2013.4.3(水) 東日本大震災復興特別委員会


183-衆-東日本大震災復興特別委…-5号 平成25年04月03日

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 福島復興再生特措法が成立をしたのは、ちょうど一年前、昨年の三月三十日でありました。私たちは、福島の特別法が絶対必要だ、復興再生のためには、財政的にも制度的にも体制的にもやはり特別な立法が必要だとずっと求めてきたわけであります。ですから、もちろん、これが拡充されていくことには賛成をするわけでありますけれども、あのときに積み残されていた課題の一つが、長期避難者の、当然長期避難を余儀なくされるであろう方たちの生活をどう支えていくかということではなかったかなと思っています。

 そこで、今回の改正では、第三十五条、生活拠点形成事業計画を作成することができる、このようになっているわけです。

 当初は、いわゆる仮の町構想という言葉がわあっとあって、どちらかというと、役場ごと避難をされていて、そこの中心に新たな集約をされていくのかなというイメージを持っていたわけですけれども、分散型に大体イメージをされている。今回、コミュニティ復活交付金ということで、長期避難者生活拠点形成交付金五百三億円も予算案として計上をされていて、これを活用するということであります。

 ただ、やはりイメージしていたのは、そうはいっても、よその町に仮の住まいをお借りして長い生活をしていくという点では、住民登録の問題、あるいは避難先の自治体への支援の問題、さまざま法改正が当然出てくるのではないかなと思っておりました。それは何度も私は聞いたことがあるんですね。でも、結局出されたのは、この交付金事業でやっていくということで、改正というふうな提案ではなかったと思うんです。

 そこで、検討はしなかったのであろうか、あるいは、なぜなのかということで、まず根本大臣に伺いたいと思います。

○根本国務大臣 一般論として、法改正する場合には、どういう法律事項があるか、あるいは、どういうテーマで、法律をつくらないと進まないような点は何か、さまざまな議論が一般的になされるものだと思います。

 今回の生活拠点の形成、これについては、長期避難者の生活拠点の形成ですから、国や福島県、避難元自治体及び受け入れ自治体との間で今具体的な議論を進めておりまして、これまでも、これをつくるに当たってはさまざまに自治体の皆様から要望を受けて、現在も、受け入れ自治体の実情についても丁寧にお伺いをしているところであります。

 今、集約化型、分散型といろいろなお話がありましたが、その議論の過程ではさまざまに議論があったものと思います。例えば、具体的な委員の今の御指摘で、住民登録、これについては、総務省から、やむを得ず避難先で生活を送る方について、住民票を移さなくても避難場所を証明できるように、関係地方公共団体による届出避難場所証明書の発行、これが既に開始されております。そういう対応をしております。

 また、受け入れ自治体への支援、これは、原発避難者特例法に基づいて受け入れ市町村が行う事務に要する経費、この経費については、震災復興特別交付税により措置されているところであります。この措置に加えて、この当該支援に加えて、今回、長期避難者の生活拠点の形成を支援するための交付金制度を創設いたしました。

 その意味では、今抱えている課題、問題点についてそれぞれの対応をさせていただいて、そして今回の交付金制度の創設ということになったということであります。

○高橋(千)委員 原発避難者特例法を制定した当時の総務大臣だった片山善博氏が、新聞の取材の中で、住民票を移した方も同じようにいわゆる避難元と避難先の行政サービスが受けられる、そういうことも法律改正で考えるべきではないかという提案をしている。私、これは大変興味深い提起ではないのかなと思っていました。

 つまり、特例法のときにもう既に、仕事のことですとか現地の学校のことですとかがあって、住民票を移さざるを得なかった方たち、あるいは、住民票を移せば逆にサービスが受けられないということで、移さないままずっと来た方たち、そのためにさまざまなあつれきがあり、悩みがありということがあったと思うんですね。だから、私は、これは答えは一つじゃないと思っているんです。なので、動き出しながら、走り出しながら、必要なことは制度を整えていくということが必要なのかな。

 ですから、集約型というのがあってもいいし、逆に、今、その一カ所には私は行きたくないという方が実はたくさんいらっしゃいますよね。だから、緩やかな形もあってもいい。そういうイメージで私はちょっとスタートしたいなと思いますが、大臣、いかがですか。

