、もちろん、保険制度は供給体制をそのまま整備することはできないわけでございますけれども、保険制度に合わせて医療提供体制の整備をしていく、そして、先ほど来御議論をいただいております地域包括ケアの仕組みというものをどうつくっていくかということをあわせて推進していかなければいけない、そういうふうに考えております。

高橋(千)委員 何で介護の話をするんですか。医療の話を聞いているでしょう。国民皆保険の話をしているんです。介護保険はもう、生まれたときから保険あってサービスなしなんですから。それと並べて議論していたら、全く別な議論になっちゃいますよ。そんな問題じゃないですよ。
 私がさっき、自助の共同化というのを大臣に聞きましたけれども、報告書には解説をちゃんと書いているんですよ。要するに、「自らをしてそれに必要な経費を醵出せしめるところの社会保険制度」、これが社会保障の中心だというのは、いわゆる、かの有名な一九五〇年の社会保障制度審議会の勧告に載っていると。
 だから、もともとそういう考え方なんだよということを国民会議は書いているんです。だから、それを問題にしているんですよ、私は。五〇年勧告を引き合いに出して、今さら自助なんだ、自助が基本なんだと言っていることが違うと言いたいのです。
 なぜかというと、この五〇年勧告にはきちっと、憲法二十五条を受けてこの勧告が出たんだということがあるんですね。
 「社会保障制度とは、疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他困窮の原因に対し、保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講じ、生活困窮に陥った者に対しては、国家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに、公衆衛生及び社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにすること」。このような社会保障の責任は国家にあると。
 まさに、今最初に読んだ方が二十五条の第一項ですよね。国家にあるというのが二項なわけですよ。それをきちんと勧告の中には書いているのです。
 それを無視して、その前段の中心は自助だというところだけ酌み取って国民会議が書くから、そういう立場なんですかと聞いているんです。違いますよね。

○田村国務大臣 共助の話ですか。(高橋(千)委員「公助。憲法二十五条」と呼ぶ)
 公助というものをしっかりと守ってやってまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 済みませんね、ちょっと理念をしつこく言ったのは、やはり、それが結局この制度にあらわれてくるわけじゃないですか。だから、あえて指摘をさせていただきました。
 昨年の一体改革以降、消費税収は全て社会保障財源になると説明をされてきました。それ自体はそのとおりであります。来年度は、四月から三%増なんですけれども、これに伴う消費税収増加分は、大臣が何度も説明されているように五兆一千億円、タイムラグがあるので全部ではないということで五兆一千億円で、そのうち社会保障の充実に回るのは五千億円だということです。
 それを、会計課に頼んで数字をいただきまして、書いてみました。資料の一枚目なんですけれども、増収分をどういうふうに割り振っているのかということなんですね。
 二〇一四年度は、半分以上が年金の部分なんですけれども、充実が五千億円で、そのうち、大きいウエートを占めるのが待機児童対策ですよね。ただ、年金の次に大きいのはツケ回しの軽減という、いわゆる赤字対策ということですけれども、我々から言わせれば、もともとあった社会保障予算を消費税財源に切りかえたので、つけかえだという表現をしている、これであります。
 それが、二〇一五年度、八%になるところと、十月から一〇%になった場合に九兆円台の税収がある、そのうち、年金部分は三兆円に引き上がり、ツケ回し部分は四兆円で、社会保障の充実に回るのは一兆八千億円だという説明を受けています。
 二〇一七年の、これは満額、一%が二兆八千億円で計算した場合、十四兆円のときは半分の七兆三千億円がツケ回し分に回るということで、このデータでよろしいですよね。二〇一六年度はまだわからないということですが、大体この間に入るということでよろしいでしょうか。

○唐澤政府参考人 御指摘のございました数値は、二〇一五年度はこの図のような数字でございます。
 それで、二〇一六年度でございますけれども、二〇一六年度は、私どもが承知しておりますのは、ほぼ満年度に近いのでございますけれども、ちょっと違いますのは、先生の御指摘のちょうど間ぐらいなんですが、三兆円の基礎年金の国庫負担が、二〇一五年度、一〇%になったときになっておりますが、それが三・一兆というようなベースでございます。それから、社会保障の充実のところは、二・八兆になっておりますところは、二・七兆でございます。それから、ツケ回しの負担の軽減については六兆円台の半ばぐらいではないか。四経費の負担増は、これは一〇%のときの一五年度のときは〇・四兆円になっておりますけれども、〇・六兆円程度というふうに見込んでいるところでございます。

