国会質問

質問日:2013年 10月 30日 第185国会 厚生労働委員会

大企業のリストラ支援批判、旧社保庁解雇は撤回を

旧社保庁解雇 全員取り消すべきだ

(写真)質問する高橋ちづ子議員=30日、衆院厚生労働委

(写真)質問する高橋ちづ子議員=30日、衆院厚生労働委

 日本共産党の高橋ちづ子議員は30日の衆院厚生労働委員会で、社会保険庁解体・民営化で職員525人が分限免職(解雇)された問題を取り上げ、解雇に不服請求をした全員の身分を保障するよう求めました。  高橋氏は、不服申し立てをしていた71人中24人の解雇取り消し判定を人事院が行ったことを指摘。とくに10月24日の判定では、公務災害なのに健康上の理由で不採用にするなど、選考理由の不当性にまで踏み込んでいるとして、「厚労省の処分に瑕疵(かし)があったのではないか」とただしました。  田村憲久厚労相は「人事院の判定は大変重く受け止める」と述べたものの、「選考手続き自体が不適切ということではない」と答えました。  高橋氏は、解雇の選考過程で行われた面接表には、「声が小さい」「丸顔、メガネ」「たれ目」などのメモが残されていることをあげ、評価は「経験と勘で行った」と厚労省の面接官が証言していると指摘。解雇された職員が、その後、年金機構の正職員に応募したら採用された事例まであることを示し、「全く適切だったといえるはずがない」と追及しました。  また、高橋氏は国の都合で組織を改廃し、解雇回避努力が不十分なのは裁量権の乱用にあたるという判定を紹介し、「国家によるリストラだ。全員の処分を取り消すべきだ」と述べました。
(しんぶん赤旗 2013年10月31日付より)

大企業のリストラ支援批判

 日本共産党の高橋ちづ子議員は30日の衆院厚生労働委員会で、安倍政権が国家戦略特区に「解雇特区」を盛り込まないとする一方で、判例を類型化した「雇用ガイドライン」を作るとしていることを示し、「ガイドラインに沿っていれば解雇できるなどというものではあってはならない」と述べました。
 田村憲久厚労相は、交渉力の弱い労働者を守るのが労働法の観点だとして、「(解雇をめぐる)判例を乗り越えたルールはつくれない」と述べました。
 高橋氏は、ソニー仙台の“追い出し部屋”といわれるキャリア支援室では、58人中29人が早期退職に追い込まれ、厚労省がパワハラの事例であげていることがそのまま行われている実態を示して、「こうしたリストラを進める企業を労働移動支援助成金の対象にするのか」とただしました。田村厚労相は「労働組合の同意がなければ(支援対象の)スキーム(枠組み)にのらない」と述べるにとどまりました。
 高橋氏は、ソニーの内部留保が2兆円を超えていることや、生産増にもかかわらず人減らしをしたため、労災が発生していることをあげ、「余力のある大企業のリストラ支援をやるのはおかしい」と批判しました。
(しんぶん赤旗 2013年11月1日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 今国会の目玉である国家戦略特区に、いわゆる解雇特区などと言われる雇用の規制緩和が、一応、盛り込まれませんでした。「憲法上、特区内外で労働規制に差をつけられない」、これが大臣の見解だったかと思います。報道もされておりますし、答弁などもされております。ただ、内外で一律じゃなきゃいけないよということで、全国一律でルールができるとなっては、やはり困るわけであります。
 実際、十月十九日付の朝日の囲み記事、その大臣の発言があった下に、経営者の皆さんのシンポジウムがありまして、そのときの声が紹介されていますが、「特区はムチャクチャ。全国同一ルールでないと動かない」、こういう発言が経営者から出ている。つまり、特区ではなくて全国で解雇のルールを緩和してくれ、そういうことですよね。それでは困るわけなんです。
 そうした中で、今回、特区法案に書くのは何かというのが資料の一枚目で、先ほど大西委員が午前の部でやったのとこれは同じものですけれども、十月十八日に出されております。アンダーラインを引いておきました。「雇用条件の明確化」ということで、「裁判例の分析・類型化による「雇用ガイドライン」を活用し、個別労働関係紛争の未然防止、予見可能性の向上を図る。」云々ということが書いてあるわけです。
 これを、さっき言ったように、全国に広げろと言っているような方たちが都合よく解釈して、ガイドラインに合っていたら解雇できるなんて思っては困るわけですよね。だって、判例というのには、我々で言うところの不当判決というものもございますから、これは例に合っているよ、じゃあ大丈夫だねとなっては困る。そういう趣旨ではないんだろうと思うんです。
 ですから、改めて大臣に趣旨を伺いたい。雇用のルールをどうしようとしているんでしょうか。