○根本国務大臣 これは確かに、それぞれの住民の皆様のお気持ちですし、心の問題もありますから、ここは多様な形があるんだろうと思いますが、今回の法律では、やはり長期避難者の方が今仮設住宅で不自由な生活を強いられているということに着目して、長期避難者のための拠点を形成する必要があるだろうということで、今回の制度の創設になったものであります。

 ただ、私も、実態はいろいろな形があるんだろうとは思うんですね。災害というのは、それぞれの災害で、それぞれ阪神大震災も東日本大震災も違うわけですから、そこはやはり我々も現場主義に立って、常にそういうことを念頭に置いて対応を考えなければいけないと思っております。

○高橋(千)委員 同じ長期避難者であっても、今結論を出せと言われると厳しいという方がたくさんいらっしゃるということを踏まえて、お話をさせていただきました。

 それで、一応、一点確認ですが、長期避難者生活拠点事業ということで、長期避難者が上についているので、これは帰還困難の区域の方だけを指しますか。

○根本国務大臣 今、区域見直しをやっていますから、そこで三種の類型の区域見直しがなされております。

 一方で、長期避難されている方はそれぞれの区域からの方々ですから、今回、我々、この制度の趣旨としては、長期避難者の方に災害公営住宅に移り住んでいただくということですから、要は、避難指示を受けられて別な自治体に、別な受け入れ市町村におられるわけですから、そこは長期避難者ということで考えておりますので、そこで区別するものではないと私は考えております。

○高橋(千)委員 ついこの間まで避難指示を受けていた方たちとか、さまざまあるわけですから、そこは自治体の中で、厳密ではないということで理解してよろしいかなと今思っております。

 次に話を進めますので、違うのであればまた言っていただければいいと思います。

 それで、関連基盤整備事業として、公共インフラの整備をする。つまり、災害公営住宅を長期避難者のために整備をしたときに、それに関連してのインフラ整備をするということを言っているわけですが、ただ、よくわからないのは、そもそも町にいるわけですから、いわき市であったり二本松市であったり郡山市であったりという中で、あえて関連インフラといったときに、どういうものを念頭に置いているのか、伺います。

○根本国務大臣 要は、長期避難者のための拠点形成ですから、災害公営住宅の整備が基本になるわけですね。災害公営住宅の整備に伴って必要となる避難者受け入れに関連する基盤整備、これを関連基盤整備事業として、その中から選択的に実施できるということにしております。

 もうちょっと詳しく申し上げましょうか。

○高橋(千)委員 ですから、整理をしたのは、何もないところを切り開いて町をつくるわけではないので、もともと町に公営住宅を整備するんだけれども、しかし、今いるいわき市とかに迷惑をかけずに、かつ、関連して必要なインフラ整備をするというのは、具体的にどういうことなのかということを聞いています。

○根本国務大臣 具体的には、道路改良、学校あるいは公園等の生活基盤の整備がありますが、要は、避難者の増加に伴って必要となる保育所や幼稚園あるいは学童保育、さらには介護施設などの施設整備も対象事業として想定をしております。

○高橋(千)委員 例えば、子供がふえたら幼稚園の枠が少しふえるとか、学校の増設というか若干幅がふえるとか、そういうのも念頭に置いているというお話だったと思うんです。

 病院はどうですか。

○根本国務大臣 病院の整備に関しては、今、自治体を支援する既存の補助事業がありません。ありませんので、これは本交付金の対象としてはおりませんが、厚生労働省の地域医療再生基金を活用して、必要な施設整備等については対応されるものと思っております。

○高橋(千)委員 そこで、もともと福島県は、御存じのように大変医師不足でありました。

 資料の一枚目を見ていただきたいんですが、これは福島県のホームページであります。「福島県の医療の現状 医療施設に従事する医師数が不足しています。」ということで、医療圏ごとの数字がありまして、平成二十三年三月一日、二千二十四名だったものが、昨年の十二月一日、千九百六十人ということで、医師数が減っていますという資料であります。これは常勤の医師の数字であって、県中あるいは相双地区が非常に多いということです。