○高橋(千)委員 数字、きのうはいただけなかったので、二〇一六年の姿もわかりました。
 これを見ると、やはり消費税を、全部社会保障に使うのはそのとおりなんですけれども、実際は満額になった場合は半分が赤字対策ということでつけかえになっちゃって、充実というのは本当にささやかだなというのが改めて思い知らされ、しかも、最初からつけかえ分はしっかり確保している割には、充実分というのは本当にささやかだなということなんですね。
 三党合意をやったときには、八%にする時点で低所得者対策を行う、税率を変えるとか、そういうことを公明党さんなどもおっしゃっていました。あるいは、民主党さんは、年金補足六千円、七万円のあれをやるためにということを言っていましたが、それはだめで、五千円で決着したわけですが、だけれども、それは一〇%になったときに初めてスタートするわけですね。
 なので、充実部分が余り見えてこないし、負担軽減策もずっとおくれてやってくる、だけれども、負担増、いわゆる消費税を払うだけではなく、年金はもう下げられているし、生活保護も下げられているし、七十代前半の窓口負担が倍になるという話もあるし、こういうのはもうスタートするわけですね、はっきりくっきりとスタートしちゃう。この構図はいかがなものかというふうに、大臣に率直に伺いたいんですが。

○田村国務大臣 まず、検討しているという意味では、簡素な給付措置というものが一つありますね、これは。それから、いろいろな負担がふえると言いましたけれども、来年の四月から負担が軽減されるというメニューも、先ほど来申し上げておりますけれども、国民健康保険、高齢者医療制度等々ありますよね。ですから、そういう部分ではいろいろなものがあるわけであります。
 委員が、これを見られると、何かツケ回しが非常に多いと言われますが、実はこれは、三兆円の、この二・九五兆円の、基礎年金の二分の一国庫負担分、これはある意味充実というか、安心、安定、我々が一番望んできた、多分委員も待ち望まれた年金の安定のための資金でありますから、これは充実分と言ってもいいのかもわかりません。
 これを除きますと、あとの案分は、でき上がりの大体十四兆円のところとほぼ同じような案分で、この一・四五と〇・五というような割合でございますので、そういう意味からいたしますと、決してツケ回しが多くて充実が少ないというわけではないということで御理解をいただければありがたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 そうくると思ったんですね。
 だって、年金こそがツケ回しじゃないですか。基礎年金の二分の一というのは、国会決議でもう十数年前に決めたことなんですよね。そのために財源にするということでサラリーマン増税をやり、公的年金等控除とか高齢者の増税をやったわけですよ。それで、財源確保したんだけれども流用しちゃったというのは、これは私、去年の一体改革のときに岡田副総理に質問して、使えなかったというのは認めたし、この委員会でも我が党の佐々木憲昭議員が何度も指摘をしてきたことなんです。つまり、年金の財源は一旦は増税で確保したのに、それを年金に使わなかった、それこそがツケ回しなんですよ。
 そういう意味でいうと、やはりツケ回し部分が一番大きい。大臣、首をかしげているけれども、だめなんです、これは何度もやっている議論なので。岡田副総理も去年の一体改革でお認めになりました。私が質問したときに、使えなかった、年金のために使おうと思ったお金をそれに使えなかったことは事実だとお認めになっているんです。
 そういう中で、二分の一はもう決まったことなのに、いつまでもそこだけ切り分けて、特別な財源が必要なんだと見せて、それに消費税分が一番多くかかるんだという、この描き方自体が間違っているんですよ。これを指摘しておきたいと思います。
 言っているうちに時間がなくなったので、問いを少し飛ばします。
 五月二十七日の財政審、財政制度等審議会の「財政健全化に向けた基本的考え方」では、資料三枚目、この効率化の部分について詳細に指摘をしています。
 例えば、これは午前中に長妻さんが大騒ぎしたものですけれども、二〇一五年度、二兆七千億円程度で、子育て支援は、これはそのまま充実ですよね、七千億円。医療・介護サービスは、六千億円なんだけれども、これはプラマイなんだ、充実は一兆四千億円で、重点化、効率化は〇・七兆円で、これは差し引きで〇・六兆円になるんだ、こういうふうなすっきりした表が出ている。これは経済財政諮問会議に厚生労働省が出した資料であります。
 ただし、財政審はこれを指摘して、プラスの方ははっきり計算しやすいんだけれども、マイナスの方、例えば、平均在院日数の減少は四千四百億円とか言っている、これは確実に在院日数が減るとは限らない、四千四百億円はとれるかどうかわからないということ。例えば、介護予防なんかで、さっきから議論されている、千八百億円減らす予定になっているんですね。でも、それはそのとおりになるかわからないんだからちゃんと検証せよ、あるいは、そのマイナスを見てから充実をすべきだ、充実が先だというのはおかしいよという、そこまで踏み込んだことを財政審は言っているんですね。
 これはどのように受けとめていらっしゃいますか。

○唐澤政府参考人 先生の御指摘のとおり、一体改革、昨年のときの枠組みでは、三・八兆の充実と一兆二千億の重点化、効率化という枠組みで設定されていたわけでございますけれども、私どもの今回の一体改革の枠組みでも、いわゆる充実分とそれから重点化、効率化のメニューというものをあわせてお示しをしております。
 ただ、例えば、重点化、効率化の方を、どのくらいまでの効率化の金額になるのか、あるいは、ある意味では負担が少しふえてしまうようなところがどのぐらいになるのかということにつきましては、ただいま、これは関係審議会等でもかなり御議論いただいているところでございますので、そこを、現時点では数字をお示しすることはなかなか難しいのが実情でございます。
 ただ、ネットとしては、一%程度の二兆八千億程度を社会保障の充実に、一〇%が平年度化した場合には振り向けたいということをお示ししているところでございます。

