レポート「学童保育の設置基準は各自治体でさまざま〜厚生労働省の全国調査の結果について」(続報)


 全国で一万三千六百九十八ヵ所で五十六万五千七百六十四人(厚生労働省育成環境課調べ。平成十五年五月時点)の子どもたちが放課後を過ごしている学童保育。一九九七年の児童福祉法改正で、法定施設とされたものの、明確な設置基準が定められていません。山口富男、高橋千鶴子両衆議院議員の質問主意書への答弁で、政府の全国調査で独自に設置基準をもっている地方公共団体は、埼玉県と東京都の二都県と四十三市区町村であることが明らかになりましたが(本紙八月十二日既報)、高橋千鶴子事務所の求めに応じて、厚生労働省がその自治体名や基準の策定の内訳を明らかにしました(別表参照)。四十五のうち、クラブ室(休息、遊び、学習等、児童にとっても生活の場となる室)について基準を設けているのについて何らかの基準をもっているのは八七%で、「児童一人あたり一・六五平方メートルのスペース」「三分の一は畳スペース」「原則として三十三平方メートル以上で採光、換気等児童の保健衛生に対する考慮が充分なされていること」などとなっています。次に多いのはロッカーについてで、六二%で、「ロッカーが設けられていること」のみのものから「カバンや着替えなどを収納するのに十分な大きさのもので児童数分確保されている。低年齢時にも使いやすい高さとし、倒れることのないように固定されている」とされているところも。トイレについては、六〇%で、「多目的トイレを設置すること」から、「男子便所(和式1、洋式1、小便器1)、女子便所(和式2、洋式1)、身障者便所(洋式1)。身障者用としてパイプをとりつける」などさまざま。手洗い場については四五%、台所については三八%、静養室の設置や野外の遊び場についてはそれぞれ二〇%、事務室については九%などとなっています。

 次世代育成支援対策推進法では、各自治体が子育てについての計画策定をおこなうこととなっており、政府・厚生労働省も新・新エンゼルプラン策定を準備しています。そのなかに学童保育の質的・量的充実の計画策定を盛り込ませる取り組みがもとめられています。

学童保育の設置基準がある自治体数

北海道
滋賀県
青森県
京都府
岩手県
大阪府
宮城県
兵庫県
秋田県
奈良県
山形県
和歌山県
福島県
鳥取県
茨城県
島根県
栃木県
岡山県
群馬県
広島県
埼玉県
1(1)
山口県
千葉県
徳島県
東京都
8(1)
香川県
神奈川県
愛媛県
新潟県
高知県
富山県
福岡県
石川県
佐賀県
福井県
長崎県
山梨県
熊本県
長野県
大分県
岐阜県
宮崎県
静岡県
鹿児島県
愛知県
沖縄県
三重県
合計
45(2)

(注)地方公共団体数の欄の数は、基準を設けている都県及び市町村の数であり、都又は県として基準を設けているものの数を内数として括弧書きで示した。



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