 二枚目をめくっていただきますと、二枚目の上の段の資料なんですけれども、これは震災前の数字であります。つまり、十万人当たりの医師数でいいますと、全国平均は二百十九人であるところを福島県は百八十二・六人であって、全国順位は四十一位にとどまっている。それを医療圏ごとに見ますと、もっと乖離が激しい地域が、南会津なんかがまさにそうなわけですけれども、あると思うんですね。

 ですから、もともと医師不足の地域であった、その上で、やはり震災と原発事故による避難区域の再編だとかいろいろな影響があって、矛盾は大きくなったと思っております。

 この点で、厚労省の現状認識を伺いたいと思います。

○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、まさに福島県は震災前から既に医師不足の状況でありました。委員御指摘のとおり、人口十万人当たりに対して医師数は百八十二・六人、全国平均が二百十九人ということで、かなり不足していたという状況に被災が重なったということであります。

 ただ、今の現状を見てみますと、例えば、福島県の緊急時避難準備区域でありました六病院の現状を見ますと、常勤医師の数はほぼ同数に戻っております。ただ、数だけ見ればいいということでもございませんで、やはり状況が前とはかなり違っておりまして、実際、被災地から逃げていらした方とか、生活のスタイルも大きく変わっておりますので、その辺は細かく見ていかなくてはいけないなというふうに思っております。

 厚労省といたしましても、その辺のケアも考えまして、被災地の健康支援連絡協議会から医師の派遣を依頼したり、もしくは医師支援センターの運営費に対する国庫補助を行ったり、そして、先ほど大臣からもお話ありましたけれども、地域医療再生基金を活用した医師確保対策の支援、こういったことを積極的に行わせていただいております。

 私も、今、南相馬市の方の医師が不足しているということで、市立の医科病院の方から派遣をお願いしたりということで、いろいろ手を尽くさせていただいております。

 以上です。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 時間の節約で、二問まとめて、もう一度政務官に質問いたします。

 今御紹介があった南相馬の問題ですけれども、南相馬は、震災直後、六百三十六名が亡くなって、七万一千人の市民が一万人に減ってしまうという状況がございました。

 そういう中で、ベッドももちろん使えないという状況から、首都圏の医師たちが繰り返し支援をしてくださって医療体制を維持し、南相馬の市立病院の金沢院長は、やはり自前で医師を確保したいんだということで全国に公募をされ、十名の医師が応えてくれたり、臨床研修指定病院をとって四月から臨床研修医二名を迎える、そういう努力をされています。だから、そういう努力の中で、今おっしゃったような常勤医でいうと、戻っていますよと。数字的にはそうなるんですね。

 だけれども、資料の三枚目を見ていただければわかるんですが、南相馬市の居住人口の推移なんですね。震災前と震災後、年齢が上にいけばいくほど、震災前と震災後の差が余りなくなってくる。つまり、帰ってきた人は高齢者は多いんですが、若い世代にいくと戻ってきていない。そうすると、高齢者の比率がすごく高くなっていくということで、介護の需要ですとか、仮設住宅を回らなければならない、在宅診療が必要となって、大変人手をとられている。そういう実態を当然配慮しなければならないというのが一点です。

 同時に、この現場の皆さんが、子供たちの甲状腺の検査や、あるいはホール・ボディー・カウンターなどの検査をされて、一年間で二万一千名を超える検査をされています。あるいはカウンセリングもやられています。震災前とは大きく違う課題を背負っている中で、一つ例に挙げれば、WBCには診療報酬もない、こういう状態ですね。

 ですから、この特別な負担をどう評価して支援していくかということで、もう一言お願いいたします。

○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 委員おっしゃいましたように、震災前、南相馬市立総合病院には十二人の医師がおりましたが、それが、二十五年の一月一日の時点で二十一名と増加をしております。

 委員御指摘のとおり、数は確かにふえておりますけれども、人口の構成が大きく変わっておりまして、南相馬市の人口は震災前の約七割程度となっておりますし、お戻りになられた方も比較的高齢者の方が多いというような実情でございます。

 ですから、やはり医療の状態をよくチェックしておかなくてはいけないということで、厚労省も、相双地区等の医療・福祉復興支援センターを設置いたしまして、現地のニーズを把握しながら、医師の派遣等、そして関係機関との調整を常に心がけて実施しているところでございます。