○田村国務大臣 その新聞でインタビューを受けられた経営者の方が、どういう思いでそれをおっしゃっておられるのか、ちょっと私はわからないんですけれども。
 およそ解雇をしやすい、拘束力を持った、何か法整備だとかルール化をする、そういうことができるのか、できないのかというのは非常に慎重な問題でありまして、以前もこの委員会で申し上げたと思うんですが、そもそも憲法にも、権利の濫用というものはしてはならないと書かれているわけでありまして、民法の一条の三項にも、権利の濫用、これはしてはならないと、権利濫用法理というものがあるわけであります。労働契約の場合は特に、先ほど申し上げましたが、雇う側と雇われる側が、立場がやはり違うということがありますから、余計にそこのところはセンシティブであるわけであります。
 さらに、この解雇という問題からいいますと、まさにこれは勤労権と非常に密接に絡むところでございますので、そのような意味からいたしますと、解雇権の濫用法理といいますか、これは、判例で今まで積み重なってきたものが法制化、法定化をされて、民法に載って、その後、労働契約法だったと思いますけれども、十六条に書かれておるわけであります。
 では、判例はどうかというと、判例も実はその時々で変わってきております。ですから、そういう意味では、判例も時代においていろいろなものが変わってきておるということがあることは前提でありますが、そういうものを乗り越えて、極端に何か、何回、何したらもうやめなさいみたいな、やめるのですねなどというような、そういうルールがつくれるかというと、これは、まあ、私はつくれないであろうと。非常にこれは慎重に考えなきゃいけないというふうに思っておりますので。
 委員がどういうおつもりでおっしゃられたのかよくわかりませんが、今我々がやろうとしておることは、これは裁判の判例、裁判例を分析、類型化したものをガイドラインとしてお示しさせていただいて、特区の中ではそれをもとに相談、助言をするということであります。
 その中において、多分いろいろなノウハウというものは出てくるんだと思いますけれども、全国でそういうようなガイドラインというものはお示しをしながら、なるべく労使間で個別労働関係紛争が未然に防げるように、予見が可能になるように、ということは、逆に言えば、不当解雇というものがなるべく起こらないように、お互いにルールというものをわかっていただく中において、労働契約を結び、それにおいてその契約を履行していただくというふうな思いの中で、今回、この特区法の中に盛り込ませていただいておるということでございます。

○高橋(千)委員 いずれ全国バージョン、午前の大西委員に対する答弁の中で大臣がおっしゃったように、特区というのは、普通は全国バージョンを目指すものでありますよね。だから、そこにおいて、全国で当たり前に運用すべきガイドラインなわけですから、それをあえて特区に書くことは、なぜなのかということがやはり問われるわけですよ。そのことが、やはり進めたい人たちの意図が込められているんだというところにあるのではないかということを改めて聞いたわけですよね。
 だけれども、大臣は、今おっしゃるように、極端に乗り越えるものではないんだということを重ねて答弁されましたので、とりあえずここはそれを引き取ります、続きがありますので。
 それで、本当は質問しようと思ったんですが、ちょうど、労働契約法が成立したのは六年前です、十一月でしたけれども。そのときに、私、当時の柳沢大臣に質問したことがございます。労使対等といっても、本来労働者の立場の方が弱いという出発点に立って労働契約のルールが決められるべきというふうに確認した。これはなぜかというと、大臣自身がそういうことをおっしゃっていたんです。それを改めて確認しました。そのときに大臣が、交渉力の格差を含め、力の差があることは歴然だ、労働者保護をきちんと行うというのは労働法制の基本というふうに答えていらっしゃる。
 なので、さっき田村大臣が、立場が違うんだとおっしゃった。契約といったときに、今、契約のルールをガイドラインにするんだと言ったんだけれども、やはり労使というのは対等じゃないんだよ、そこから出発しなかったら間違うよねということで、六年前の議論を思い出したわけです。
 さっきの答弁で、基本は同じです、出発点は同じですということですよね。いいですね。