○高橋(千)委員 結局、長妻委員の議論の中で自然増削減云々という話をしたんですが、そういうことではなくて、つまり、ここに予定されている以外のメニューでもっと減らせよということを財政審などが言っているわけですよ。そうなったときに、そのお金はどこに行くんだという議論だと思うんです。
 つまり、その分は、結局つけかえ部分を膨らませてしまったら意味がないでしょうということをちゃんと言わなくちゃいけないと思うんですね。
 財政審は、もう御存じだと思いますが、ことし一月にも「予算編成に向けた考え方」の中で、「公費負担が、最終的には国民の負担になるにもかかわらず、恰も負担がなくとも受益が得られる「共有地」であるかのように受け止められ、安易な依存を招きがちであるという我が国財政のフリーライダー問題(「共有地の悲劇」)が顕著に表れている。」ここまで言っているんですよね。
 フリーライダー、誰もそんなことを考えていないと思うし、みんな負担しているわけですけれども、そこまで言って、要するに、消費税を増税するのに、それを社会保障の充実に回すのはおかしいという議論をしているんですよ。そうでしょう。おかしいという議論をしているんですよ。
 だって、まだまだ社会保障費との差額があるじゃないか、それをもっと縮めなきゃだめなんじゃないかといって、縮小しろ、抑制しろということを言っている。その根底には、このフリーライダーという発想があるわけですよね。
 それに対して、それは大臣、戦わなくてはいけないと思うんですが、いかがでしょうか。

○田村国務大臣 これは、一%分使うということを決めているわけですから、これをやらなかったら消費税を上げられないという話になると思いますので、それは、どういうふうな趣旨でおっしゃっておられるか、私はつぶさに知らないものでありますから、よくよくお話をお聞きしなきゃいけないと思いますけれども、少なくとも、充実分に消費税一%というものはしっかりと、我々は要求をするといいますか、当然、それを使わなければ、消費税を上げた意味がないという話でございますので、それは主張してまいりたいというふうに思います。
 ただ、充実分と、それから重点化、効率化の部分、この重点化、効率化の中身に関して、いろいろな議論はあるんだと思います。しかし一方で、本当にその分だけ効率化されるのならば、当然、その財源をどうするんだと。充実に回さなきゃ意味がないわけでありますから。そこは、しっかりと我々は確保をしてまいります。

○高橋(千)委員 これは相当頑張っていただかないと、それはもちろん、根っこのところでは私たちはこれは絶対反対ですよ、だけれども、それ以上のことを今要求されているわけですよ、負担増や給付抑制を受け入れる覚悟を持てと。何でそこまで言うんですか、何でそこまで横やりを入れるんですかと言いたいわけですよね、私にしてみれば。
 しかし、よくよく見ますと、昨年の金子議員の討論の中で、社会保障の姿が見えると言った後に、「閣議決定した社会保障・税一体改革大綱などにかかわらず幅広い観点から制度改革を実現することという、自民、公明の主張した修正に現政権が」、つまり民主党ですね、「応じたことも、賛成する理由の一つ」と述べているわけです。
 つまり、一体改革の、いわゆる、さっきから言っている充実と効率化のプラスマイナスだけではない、幅広い観点ということをあえて修正の中に入れたんだなということを、改めて私は気がついたわけですね。
 私はあのとき、三党協議が全てに優先する、これは国会の自殺行為だという指摘をいたしました。しかし、その三党協議よりも上にというか脇にといいますか、今言った財政審やら経済財政諮問会議やら、あるいは産業競争力会議やら、横やりを入れるいろいろな人たちの意見が、みんな入れて議論が進んでいくとなると、これは、そもそも一体改革そのものも大きく変質する。それが、プログラム法が単なる宣言法案ではなかったという、中身が大分変わったということの結論なのかなというふうに私自身は思ったし、指摘をしたいなと思っております。
 大臣、首をかしげておりますが、そうじゃないとおっしゃいますか。もし答弁があるのであれば伺いたいと思いますが、ありますか。いいですね。
 これは、結局、そういうことなんですよ。かなりの形で当初の予定からも変質されてしまったということで、やはり振り出しに戻って、推進法から戻って議論をして、撤回をすべきではないかということを指摘して、きょうの部分は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

――資料――

【資料1】消費税増収分の使途の推移

【資料2】厚労省資料「社会保障の安定財源確保」

【資料3】経済財政諮問会議配布資料「社会保障制度改革国民会議について」

質問の映像へのリンク

http://www.youtube.com/watch?v=V76oOZc1FD4#t=0

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