 さらに、もう一つお尋ねのありました子供たちのことでございますけれども、予防を目的とした医療のことについてでございますが、甲状腺の検査やホール・ボディー・カウンター検査、これは残念ながら今は保険給付の対象とはしておりません。症状等から医師が必要と認めた場合は実施される検査でございますので、そのときは保険給付の対象となりますけれども、現時点では保険給付の対象とはしていないという状況でございます。

 現状を見ながら注意深く見守っていきたい、このように考えております。

 以上でございます。

○高橋(千)委員 今の、最後におっしゃった、医師が必要と認めた場合は対象となるということだったと思うんですね。今までは、ホール・ボディー・カウンターを普通に子供たちや一般の方が使うということを想定していなかったわけですから、もう現状は変わっているという点で、ぜひこれは御検討いただきたいということを述べたいと思います。

 そこでもう一つ、医師体制の問題で、産科医不足が特に深刻でございます。

 さっきの二枚目の資料で下のところに書いているんですが、産科は、全国四十六位でございます。こういう実態がある。

 その中で、特に中心部からも深刻な事態が起こっている。例えば、社会保険二本松病院は、この四月にも産科医が不在となります。毎年、二本松市だけで四百名を含む、新生児七百人以上を扱ってきました。その上、浪江町や南相馬市など、二市五町三村から避難をしています。

 先日もRFOと厚労省に要請をしてきたんですけれども、人口減少が大きな課題となっている福島県で、若い人に定着してもらえるためには、やはり安心して出産、子育てができる環境づくりは決定的なんですね。そういう点でも、この産科医確保対策というのは特別な手立てが必要だと思いますが、伺いたいと思います。

○とかしき大臣政務官 お答えいたします。

 平成二十五年度予算案におきまして、勤務医師等の手当に対する補助を行うということで、産科や新生児の医療を担当する医師をふやしていこう、このように心がけているところでございます。

 地域医療支援センターの設置を進めて、さらに、福島県外から福島県にお越しになった場合は研究資金を付与するなど、産科医の確保を進めているところでございます。現在のところ、四名の医師にこちらの方の研究費を付与させていただいております。

 あと、このほかには、地域医療再生基金を活用して、四時間以上の応援を行った場合に報酬を補助するとか、さらに、医師事務作業補助者の導入推進事業ということで、こういったサポート体制を整えたり、そして、病院勤務の産科医や小児科医の負担軽減を図って、少しでも産科医をふやしていこうと今心がけているところでございます。

 このほかには、福島県立医科大学におきまして地域枠を設けさせていただきまして、三十五名をふやして今百三十名というところで、今、そういった形で地域枠をふやして対応させていただいているところでございます。

 引き続き、福島県の現状を見ながら、なかなか医師の確保が難しい状況でございますので、しっかりと応援体制を整えていきたいと思っております。

 以上です。

○高橋(千)委員 今、例えば社会保険病院のお話をしましたけれども、一般論で産科医が足りないと言っているのではなくて、個々の病院が名乗りを上げていて、ただ何とかしてくれと言っているのではなくて、自分たちも足を使っているんですね。必死で訴えていて、来てくれそうな話があったけれどもオーケーが出なかった、県境があるんだとか、さまざまな困難を抱えています。

 そうした点に具体的に応えていただきたい。もちろん、裾野を広げる努力と同時に、具体的な提案もしておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 きょう、財務副大臣にも来ていただいておりますので、賠償の問題で、ちょっと医療つながりで質問をさせていただきます。根本大臣、最後にもう一問聞きますので、ぜひ聞いていただきたいと思うんです。

 福島県の病院協会、双葉郡の四病院、私的四病院など、被災した病院が協議会を開催して、東電への損害賠償を求めてまいりました。それで、賠償金の課税措置をしないでほしいと。これはもちろん、病院だけではなく、農協や商工団体も強く求めているところなんですけれども。

 特に、警戒区域の四病院は、今、二つ休止していて、二つは仕事はできていません、当然避難していますので。だけれども、雇用は維持しているんですね。そういう中で、賠償金をもらいました。その半分が退職金に回りました。つまり、解雇せざるを得なかったからです。四分の一が負債の返済に回り、一四%が税金に回ったそうであります。