○田村国務大臣 雇う側と雇われる側、交渉力からいえば、それは雇う側の方が基本的には強い。それは、もちろんいろいろな状況がありますから、常にそうかと言われると、そこは常にそうだとは言えないところもありますが、普通、一般的には雇う側の方が交渉力があるということでございますから、そのような観点から、いろいろな労働法制というものが成り立っておるというふうに認識いたしております。

○高橋(千)委員 確認をしました。
 そこで、具体の話をしたいんですが、電機大手のリストラ、昨年も大分大きな問題になりました、十三万人などの計画が持ち上がっていた。労働者と一緒に、厚労省にも直接改善の援助を求めてきました。
 例えば、宮城県多賀城市にあるソニー仙台、実は宮城県の誘致企業の第一号なんですね。地域に根差した企業であります。三・一一の震災後、百五十名の期間工切りが国会でも取り上げられて、この問題は、一応、勝利和解をしているんです。
 しかし、その後は、正社員がターゲットとされて、遠隔地出向が強要される、キャリア支援室なる追い出し部屋が横行し、これは、ただし、追い出し部屋と我々は言うんだけれども、ソニーは九〇年代からあるんですよ、今始まった話ではないんです。それが横行して、かつては二千名いた仙台の社員が、震災直後は千四百名、そして、現在は六百名にまで減らされております。
 ソニーグループ全体は、皆さん御存じのように、一万人のリストラ計画を言っていました。でも、今は一万六千人以上減らして、もう超過達成なんですね。もうこれ以上切る必要はないわけですよ。そういう実態であります。
 そこで、労働審判でもう既に明らかになっている資料の中に、そのキャリア支援室がどういう実態になっているかということなんですけれども、例えば、配属された五十八名のうち、半分の二十九名は早期退職に追い込まれています。そのほか一名は、キャリア室のままで定年退職を迎えております。
 退職強要は違法だという最高裁の判決もあるわけですけれども、追い出し部屋、リストラ部屋などと呼ばれるこうした実態を厚労省としては把握しているのか、また、あってはならないという認識を持っているのか、確認をいたします。

○中野政府参考人 厚生労働省では、大規模な雇用調整事案を把握した際には、退職強要が行われることがないよう、事実関係の把握や、過去の裁判例等に基づく啓発指導に取り組んできているところでございます。
 個別企業に対するコメントは控えさせていただきますが、大企業で退職強要が疑われる動きが見られると報道された事案につきましては、厚生労働本省で直接実態をヒアリングいたしまして、必要な啓発指導を行ってきているところでございます。
 今後とも、こうした取り組みにつきまして引き続き実施していくとともに、労働者から相談があれば、労働局等で個別労働紛争解決のための労働相談に対応してまいりたいと考えているところでございます。

○高橋(千)委員 昨年八月のベネッセの、これは追い出し部屋の判決でありますけれども、人財部付という表現を使っていますが、事実上の追い出し部屋であり、実質的な退職勧奨であるという判決が出されて、和解につながっております。
 また、ことしの一月に、新聞報道も随分多かったということもあって、また、私たちが労組と一緒に情報提供したということもあって、今お話ししたように、聞き取り調査を行ったわけですよね。
 ただ、その結果は、連日のように長時間の面談を行うとか、多数の勧奨担当者が圧迫的な面談を行うといった明らかに違法な退職強要を行っていると認められる事案は確認されなかった。明らかに違法な退職強要ではないということを厚労省が認定しちゃったと。
 だけれども、電機大手の、よく名前が浮かぶような企業のお話を聞いたわけですが、本来の仕事を取り上げて、一室に集めて退職に追い込むリストラ部屋の状況については、昨年設置したという企業もあったとか、それで賃金が低下する企業もあったということは、その限定的な調査の中でもわかっているわけなんですよ。
 ですから、判決も出て、労働者からの訴えもあって、調査もして、そこどまりかなと。本当に違法ではないからいいんだとなったら、本当に裁判をやって最高裁まで待たなければ結論は出ないよというのは、それではどうなんですかということを問題提起したいと思うんですね。
 ソニーのキャリアデザイン室は、広い部屋に四十人ほどの社員が集められて、仕事はなく、机とパソコンがあるのみであります。そこでスキルアップして仕事を探しなさいと言ったって、あるのはパソコンだけですので、求人サイトを見ているだけなんです。あるいは資格取得の勉強をしていたり。これはニューズウィークにも載りました、ソニーの実態が。
 それから、厚労省がつくっているパワハラの広報誌、こういうのもあるんですけれども、その中にパワハラとは何かという規定がありますね。見ていくと、「隔離・仲間外し・無視」「業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる」「仕事を与えない」。そのものなんですよ。仕事を与えない、隔離する、仲間外し、無視している、こういう実態、まさにパワハラそのものなんだというふうに私は思います。
 そこで、ここに何の指導も入らないのかということなんですよ。ソニーのキャリア支援室などは、こういうところが、失業なき労働移動支援として、来年度拡充を目指す労働移動支援助成金、一億九千万から三百一億円、拡充される予定ですよね、こういうものの対象になるんですか。企業のリストラを国が税金で応援してやることになりませんか。

○田村国務大臣 労働移動支援助成金のお話ですよね、委員。(高橋(千)委員「はい」と呼ぶ)
 これは、御承知のとおり、事業規模縮小等々で、言うなれば余儀なく職を離れるというような労働者の方々を、企業が、民間の職業紹介事業所等々を通じて再就職をした場合に、一部が払われる、助成される、こういう制度であります。
 今、一部電機メーカーのお話が出ましたが、それは個別の話なので、それに対してどうだというようなことを私の口からは申し上げるわけにいきませんが、一般的な話をいたしますと、例えば、退職勧告を受ける、それからまた希望退職等々に応募する、こういう場合には、基本的にその方の、労働組合の同意を得てでありますけれども、再就職援助計画というものをつくるわけですね。この再就職援助計画を作成して、ハローワークにこれを提出いただいた上で、その事業主が民間の職業紹介所と契約をして再就職という話になれば、そのときに助成金が払われるということでございます。
 退職勧告でありますとか、言うなればみずから希望退職に応募するというような形で、とにかく、会社をやめるということが決まった後に初めて、労働組合との間の同意のもとに計画をつくるということになってくるわけでございますので、このようなスキームに乗らない限りはこの助成金は受けられないということでございます。

○高橋(千)委員 ここはあえて大臣に質問しているわけですから、制度のスキームに乗ったら払うよという話ではなくて、やはり、社会的にどうなのかという立場で答えていただきたいわけですね。
 つまり、もともと、この助成金というのは中小企業相手だったじゃないですか。だから、退職を余儀なくされてといったときにも、十分な手当てができないこともあるわけですよ。だけれども、今回は、大企業にこれを拡充して、大企業でも使えるようにして、労働移動を自由にしようという成長戦略の議論の中で出てきた話じゃないですか。それを、単にルールにのっとっていればという話ではなくて、つまり、こういうものをリストラの支援のツールにしてはならないということが私が言いたいことなんです。
 だって、そうでしょう。ソニーは内部留保が二兆六千億円もあるわけですよ。社長兼CEOの役員報酬は、一年間で一・六倍にもはね上がっているわけですね。退職を余儀なくされるといったって、必要ないわけです。生産量はふえている。
 そういう中で、財政的にも余力もある、仕事もある、そういう人が、少しでもコストを、さらに利益を追求するためにコストカットだよというのに、いやいや、これはルールに当てはまるから支援をしますよというふうなことではなくて、何をしようとしているのかということをきちんと見て、リストラ支援の後押しになるようなことはしないという立場に立っていただけますか。

○田村国務大臣 まず、労働組合の同意がなければスキームに乗らないということでございますから、勝手に、あなたはもう会社をやめてねと言って、それがスキームに乗っていくかというと、そうではないということは申し上げておきます。
 それから、個別の企業の名前をおっしゃられるので私もなかなか答えづらいんですけれども、追い出し部屋なるものが、実際問題、そこで不当な行為が行われていたかどうかということに関しては、我が省の調査では、そこまで極端に不当な行為は行われていない、そこは認められなかったということでございますから、余計にちょっと委員の御質問にお答えしづらいということでございます。