 ですから、今は休止をしていますので、賠償金以外に収入がないわけですよね。でも、再開したいと思って頑張っている人たちが、結局、税金を取られて、退職金ほとんど切られちゃったよ、これはないでしょうということを訴えているんです。いかがですか。

○山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 今先生お話しの東京電力が支払う賠償金につきましては、避難生活等による精神的損害にかかわる賠償金等、大半のものが非課税になっておる、もう御案内のとおりでありますが、営業損害のうち、減収分に対して支払いを受けるものにつきましては課税の対象になっております。

 これは、被災がなかった場合には本来課税対象となるべき収入にかわる性質を持つものでありますので、一つには、他の民間企業が支払う損害賠償金の課税関係との均衡、あるいは、被災者であっても事業継続や転業、転職によって収入を得ている方との均衡等を踏まえて、課税の特例を設けておりません。

 しかしながら、今後の被災者に対する税制上のさまざまな支援に関しましては、被災地における実態を十分踏まえながら、また引き続いて検討はしていきたいと思っております。

○高橋(千)委員 もう一声言いたかったんですが、時間の関係で、ここは要望にしたいと思うんですね。

 減収分を補填している場合というときに、それは逸失利益というふうにいつも説明されているわけですよね。だけれども、そもそも利益じゃないよと。医療法人なので、要するに、配当があるわけでないし、営利ではないし、しかも、今も被害が続いているわけですよね。そういう医療法人の公益性というのをちゃんと踏まえてくれよ、利益じゃないんだということを指摘していますので、今、最後に、検討するとおっしゃいましたので、改めて検討を求めたいなと思います。

 今紹介した四つの病院の中の西病院は、浪江町で六十年以上の唯一の病院でありまして、一般病床と療養病床で合計七十九床、人工透析などをやってきたところであります。

 現在、院長先生は、二本松市に仮設診療所、津島診療所を移して今再開していますが、その中で、週一回通って診療をされております。

 施設自体は、地震や津波でも損傷は余りなくて、人工透析センターは残っているわけですね。本当に、スタッフの皆さん、事故直後は患者さんの救援、診療に当たられました。だから、原発事故さえなければ同じように診察ができたわけですよね。その方たちが、病院としての機能を生かしながら浪江町民に寄り添っていきたい、病院の再開を目指したい、こう述べているんです。

 だけれども、浪江町は、五年、六年以上たたないと帰らないと決めちゃったんですよね。なので、それを待たなければ自分たちは再開ができないのかというときに、今提案しているのは、浪江町が今考えている町外コミュニティー、リトル浪江。仮の町構想を、分散型でリトル浪江をつくろうと、南相馬や二本松や、考えていらっしゃいます。

 そういうときに、では仮の町で病院を再開したいと思ったら、単純に、オーバーベッドですよと。要するに、中心地に一旦避難をしていて、それで病院を再開したいとなると、そこはもう過剰ですよというふうに言われちゃったということなんです。そうしたら、浪江が再開するまで待たなきゃいけないのか、とてもスタッフは維持できませんよということをおっしゃっています。

 そこで、さっき言った話に戻るわけですけれども、そういう場面も出てくるわけですよ。本当に、もといた町に寄り添って、医療と介護の体制、支えていきたいと思っている方たちが、やはりこういう公共インフラを唱えて、オーバーベッドといっても、実際にはたくさんの人が避難をしてきている、そういう中で、一体として整備を認めるということもあってもいいんじゃないか。これは一つの問題提起でありますが、根本大臣に、少し検討していただけるでしょうか。

○根本国務大臣 今の、医師不足あるいは看護師さんも不足している、その中で、委員のお話しになった、お医者さん初め看護師さんの皆様、医療関係者の皆様のその思いは大変貴重な思いだと思います。

 今、さまざま、ベッド数もそれぞれ、これは厚生省所管ですが、一定のエリアで一定のルールでなされているので、そういうお話だったんだろうと思いますが、そこは、それぞれの市町村あるいは県、よくお話をお伺いしながら、どういう対応が可能かどうか、これをよく考えていきたいと思います。

○高橋(千)委員 終わります。ありがとうございました。



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