○高橋(千)委員 一般論でもいいわけですよ、答えるときは。私は具体論で聞きますけれども。そこを踏まえて答えていただければよいのではないか。
 だって、再就職支援というのは、結局、会社の中で、追い出し部屋に入らないで、リクルートが来ていますよ、どうですか、支援を受けたらどうですかとおっしゃいます。だけれども、それは、支援の期間が三月までです、三月までにはやめますということを登録しないと支援は受けられないんですよ。だから、やはりリストラと引きかえじゃないですか。そういうことがやられているんだということを指摘したいと思います。
 さっき、雇用のガイドラインを特区で設ける話をしましたけれども、大臣は、外国の企業が日本のルールをちゃんと学ぶように、わかってもらえるようにお知らせするんだということを説明しているじゃないですか。でも、そういう、ソニーもそうですけれども、外国の企業というのは、当たり前、わかっているわけですよね。
 それで、あえて言っておきますけれども、資料の二枚目につけておきましたが、ソニーグループ行動規範というのがあって、OECDの多国籍企業ガイドライン、国連グローバルコンパクト、ちゃんと多国籍企業としての行動規範にのっとってやっていますということを書いているんですよ。
 そのど真ん中、「健全な雇用・労働」「各国・地域の適用法令に常に準拠して従業員を取り扱うことがソニーグループの基本方針です。」「職場環境」「不当な差別や嫌がらせのない、健康的で安全かつ生産的な職場環境を維持するように努めます。」ここまで言っているんですね。
 だから、教えてあげるのではなくて、ちゃんとやれという指導ができなければならないんだということを重ねて指摘しておきたいと思います。
 それで、続けて、別の話題になりますが、同じ話になるんですけれども、厚労省のお膝元ではどうなのかということです。
 平成二十一年の十二月末、旧社保庁解体に伴う分限免職処分を不服として争っていた旧社保庁の職員について、人事院は十月二十四日、二十四人中八名の処分取り消しの判定を行いました。これは四回判定があるんですけれども、七十一名請求者のうち七十人に判定が下され、二十四人、実に三四・三%、三人に一人以上が処分取り消しの判定を受けたわけです。
 改めて、国家によるリストラ、選考に当たっての面接評価のやり方が問われたと思いますが、どのように受けとめていますか。

○田村国務大臣 これまでの人事院の判定でありますけれども、これに関しては、大変重く我々も受けとめさせていただいております。
 本来ならば、社会保険庁の長官が分限免職処分の回避の努力をするわけでありますけれども、しかしながら、厚生労働大臣も、その立場上、努力をする立場にあったのであろう、このように思います。
 当時の大臣が、努力はしたけれどもなかなか配置転換できないという中において、最終的にこのような対応をしたわけであります。まあ、当時の大臣は自民党でなかったかもわかりませんが。しかし、そこは努力をされたということは、我々も、一応これは認めておるといいますか、その部分に関しては、それなりのやはり努力はされたのであろうという認識でございますが、それが人事院に認められなかったということでございまして、これは残念に思っております。
 いずれにいたしましても、当時の、例えばどのような形で聞き取りをしたか。面接の要領というものを統一したりでありますとか、それから、選考会議というものをやったりでありますとか、さらには、全員に対して面接を行う、それから、配置転換等々に関しては公平かつ公正に、平等に、こういうものに対してはしっかりと選考していったでありますとか、そういう努力をしてきたわけでございまして、なかなかそういう努力が最終的に人事院に対して認めていただけなかったということでございますので、今回の判定を真摯に受けとめて、その方々には職場復帰をしていただくということになります。

○高橋(千)委員 資料の四に、このときの判定についての記事がまとめて載っていますので、ちょっと読む時間がありませんので、コンパクトに続きをやりたいと思います。
 今の答弁を聞いていますと、重く受けとめる。人事院の判定というのは、従わないわけにいかないですから、重く受けとめる、当たり前なんですよ。だけれども、言っていることは、努力が認められなかったというだけで、厚労省の頑張ってきた中身というんですか、それを一切、反省というか、いわゆる問題があったとか、一部ででもですよ、そういう認める発言が一切なかったなというのが、私はとても残念に思います。
 人事院の判定は、私は全部いいとは思っていないんですね。やはり、労働権の代償としては不十分ではないか。というのは、基本的に、これまでは、厚労省の面接選考などを適切とした上で、しかし、評価が一緒なのに処分が違う人がいる、おかしいじゃないか、そういうふうな矛盾を洗い出していって、やってきました。
 しかし、今回の四回目の判定は、これまでより踏み込んだ内容であります。記事を読んでいただければわかるように、もっとも、社会保険庁の仕事をやって労災になったのに、それをわかっていて、結局、健康上の理由だということでD判定にしたとか、あるいは、減給、懲戒処分があって、これは取り消された人なんですよね。そういう人を、処分が一度あったからということを前提にして分限免職にしたのはおかしいというふうなことで、これまでになく選考の内容について踏み込んだ判定をしているんですね。
 だから、改めて聞きたいんですよ。厚労省の処分に瑕疵はなかったのか。

○田村国務大臣 今委員がおっしゃられましたとおり、人事院の判定の中で、選考の手続自体が不適切であったということはないということでございます。そこはそのように人事院の方は御理解をいただいておりますが、しかし、同等であるにもかかわらず、こちらは分限回避がされて、こちらはされていないというところに対して、それが妥当なのかというような、そういう厳しい判定をいただいたわけであります。
 今委員がおっしゃられたのは、そもそも、分限処分を行ったときに、そのときは、例えば懲戒処分を受けている、もしくは休んでおって面接等々が受けられない等々のことがあったわけです。ところが、その後、懲戒処分が取り消される、また、一方で、公務災害がもう一方の方は認められて、それで、当然のごとく、そういう状況でありますから、これはその処分自体がおかしいという話になって、今回、人事院の判定をいただいたわけであります。
 これに関して、これは個別事情の話でございますので、そもそものこの分限処分といいますか、分限免職処分者に対してのいろいろな対応自体が違法性がある、不適当である、このようなことが言われたわけではないわけであります。
 この二人が、処分の後にそのような形、もっとも、公務災害は厚生労働省の方で認めた話でございますから、我が省自体で認めた話になるわけでありますけれども、そのような、状況が変わった中で、処分自体がおかしいということになって、今回の判定になったわけでございますので、それに対してはそのとおり受けとめさせていただいて、職場復帰に向けてしっかり対応させていただくということでございまして、他の案件と直接かかわるものではないというような認識をいたしております。

○高橋(千)委員 これは一つ一つ言っていくと切りがないんですよ。公務災害だって、ちゃんと医師の診断書を面接のときに出しているのに、そのときは、面接のときにD評価だったんですよ。そういう一つ一つのものを全部ひっくるめて適切だと言うから、私は違うと言っているんです。
 面接票は、厚労省に採用するかどうかというときに、十分か十五分の面接だったわけですけれども、その中身を見ると、声が小さい、発言が不明瞭、丸顔、眼鏡、垂れ目、こんなことがメモに書いてあるんですよ。これで何で適切だと言えるんですか。
 人事院の審判の中で、厚労省の面接官は、こういう評価をどう客観的にやるかということについて、何と答えていますか。面接官の経験と勘、これを信用するしかない、そう言ってのけたんですよ。経験と勘、こんな面接で人生を決められてたまりますか。そういうことが言われているんです。
 また、今回ではないんですけれども、愛媛の元職員の方で、はっきりした理由も告げられずに不採用となった方がいらっしゃいます。その後、分限免職になりました。その後、年金機構に、准職員に採用されるんですね。二〇一二年に正職員に応募して、結局採用されるんです、正職員に。だったら、何で最初から採用しなかったんですかと聞かれて、厚労省の担当者は、心を入れかえたんじゃないかと言っている、心を入れかえたんじゃないかと。そこまで自分たちは正しいと言い切れますかということなんですね。
 ですから、処分を間違っていると言っているわけじゃないと大臣はおっしゃいましたけれども、これまで出された人事院の判定の中に、国家公務員法七十八条の四号、分限免職については確かに認めています。だけれども、それは、国の都合で組織を一旦解体したわけですから、分限免職回避の努力はやるべきであった。それが不十分なものは、やはり裁量権の濫用であるということがきちっと書かれているわけですよ。
 そういうことをきちんと見ないで、全部ひっくるめて、勘でやったなんて言っているものまで含めてですよ、適切だったなんてどうして言えるのかということを改めて指摘して、私は、三人に一人が取り消しになったというこの事実を本当に真正面から受けとめて、全ての方たちの名誉回復をすべきだ、そういうことを指摘して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

――配布資料――

【資料1】「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針(抄)」

【資料2】ソニーグループ行動規範

【資料3】新聞記事(最近5年間で退職勧奨が大企業の3割実施された問題)

【資料4】新聞記事(旧社保庁職員の解雇:不服審査請で3割超が解雇取り消しとなった)

質問の映像へのリンク

http://www.youtube.com/watch?v=aI--K8I1fEk&feature=c4-overview-vl&list=PLrB7SAgyEZKKxdYAFtF3dzau-ftYrJhVk

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